鮮明な月

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間章 ちょっと合間の話3

間話109.そしてこちらも余波。2

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一体何がどうしてこうなった?

そう源川仁聖だって正直思うのだけれど、これの事の発端は友人である外崎宏太の断捨離だ。目が見えない宏太が以前の職業で備蓄していた器具や恋人の外崎了へ着せようと大量買いした男性用の下着の山を処分するのに、その段ボール箱の移動の手伝いに狭山明良と共に呼ばれたのだった。
棄てるものは段ボールに詰められたまま、その上まだ新品未開封の未使用だから、欲しかったら持って帰れと言われたのだ。
バイブにローター、その他諸々。それに手枷や足枷、拘束のための品々。それに様々な種類とパターンの下着の数々はハッキリ言うと、その専門店よりもバリエーションが多かった。
おまけに宏太からお道具の使い方のレクチャーやらお前にはこれが良いだろうなんて仕分けまでされて、密かに持ち帰ったとんでもない品々。一端はクローゼットの奥に保管していたのだけど、一緒に巻き込まれた明良が一足先に恋人の結城晴と楽しんだと聞いてしまった。

どうだったの?!

そう問いかけたら何故か記憶だけで悶絶して話しにならない明良に、更にどんなの使ったの?と何とか聞き出してしまったのは言うまでもない。それにかなり口が重かった明良なのだが、最後に下着と手枷足枷を使った事だけは答えてくれた。

とんでもなくエロくて…………凄かった…………

晴には全く性的な感情はないので何がそんなに凄いのかとは思うが、自分も恭平に身に付けさせてみたら『凄い』のだろうか?なんて事を思いながら、妄想でボンヤリしていたのが間違いだった。ノックに気がつかずにいた仁聖は、恭平に声をかけられて眺めていた代物を思わず放り足してしまい何を見ていたか自分からさらけ出したわけだ。
そしてその結果。
何故か仁聖の方が股間すら隠してくれない恥ずかしい下着をつけて、枷で四肢拘束される羽目に陥ってしまったのだ。しかも時々稀にだがこんな風にエッチな方面のスイッチに切り替わってしまう恭平に更に襲いかかられて、亀頭に得体の知れないシリコンカバーを追加と言わんばかりに取り付けられてもいる。そしてそれを嵌める為に塗られたらしいジェルの効果なのか、今の仁聖は亀頭を中心にジリジリと痛痒に責められて腰をカクカク震わせ喘ぎめいた声を上げているのだ。

「あ、はぅ…………んっ、うっ。」

それを拘束された仁聖の身体の横に腰かけたままの恭平が、いつになく興奮に潤んだ瞳で欲情した色香を漂わせながら見下ろしている。

「きょ、うへ、や、外して、んんっ。」

頬を染め快感に潤んだ瞳で懇願する仁聖に、恭平は妖艶な微笑みを敷いたまま再び口付けてくる。差し込まれ舌を絡められて吸い上げられる強い快感に、性感を煽られるのか更に亀頭を襲う痛痒が増してしまう。女性ならそれこそ愛液が溢れだしてしまうのだろう快感に、熱を持った亀頭が刺激を欲しがってヒクヒクする。

「んぅ、うく、んんっんぅ。」
「どうした?仁聖…………腰、そんなに揺らして?」

伸ばされた恭平の指が再びユルユルと竿を擦るけれど、そこに刺激を与えられると尚の事先端の刺激の無さがもどかしさになって仁聖の腰が前後に大きく揺れる。しかもカバーの締め付けのせいで尚の事、もどかしさが強まるのに仁聖が泣きそうになりながら懇願していた。

「かゆ、い……ッ先…………きょ、うへ、これ。ひぁあんっ!!!」

お願いだからコレを取ってと懇願しようとした瞬間、全く予想しなかった別な刺激が亀頭に走ったのに仁聖は大きな悲鳴を上げて仰け反り目を見開いていた。

「ひぁ、あぁ!あっ!あぅう!ひぃん!んんんっ!や、あぁ!」

自分の口からこんな甘ったるくて情けない声が飛び出すなんて。そう執着心に飲まれて顔だけでなく全身が真っ赤になっているのに、それでも喘ぎ声が止まらないのはその刺激が全く止まらないからだ。亀頭に嵌められたシリコンカバーの仁聖からは見えない側に歪に飛び出した部分が、微かな音を立てて微細な振動を始めていた。それが亀頭の裏側を延々と震わせ刺激していて、快感が電気のように腰から頭までビリビリと走る。

「んぁ!あ、あ!あぁー!!」

所謂亀頭責め用のローターという代物なのだけれど、実は仁聖にはこの類いの知識が余りない。というのも仁聖は元々性的な経験値としては確かに高いのだけれど、それは自分以外の相手……女性に対する事。女性が使うことの出来るピンクローターやディルドなどの知識はあるけれど相手が使いたがらなければ使わなかったし、実際には余り使ったことがないのだ。そして自分が何かをされるのには尚の事免疫がなくて、仁聖は実は愛撫されるのにはてんで弱い。それをこうして知っているのは実際には恭平だけだし、仁聖にこんな風に何か出来るのも恭平だけだから問題はないのだが。

「ふふ……、仁聖…………気持ちいいか?」
「や、あぁあ!あ、あ、あぁ!」

快感に身悶えようにも手足が自由にならなくて、腰をカクカクと前後に動かすしか出来ない。しかもどんなに腰を振っても亀頭責めからは逃れようがなくて、ガチガチに反り返った怒張が艶かしく揺れる。固く張り詰めた怒張が腰振りにあわせて大きく振れ、シリコンに包まれた先端がペチッペチッと腹に当たるのに恭平がウットリと目を細めた。

「あぁ…………イヤらしくて……可愛いな…………。」

それに妖艶に微笑みキスを繰り返しながら、恭平が弱く震わされている先端に欲情しきった視線を向けていた。破裂しそうな程に張り詰めた仁聖の怒張の先端は、シリコン製の器具にきつく締め付けられているせいで録に射精も出来ないのだ。

「あぅう、うう、ううんっ、これぇ、やぁ!!はぅう!」

ヒクヒクと快感に鈴口の開閉する怒張の先が、シリコン製品の半透明の器具の向こうに透ける。

「凄いな、これは……本当に…………イヤらしくて…………。」

隠すことの出来ないハシタナイ下着に手足を動かすことも出来ずに拘束され、雄々しく下折立つ怒張の先端だけが機械の刺激に何時までも責め立てられている。それに頬を染め快感に青味がかった瞳が濡れて、閉じられなくなっている唇からホロホロと喘ぎが溢れていく。

「や、あぁ、あ、あぅ、んんっ、んん、んっ!」

上り詰めているのに吹き出す事が出来ない快感に、仁聖が懇願に満ちた声を上げて腰を大きく揺らすのがわかる。

「仁聖…………可愛い。」
「や、らぁ……んん。きょ、ぉへ、これや、んん。」

何時もと違う弱々しく懇願する仁聖の様子を見下ろしているだけで、ゾクリと背筋に震えが走る。明らかな興奮に唇を湿して恭平が、躊躇いもなくパサパサと仁聖の目の前で服を脱ぎ捨てていく。
真っ白で滑らかな肌に均整のとれたしなやかな筋肉、ここ暫くの合気道の鍛練で更に美しさを増した身体。それを惜しげもなく曝した恭平の肌が興奮に上気して、ホンノリと薔薇色に染まりながら欲情の甘い香りを漂わせている。

「は、ずしてぇ、これ、んぅ、はぅうん。」

それを引き起こしているのが自分のこの恥ずかしい様相なのだと、声を上げている仁聖だって理解している。それでもジリジリと亀頭に弱い刺激しか与えられずに焦らされ、痛痒に大きな刺激を欲しがっている身体をどうしようもなく持て余していた。

「きょぉへ、恭平……、これぇ……んぅう!」

ヌチと音を立てて根本を指が捕らえ、執拗に先端を責め立てていたシリコンカバーから解き放つ。そのまま一気に快感に上り詰める筈だったのに、根本を握りしめた恭平の手が仁聖をきつく締め付けたまま解き放ってはくれなかったのだ。ハァハァと肩で息を吐きながら、何でと戸惑いに満ちた視線を向ける仁聖に恭平が淫らな視線を返す。

「な、んでぇ…………?きょ、うへぇ…………。」

手を離してくれたら出せたのにと恨みがましく見つめてくる濡れた瞳の前で、恭平は指で竿を握りしめたまま亀頭にトロリ……と更に粘度の高いジェルを垂らしていく。先端が全てジェルに飲み込まれ包み込まれると、ジリジリと怒張が熱さに飲まれていくのが分かった。

「はぅうう…………な、んんん、なに、やだ…………はぅ。」

普段も使うジェルとは違う代物は、勿論仁聖が宏太から譲り受けたものの中にあったのだ。所謂温感ジェルに特別に付加作用を足されたそれは、ジワリと痒みを感じさせて塗られた者を身悶えさせる。
過去の宏太はこれと精神的な追い込みをかけて、相手を散々に快感に狂わせたものだった。実際にはジェルには自然界由来のものしか使っていないし、温感といっても大した珍しいものではない。性的な商品としては痒みを感じさせて性感をあげるものは、それほど珍しい製品ではないのだ。何しろ江戸時代から人間は山芋や自然薯の蔦などを使い、性的な道具を作り使ってきたのだから。それでもこういう類いのものを使う経験の少ない仁聖には効果適面だし、弱々しく懇願する仁聖の様子に興奮しきった恭平にも効果的といえる。

「や、……ぁあつ、いよぉ、きょうへ、…………や、はぅん!」

根本を締め付けられたままヌチャヌチャともう片方の手で、パンパンに張り詰めた亀頭を包むようにして揉まれる。強い快感に仁聖は枷をカチャカチャと大きく鳴らしながら、激しく腰を揺らして仰け反る。仁聖のミルク色の肌がボォッと快感に上気して、僅かな紐と前の布地以外のどこも隠すこともなく曝され震えながら喘ぐ。

「うぅ、はぅう、あぅん!や、しごくの、や、だ。あんっ!」

先端から指に包まれ竿を上下に緩く擦られて、仁聖は刺激に堪えきれないと悲鳴をあげる。

「…………止める、か?…………嫌なら。」

柔らかで甘いのに、何時もよりも少し意地悪に聞こえる恭平の声。刺激を止めて欲しくなんかないのに、苦しくて追い詰められていて上り詰めたくて身悶える。

「や、だぁもっと、んん、もっとぉ!」
「もっと?なんだ?」

甘ったるい声で仁聖はガクガクと今も腰を激しく震わせているのに、恭平はそれを強請れと囁く。今もその指で塞き止められたままの怒張は、精液で破裂しそうになっている。しかもジェルの刺激で痛痒は更に激しくなっていて、それでも手が使えない仁聖には恭平に必死に懇願するしか出来ないのだ。

「かゆ、い、あう、はうぅん!も、と、やだ、こすっ、て!!はぅ!」

痛痒に緩く手の動きが再開されはしたものの、1度決壊してしまった快感への抵抗は酷く脆い。強い刺激を求めて甘く強請る仁聖に、恭平の手が大きく強く音を立てていた。

「こう、か?」
「あ、ぁぁ!もっと、強く、して、あぅう!」

グチュグチュと音を立てて擦り立て、快感に呑み込まれていく仁聖の潤んだ顔を見下ろして恭平は淡く淫らに微笑みながら再び唇を重ねる。脆くて可愛くて、もっと喘がせたい。それでもこのまま仁聖が刺激で快楽に達してしまうのも、恭平は許せないのだ。熱く張り詰め限界を迎えようとした瞬間、不意に動かされていた手が怒張を離す。

「ふぁあ!!あぅう!」

それなのに根本を締め付けていた指はガッチリと締め付けたまま、快楽に溺れかけ身悶える仁聖が信じられないと目を見張る。しかも快感の波が僅かに引いたのを見計らって、その根本も解放されてしまったのに仁聖はどう言うことと戸惑いに満ちた視線を向けていた。

「きょぉへ…………な、んでぇ…………。」

自分の手足が自由なら容易く刺激していて達する事が出来るのに、枷のせいで身体を自由に起こすことも出来ない。ビクビクと跳ねる下折立ったままの怒張をさらけ出したまま、手も足も出ないで震えて身悶える仁聖の姿は酷く淫らで悩ましいものだ。

「じんせ…………、どうして…………欲しい?」

フワリと甘い声が囁きながら、その見事なしなやかな脚で腹の上に跨がっている。白磁の滑らかな肌が仄かに薄く薔薇色に染まって、欲情に濡れて艶を増していく。

「ど、う?」

興奮にハクハクと喘ぐような吐息を吐きながら、限界に震え出す仁聖が戸惑う瞳で見上げてくる。仁聖だって心はまだこんなに子供のような脆さなのに、見事に育った身体が欲望ではち切れそうになっているのに恭平は甘い声を溢しながら改めて唇を湿らせた。

「そのまま、出す…………か?仁聖。」

ヒクンッと仁聖の身体がそれに反応して、その瞳は舐めるように恭平の全身を見つめる。その視線の意味がちゃんと分かっていて、恭平は酷く淫らに甘い声でその腰を突き上げるように差し出していた。

「それとも………………、他に、出したい……か?」

仁聖が触れたわけでもないのに視界の中の恭平の淫らな陰茎は、ピンク色に張り詰めていてトロリと先端から蜜を滴らせる。その下には慎ましやかな恭平の秘められた部分があって…………それを思い浮かべた仁聖は、大きく喉をならしていた。
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