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間章 ちょっと合間の話3
間話95.変わっていく3
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玄関の上り框を上がって直ぐ。言い換えればまだ玄関という場所で、榊恭平は帰宅したばかりの源川仁聖に確りと抱き締められていた。というか既に今は仁聖に抱き締められているのではなくて、恭平の方が仁聖に縋りついているというのが正しい。何しろ恭平は目下自らの腰の辺りだけを淫らに外気に曝して、仁聖にそこを撫で回されて体内に指を音をたてて抜き差しされているからだ。壁に寄りかかるようにした仁聖に恭平が縋りつき、仁聖の腕に腰を抱えられヌチヌチと微かな音をたてて指が体内を擦るのに喘がせられていた。その先を強請った恭平に仁聖は見事な怒張を抜き出して来たのだけど、それを直ぐには埋め込んでくれずにヒクつく割れ目に硬い怒張を挟見込まれてしまう。
「んん、じ、んせ……。」
尻の肉を左右に押し開き圧迫するような狂暴な熱の存在に、思わず恭平の腰が前後に揺れてしまう。こんなに簡単に受け入れようと綻ぶようになってしまっていて、仁聖の指だけでも飲み込む快感に震える自分の身体。勿論自分の陰茎だって外気に曝されヒクヒクしながら先走りの汁を滲ませているのだが、そこを弄って欲しいわけではないのだ。それでは達しない快感があるのを知ってしまった身体が訴える。
「じんせぇ…………、はや、くぅ。」
早く奥まで満たしてと強請る羞恥心に頬が染まるけれど、それでも仁聖に与えられる快感が強くて我慢できなくなってしまう。こんな風に作り替えられてしまったのに恭平だって気がついていて、縋りついている顔を見下ろすとそこには何故か子供のように涙で濡れた仁聖の空を透かすような瞳があった。
「じんせ?」
ジイッと自分を見つめながら、溢れ落ちそうな涙を一杯に湛えた仁聖の綺麗な瞳。驚いたように恭平が見つめ返し頬を撫でると、その涙がホロリと頬を大粒の真珠のように降り落ちていく。それになおのこと驚いて恭平が頬を両手で包み口付けながら涙を拭うけれど、まるで堰をきったみたいにホロホロと涙が溢れ落ちていく。
「きょ、うへぇ…………すき、だいすき…………おれ、」
溢れだして止めどなく頬を伝う涙と一緒に、ホロホロと恭平への思いが言葉になって溢れてくる。その言葉に恭平が柔らかに微笑みかけて、何度も涙すら唇で拭いとる勢いで口付けていく。今日仁聖に何があったかは恭平には分からないけれど、少なくとも自分だけで消化しきれない何かを感じているのだろう。以前は自分では感じることのなかった様々なことを知るようになった仁聖は、時々こんな風に自分でも良く分からない感情に振り回されて戸惑うようになった。
孤独感とか…………嫉妬とか……
今迄仁聖はそういうものに触れないようにして生きてきたから、直にそういう感情に曝された経験がないままで過ごしてきた。それが孤独なのだと知らなかったから気にもかけなかったし、嫉妬しても無駄だから最初から諦めてきたのだ。でも、恭平と暮らすようになってからの仁聖には、明らかな独占欲や執着心を感じとるようになってきた。それは当たり前の感情なのに、それを知らない仁聖は時々それに不安を感じて戸惑う。同じような経験があるらしい外崎宏太は、恭平に仁聖は戸惑うだろうがそれでも次第に慣れていくだろうとも言っていた。
独りで家に残されるのが寂しい
それでもそんな子供の時に感じるのが当然の経験を今になって初めてしたり、恭平が改めて接するようになった鳥飼信哉にあからさまに嫉妬もするようになった。信哉に嫉妬しても無駄というか、そういう感情が恭平にあるわけではないのだけれど、割合何でもそつなく問題なくこなせてしまう仁聖にとっては、一見完全無敵に見えて最初から何かで敵わないという現実がある信哉みたいな相手は初めてだったのだろう(鳥飼信哉を完全無欠の完全無敵だと思っているようなのは仁聖の態度や口ぶりから恭平がそう仁聖は感じているんだろうなということで、実際の信哉が完璧だとは恭平は思っていない。何しろ高校時代の素行の悪さとか色々昔も含めて知りすぎている恭平としては、まぁいいところ兄弟……言い換えれば血は繋がらないが信哉は兄といった感じなのかもしれない。案外弱いところも幾つかあるんだけれど、とは思うところだ。)。そんな信哉にコンプレックスを感じる仁聖は、時々合気道の鍛練に顔を出しては信哉に手解きをされて悲鳴をあげていたりする。
「ん…………、じんせ…………。」
ナデナデと頬を撫でながら名前を呼ばれ丹念に涙を拭われるのに、ウットリとした顔で仁聖が目を細める。子供の頃に身につけず知らなかった感情を今になって身に付けたから、仁聖の感情の起伏は以前よりも触れ幅が大きくて、まだ自分でも上手くコントロールしきれていない。それでも以前よりもずっと様々なことに自ら触れて、こうして仁聖自身も成長し続けているのだった。ただ成長して変わり続けているのに、仁聖は自分ではそれに気がつけないだけなのだ。
「すき、……おれ、ほんと、恭平が………………すき、あいしてる……。」
うんと頷いて口付ける恭平に、本当に幸せそうに自分が微笑んでいるのにも多分仁聖は気がついていない。満たされて幸せだと一目で分かる程の甘い微笑みに、恭平は思わず同じくらいの微笑みを返している。
「愛してる、仁聖。」
こうして二人が両思いになって2年も経つというのに、『好き』とか『愛してる』の気持ちは変わらず日ごとに増すばかりだ。なんて事を口にしたら村瀬篠や外崎了にはバカップルの惚気と呆れられるか、それとも彼らもそれぞれに大切な存在があるのだからそんなの当然だと言われるかもしれない。それでも微笑みながらそう気持ちを告げる恭平に、仁聖は潤んだ瞳で嬉しそうに見上げてくる。
「…………じんせぇ…………。」
その顔を眺めているのはとても幸せなのだけれど、ほんの少しだけ不満そうに恭平が腰を揺らす。何しろ完全に快感を焦らされて、与えられると期待した快感もお預けされているのだ。思わず恭平は腰を前後に動かしていて、滑らかな恭平の素肌の尻に挟まれていた仁聖の熱を持つ怒張がズル……と肌に擦り付けられる感触に仁聖が大きくブルリと身体を震わせる。
「んん、きょう、へ。」
「好き、だ、じんせぇ…………、んぅ…………。」
軽く前後に怒張を挟んだまま揺さぶる腰の動きに、仁聖の方が少しだけ驚き慌てたような声をあげる。どうも仁聖ときたら寸前に淫らな刺激を与えていた癖に、昂っていた感情のせいで焦らしまくっている恭平の身体の事を一瞬失念していたのに恭平も気がつく。
「…………こんな、とこ、で、焦らす、から…………ぁ。」
固くて熱い仁聖の怒張を恭平は自分の身体で挟んで、ズリズリと前後に擦りながら扱くように刺激していく。固く節榑だったような血管の浮き出した感触、熱くて脈打つ怒張の感触と先走りの汁で滑るのが生々しく敏感な肌に感じる。
「あ、恭平…………、っく……んっ……。」
「これ、…………気持ちいいか?」
自らで擦り付ける恭平の淫らな腰の前後する動きで、仁聖の顔が興奮するのか息を荒げてボォッと赤くなっていく。その仁聖の先端から滲み出す汁の滑りが湿ったヌチュヌチュという音を大きくたて始めたのに、恭平の方も微かに吐息を荒げて更に腰を擦り付ける。
「あ、ん……っ、じ、んせ、も、」
既に恭平自身もどかしくなっているのを必死に口では訴えているが、自分で仁聖の怒張に肌を擦り付ける腰の動きも気持ち良くて止められなくなっている。こんなフシダラな動きを自らするように変わってしまったのが恥ずかしいのに、自分の動きで息を荒げる仁聖を見下ろしながら熱い昂りに自分の身体を擦り付けるのも気持ちいい。そんなことを考えてしまうようになってしまったのは、それが恭平の中の仁聖を独占したいという欲なのも知っている。
誰の目も容易く惹き付けてしまう仁聖が、他人には絶対に見せない顔
自分にだけは弱い顔も情けない顔もさらけ出して、縋りつき泣きじゃくったり、歓喜に綻んだり。それに自分にだけはこんなにも脆く快楽に溺れる顔をする仁聖がいるのを、恭平だけが全部知っている。
そんな仁聖は俺だけのもの
それを思うと恭平だって、仁聖を快感で泣かせてしまうことに興奮する。こういう関係になって何度か逆は?と仁聖から問いかけられたことはあるし、まあそれが可能なのかどうなのかとは思うところはあるのだ。でも例え抱かれるのが自分でも逆だとしても、自分の身体に溺れて仁聖が快感に喘ぐのを見る事ができるのは自分だけ。それだけがハッキリしているからどちらが抱く抱かないは、もういいのではないかと思う面はある。
まぁ、そんな気分になる事になったら、その時考えればいいことなんじゃないだろうか。
なんて簡単に考えてしまうけれど、現状ではまぁ考えなくていいこと。何しろこうして与えられる快感に真っ赤になって震える仁聖を見つめられるのは、間違いなく自分独りだけなのだ。
「んん、恭平、ヤバ…………っ……あっ……。」
それを密かに心の中で考えている時の恭平の淫らな顔、それが実は途轍もなく淫らで強い色気を放っているのだと言うことを知っているのは独りだけ。逆に言えばこれまでにない激しい欲情に淫らに濡れた獣のような恭平の顔を、こうして間近に見られるのも仁聖ただ独りなのだった。
蕩けてエロくて…………自分だけを欲しがる顔
ウットリするほど淫らなその顔。決して今迄の女性との交際では、浮かぶことのなかった顔なのだと知っている。何もかもさらけ出していて、自分にだけは委ねられるから浮かぶ顔に、仁聖はウットリとして見とれてばかりだ。そんなことを思いながら恭平を見上げる仁聖の様子に、自らの動きで執拗に腰をくねらせ擦り付けて恭平も息を荒げていく。
「あんん…………ぁ、ふ…………ぁつ……ぃ。」
そんな欲情をジリジリと煽り続けるような状態で、ただ滑らかな肌と怒張を擦りあうだけで、お互いが我慢なんか出来る筈がない。グイッと仁聖が恭平の腰を両手で掴んで、あっという間に淫らな前後する腰の動きを引き留めてしまう。
「や、じんせぇ…………やだ、とめ、あぁ…………。」
高まっていた快感を無理矢理に引き留められ、相手から滲み出した露に滑る肌の感触にも焦さられる。続けさせてとフルフルと頭を振る恭平に、今度は延び上がるようにして仁聖からそっと口付けていく。
「も、無理…………、限界…………。」
低く呟いて恭平の腰を仁聖の大きな両手が掴み、再び割れ目に擦り付けるみたいにズリと引き付けてくる。強い力で動かされる刺激で腰が甘く期待で蕩けて、恭平の口から言葉が溢れ出していた。
「じんせぇ…………中…………。」
来てと恭平が甘く誘う言葉を囁くのに、仁聖は無言のまま恭平の腰を抱えあげ曝された先端をヒクヒクと誘う恭平の後穴に押し当てていく。ヌチ……と押し付けたそこが僅かに開いて、擦り付けられていた滑る先端が恭平に潜り込む。ゾワリと背筋に走る挿入の感触の先で、容赦なく灼熱のような怒張の先端が恭平の体内を押し開いていた。熱くて太くて硬いものに、ググッと狭い場所を開かれていく強い感触に思わず仰け反る。
「はぅっ、…………んぅ!」
一番太い部分がめり込む感触に甘く甲高い声で喘いだ恭平が、仁聖の首に回した腕を更に引き付けて縋りつく。それを感じとりながら仁聖は、更に奥深くに向けて強く怒張を捩じ込んでいた。
ここ最近では玄関先で盛るなんて暫くなかった…………なんて言い訳をここでしても仕方がない。箍の外れたように何度もガツガツと激しく抱き上げられ、恭平は下からの突き上げに歓喜の声を上げ続けていた。
「くぅ!あぁ!!あぁあ、あ、んんっ!」
綺麗な歓喜の喘ぎと吹き出した蜜を目に、次にはその身体を床に手をつかせ背中に覆い被さるようにして仁聖が背後から激しく腰を突き出す。柔らかく綻んだ後穴に、一気に根本まで穿ちこまれた仁聖の怒張の熱さが生々しく快感に変わる。滑らかな白い肌の恭平の肩甲骨に仁聖が唇を押し付けながら、獣のように腰を前後に突き動かして奥に音をたてて打ち付ける。
「あ、じ、んせ、あっ!あぁ!」
「ここ、キュンキュン、してる、すご…………いい、気持ちい。」
そんなことを耳元で囁かれて背後から激しくズコズコと揺さぶられ、甘ったるく泣く声が止められない。怒張が深々と出入りする注挿の感触に震えながら猫のように背をしならせ喘ぐ恭平に、仁聖が項に甘く何度も口付けながら更に激しく腰を振り続けていた。
「や、ぁ!あぁ!あっ!あぁ!ぁあ、やんっ!あっ!」
「エロ…………すご、……ヤバい……きょうへ…………。」
抉り込むような激し過ぎる突き上げに跳ね上がる歓喜の声を聞きながら、仁聖は恭平の身体にのし掛かり更に快楽に息を荒げて腰を激しく振りたてている。
「んん、じ、んせ……。」
尻の肉を左右に押し開き圧迫するような狂暴な熱の存在に、思わず恭平の腰が前後に揺れてしまう。こんなに簡単に受け入れようと綻ぶようになってしまっていて、仁聖の指だけでも飲み込む快感に震える自分の身体。勿論自分の陰茎だって外気に曝されヒクヒクしながら先走りの汁を滲ませているのだが、そこを弄って欲しいわけではないのだ。それでは達しない快感があるのを知ってしまった身体が訴える。
「じんせぇ…………、はや、くぅ。」
早く奥まで満たしてと強請る羞恥心に頬が染まるけれど、それでも仁聖に与えられる快感が強くて我慢できなくなってしまう。こんな風に作り替えられてしまったのに恭平だって気がついていて、縋りついている顔を見下ろすとそこには何故か子供のように涙で濡れた仁聖の空を透かすような瞳があった。
「じんせ?」
ジイッと自分を見つめながら、溢れ落ちそうな涙を一杯に湛えた仁聖の綺麗な瞳。驚いたように恭平が見つめ返し頬を撫でると、その涙がホロリと頬を大粒の真珠のように降り落ちていく。それになおのこと驚いて恭平が頬を両手で包み口付けながら涙を拭うけれど、まるで堰をきったみたいにホロホロと涙が溢れ落ちていく。
「きょ、うへぇ…………すき、だいすき…………おれ、」
溢れだして止めどなく頬を伝う涙と一緒に、ホロホロと恭平への思いが言葉になって溢れてくる。その言葉に恭平が柔らかに微笑みかけて、何度も涙すら唇で拭いとる勢いで口付けていく。今日仁聖に何があったかは恭平には分からないけれど、少なくとも自分だけで消化しきれない何かを感じているのだろう。以前は自分では感じることのなかった様々なことを知るようになった仁聖は、時々こんな風に自分でも良く分からない感情に振り回されて戸惑うようになった。
孤独感とか…………嫉妬とか……
今迄仁聖はそういうものに触れないようにして生きてきたから、直にそういう感情に曝された経験がないままで過ごしてきた。それが孤独なのだと知らなかったから気にもかけなかったし、嫉妬しても無駄だから最初から諦めてきたのだ。でも、恭平と暮らすようになってからの仁聖には、明らかな独占欲や執着心を感じとるようになってきた。それは当たり前の感情なのに、それを知らない仁聖は時々それに不安を感じて戸惑う。同じような経験があるらしい外崎宏太は、恭平に仁聖は戸惑うだろうがそれでも次第に慣れていくだろうとも言っていた。
独りで家に残されるのが寂しい
それでもそんな子供の時に感じるのが当然の経験を今になって初めてしたり、恭平が改めて接するようになった鳥飼信哉にあからさまに嫉妬もするようになった。信哉に嫉妬しても無駄というか、そういう感情が恭平にあるわけではないのだけれど、割合何でもそつなく問題なくこなせてしまう仁聖にとっては、一見完全無敵に見えて最初から何かで敵わないという現実がある信哉みたいな相手は初めてだったのだろう(鳥飼信哉を完全無欠の完全無敵だと思っているようなのは仁聖の態度や口ぶりから恭平がそう仁聖は感じているんだろうなということで、実際の信哉が完璧だとは恭平は思っていない。何しろ高校時代の素行の悪さとか色々昔も含めて知りすぎている恭平としては、まぁいいところ兄弟……言い換えれば血は繋がらないが信哉は兄といった感じなのかもしれない。案外弱いところも幾つかあるんだけれど、とは思うところだ。)。そんな信哉にコンプレックスを感じる仁聖は、時々合気道の鍛練に顔を出しては信哉に手解きをされて悲鳴をあげていたりする。
「ん…………、じんせ…………。」
ナデナデと頬を撫でながら名前を呼ばれ丹念に涙を拭われるのに、ウットリとした顔で仁聖が目を細める。子供の頃に身につけず知らなかった感情を今になって身に付けたから、仁聖の感情の起伏は以前よりも触れ幅が大きくて、まだ自分でも上手くコントロールしきれていない。それでも以前よりもずっと様々なことに自ら触れて、こうして仁聖自身も成長し続けているのだった。ただ成長して変わり続けているのに、仁聖は自分ではそれに気がつけないだけなのだ。
「すき、……おれ、ほんと、恭平が………………すき、あいしてる……。」
うんと頷いて口付ける恭平に、本当に幸せそうに自分が微笑んでいるのにも多分仁聖は気がついていない。満たされて幸せだと一目で分かる程の甘い微笑みに、恭平は思わず同じくらいの微笑みを返している。
「愛してる、仁聖。」
こうして二人が両思いになって2年も経つというのに、『好き』とか『愛してる』の気持ちは変わらず日ごとに増すばかりだ。なんて事を口にしたら村瀬篠や外崎了にはバカップルの惚気と呆れられるか、それとも彼らもそれぞれに大切な存在があるのだからそんなの当然だと言われるかもしれない。それでも微笑みながらそう気持ちを告げる恭平に、仁聖は潤んだ瞳で嬉しそうに見上げてくる。
「…………じんせぇ…………。」
その顔を眺めているのはとても幸せなのだけれど、ほんの少しだけ不満そうに恭平が腰を揺らす。何しろ完全に快感を焦らされて、与えられると期待した快感もお預けされているのだ。思わず恭平は腰を前後に動かしていて、滑らかな恭平の素肌の尻に挟まれていた仁聖の熱を持つ怒張がズル……と肌に擦り付けられる感触に仁聖が大きくブルリと身体を震わせる。
「んん、きょう、へ。」
「好き、だ、じんせぇ…………、んぅ…………。」
軽く前後に怒張を挟んだまま揺さぶる腰の動きに、仁聖の方が少しだけ驚き慌てたような声をあげる。どうも仁聖ときたら寸前に淫らな刺激を与えていた癖に、昂っていた感情のせいで焦らしまくっている恭平の身体の事を一瞬失念していたのに恭平も気がつく。
「…………こんな、とこ、で、焦らす、から…………ぁ。」
固くて熱い仁聖の怒張を恭平は自分の身体で挟んで、ズリズリと前後に擦りながら扱くように刺激していく。固く節榑だったような血管の浮き出した感触、熱くて脈打つ怒張の感触と先走りの汁で滑るのが生々しく敏感な肌に感じる。
「あ、恭平…………、っく……んっ……。」
「これ、…………気持ちいいか?」
自らで擦り付ける恭平の淫らな腰の前後する動きで、仁聖の顔が興奮するのか息を荒げてボォッと赤くなっていく。その仁聖の先端から滲み出す汁の滑りが湿ったヌチュヌチュという音を大きくたて始めたのに、恭平の方も微かに吐息を荒げて更に腰を擦り付ける。
「あ、ん……っ、じ、んせ、も、」
既に恭平自身もどかしくなっているのを必死に口では訴えているが、自分で仁聖の怒張に肌を擦り付ける腰の動きも気持ち良くて止められなくなっている。こんなフシダラな動きを自らするように変わってしまったのが恥ずかしいのに、自分の動きで息を荒げる仁聖を見下ろしながら熱い昂りに自分の身体を擦り付けるのも気持ちいい。そんなことを考えてしまうようになってしまったのは、それが恭平の中の仁聖を独占したいという欲なのも知っている。
誰の目も容易く惹き付けてしまう仁聖が、他人には絶対に見せない顔
自分にだけは弱い顔も情けない顔もさらけ出して、縋りつき泣きじゃくったり、歓喜に綻んだり。それに自分にだけはこんなにも脆く快楽に溺れる顔をする仁聖がいるのを、恭平だけが全部知っている。
そんな仁聖は俺だけのもの
それを思うと恭平だって、仁聖を快感で泣かせてしまうことに興奮する。こういう関係になって何度か逆は?と仁聖から問いかけられたことはあるし、まあそれが可能なのかどうなのかとは思うところはあるのだ。でも例え抱かれるのが自分でも逆だとしても、自分の身体に溺れて仁聖が快感に喘ぐのを見る事ができるのは自分だけ。それだけがハッキリしているからどちらが抱く抱かないは、もういいのではないかと思う面はある。
まぁ、そんな気分になる事になったら、その時考えればいいことなんじゃないだろうか。
なんて簡単に考えてしまうけれど、現状ではまぁ考えなくていいこと。何しろこうして与えられる快感に真っ赤になって震える仁聖を見つめられるのは、間違いなく自分独りだけなのだ。
「んん、恭平、ヤバ…………っ……あっ……。」
それを密かに心の中で考えている時の恭平の淫らな顔、それが実は途轍もなく淫らで強い色気を放っているのだと言うことを知っているのは独りだけ。逆に言えばこれまでにない激しい欲情に淫らに濡れた獣のような恭平の顔を、こうして間近に見られるのも仁聖ただ独りなのだった。
蕩けてエロくて…………自分だけを欲しがる顔
ウットリするほど淫らなその顔。決して今迄の女性との交際では、浮かぶことのなかった顔なのだと知っている。何もかもさらけ出していて、自分にだけは委ねられるから浮かぶ顔に、仁聖はウットリとして見とれてばかりだ。そんなことを思いながら恭平を見上げる仁聖の様子に、自らの動きで執拗に腰をくねらせ擦り付けて恭平も息を荒げていく。
「あんん…………ぁ、ふ…………ぁつ……ぃ。」
そんな欲情をジリジリと煽り続けるような状態で、ただ滑らかな肌と怒張を擦りあうだけで、お互いが我慢なんか出来る筈がない。グイッと仁聖が恭平の腰を両手で掴んで、あっという間に淫らな前後する腰の動きを引き留めてしまう。
「や、じんせぇ…………やだ、とめ、あぁ…………。」
高まっていた快感を無理矢理に引き留められ、相手から滲み出した露に滑る肌の感触にも焦さられる。続けさせてとフルフルと頭を振る恭平に、今度は延び上がるようにして仁聖からそっと口付けていく。
「も、無理…………、限界…………。」
低く呟いて恭平の腰を仁聖の大きな両手が掴み、再び割れ目に擦り付けるみたいにズリと引き付けてくる。強い力で動かされる刺激で腰が甘く期待で蕩けて、恭平の口から言葉が溢れ出していた。
「じんせぇ…………中…………。」
来てと恭平が甘く誘う言葉を囁くのに、仁聖は無言のまま恭平の腰を抱えあげ曝された先端をヒクヒクと誘う恭平の後穴に押し当てていく。ヌチ……と押し付けたそこが僅かに開いて、擦り付けられていた滑る先端が恭平に潜り込む。ゾワリと背筋に走る挿入の感触の先で、容赦なく灼熱のような怒張の先端が恭平の体内を押し開いていた。熱くて太くて硬いものに、ググッと狭い場所を開かれていく強い感触に思わず仰け反る。
「はぅっ、…………んぅ!」
一番太い部分がめり込む感触に甘く甲高い声で喘いだ恭平が、仁聖の首に回した腕を更に引き付けて縋りつく。それを感じとりながら仁聖は、更に奥深くに向けて強く怒張を捩じ込んでいた。
ここ最近では玄関先で盛るなんて暫くなかった…………なんて言い訳をここでしても仕方がない。箍の外れたように何度もガツガツと激しく抱き上げられ、恭平は下からの突き上げに歓喜の声を上げ続けていた。
「くぅ!あぁ!!あぁあ、あ、んんっ!」
綺麗な歓喜の喘ぎと吹き出した蜜を目に、次にはその身体を床に手をつかせ背中に覆い被さるようにして仁聖が背後から激しく腰を突き出す。柔らかく綻んだ後穴に、一気に根本まで穿ちこまれた仁聖の怒張の熱さが生々しく快感に変わる。滑らかな白い肌の恭平の肩甲骨に仁聖が唇を押し付けながら、獣のように腰を前後に突き動かして奥に音をたてて打ち付ける。
「あ、じ、んせ、あっ!あぁ!」
「ここ、キュンキュン、してる、すご…………いい、気持ちい。」
そんなことを耳元で囁かれて背後から激しくズコズコと揺さぶられ、甘ったるく泣く声が止められない。怒張が深々と出入りする注挿の感触に震えながら猫のように背をしならせ喘ぐ恭平に、仁聖が項に甘く何度も口付けながら更に激しく腰を振り続けていた。
「や、ぁ!あぁ!あっ!あぁ!ぁあ、やんっ!あっ!」
「エロ…………すご、……ヤバい……きょうへ…………。」
抉り込むような激し過ぎる突き上げに跳ね上がる歓喜の声を聞きながら、仁聖は恭平の身体にのし掛かり更に快楽に息を荒げて腰を激しく振りたてている。
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