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間章 ちょっと合間の話2
間話31.コイゴコロ
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「明良ぁ。」
仁聖に連れて帰ってと押し付けられ明良は未だに混乱していて、晴に何がどうなっているのか聞かなきゃと思っているのに、晴はをまるで当然みたいに離れないと腕を組んで夜道を幸せそうにならんで歩く。駄目だと思うのについつい明良が視線を向けると、晴の方はずっと覗き込んでいるみたいに満面の微笑みでで二へと頬を緩ませる。
「あの、晴?」
「明良ぁ、あのね、俺会いたかった。明良にね、凄く会いたかった。」
何だそれ、超可愛い。腕に手を絡めてヒッシと引き寄せられ、しかも視線があうとまた嬉しそうにエヘと晴に可愛い笑顔で嬉しそうに覗き込まれている。可愛すぎて見てると眩暈がしそうなほど、ホントに可愛い。なんでこんなに可愛いのか分からないくらい、可愛くて思わず道の真ん中なのに明良は晴のことを思い切り抱き締めてしまっていた。しかも晴ときたら夜道の真ん中で突然に抱き締められても、完全に甘えたモードなのか明良にされるまま幸せそうにコテンと頭を寄せてくる。
「明良ぁ…………大好きぃ……。」
トロンとした甘え声にもう我慢できなくてその場で明良が晴の顔を指でとらえて引き寄せてキスすると、気持ち良さそうにウットリした顔で晴はされるがまま舌を絡めて、しかも自分から甘く明良の舌に吸い付いてくる。
「んん、んぅ……ん…………っ、んっ…………。」
夜道とはいえ道の真ん中でチュクチュクと濡れた音をたてて舌を絡め晴がイヤらしくチュウと吸い付いてくるのに、我慢なんかできる筈がなくて思わず明良は前のめりになってしまう。可愛くてエッチで、晴のことを考えると欲しくて、会いたくて仕方がなかった。直ぐにでも会って抱き締めたくて、抱きたくて仕方がなくて。ハフと甘い吐息で喘ぐようにして、晴は口を開く。
「あ、きらぁ…………あのねぇ、おれ…………。」
フニャと力の抜けた体を明良の腕に抱き寄せられながら、ウルウル揺れる瞳で晴が明良の顔を見上げて覗き込む。もうなにもしなくても構わないから、それでも良いから一緒にいたい。我慢なんか出来ないと分かっているけど、晴が許してくれるものだけで構わないから。自分が完全におかしくなっていて、晴が全部自分のものでなくてもいいからとすら思う。それなのに腕の中の晴が唐突にホロホロと大粒の涙を溢したのに、戸惑い凍りついてしまう。
「……は、る?」
「おれ……、一番すきぃ……明良の、こと、らいすきぃ……、だから……。」
抱き締められながらそんなことを甘い声で泣きながら一生懸命辿々しく訴えられて、しかも確りと晴から縋り抱きつかれて。
「おねがぃ……あきらぁ…………そばに、いてい?……いっしょ……いたい…………。」
「は、る。」
泣きながらそんなことを訴えられて、この場で晴を組み敷いて貫いて今すぐに自分のものにしたい。密かに物陰を考えてしまった明良がギリギリでそれを踏みとどまれたのは、夜とはいえ道の真ん中で、しかも間の悪いことに良いムードをぶち壊す輩がベタな方法で踏み込んだからだ。
可愛くてエッチに甘えたモードの晴を爛々とした情欲にまみれて抱き締めた明良に、ワザワザ喧嘩を売ったのは何故か以前も晴にベタベタと絡んだ男だったのには運命としか言いようがない。柄の悪い三十代の男二人、マトモな職業にはついてなさそうなチャラチャラした奴と一見マトモそうだけど目付きが胡散臭い奴。
「あれぇ?どっかであったことあるなぁ?あんた。」
「あーこの間の奴!てめぇ、何でまた夜道でイチャイチャしてんだよ!あん時のオンナどうしたよ!?」
あの時の黒髪ウィッグを結い上げた晴の格好と、今目の前の茶色の髪色で眼鏡の姿は勿論違う。が今はそれどころではないのに、ハッキリ言って邪魔にも程がある。しかもこの間蹴り一発で吹っ飛ばされてて、何でまた同じように絡んでくるか。今、明良は正直に理性の片鱗も保てないのにとジリジリ苛立ちが増していく。祖父が常々明良に言っていたのは、お前は感情のコントロールが下手だからキレそうな時は尚更冷静になりなさいということで。腕の中には泣いている晴がいるし…………
「この間の清楚ちゃん、紹介しろよ!じゃなきゃ、そのおねぇちゃんとお前の尻でも貸せって!」
ああ、じいちゃん、悪いけど、俺こういうのに冷静に対応するつもりもない。今こいつが腕の中の晴に手を伸ばそうとでもしたら、迷わず殺すと思う。
「おら!返事しろよ!イケメン!!」
「…………せぇ…………んだよ…………。」
「ああ?!なんだってぇ?」
ブツンッ
そう普段は押し込めている筈のものがキレる音と共に一気に膨れ上がって、明良は一瞬で晴の体を膝したに手を挿し込み掬い上げてお姫様抱っこ宜しく横抱きにした。かと思うと弧線一蹴・迷わず全力で回し蹴りを放っていた。勿論人間相手に当たったら只では済まないのだけは幼い頃から重々躾られていたのと、ここで殺してしまうと、この後晴とイチャイチャ出来ない。それだけの理由で僅かに逸らした明良の足が当たったのは、茂木と言う男の顔面の真横のブロック塀。
ゴバンッ!!
というとんでもない音をたてて華奢にしか見えない明良の一蹴で頑丈なブロック塀が割れて、その足が頭の真横に当たった茂木も横にいた男も蒼白になった。ブロック塀が一蹴、頭蓋骨なんて豆腐みたいに………
「うっせぇっ……これ以上邪魔しやがったら、その柔い頭蓋骨蹴り割ってやるからな!!」
※※※
理性もなにもかもブチキレた明良にお姫様のように抱き上げられたまま、気がついたら晴は明良の家のベットにコロンと転がされあっという間に全裸にされていた。明良は全身から興奮の気配を漂わせていて言葉もなく、自分の上に跨がったままバサバサと乱暴に服を脱ぎ床に投げ捨てる。
男っぽい…………カッコい…………
そんなことを考えながら、揺れてトロンと蕩けた視線で晴はウットリと明良の様子を眺めている。背筋の延びた鍛えられた男らしい筋肉のついた明良の身体、夜の仄かな光にそれが浮かぶのを晴は息を飲んで吸い寄せられていた。
「あ、きらぁ…………。」
思わず甘えるような声で晴が名前を呼ぶと、明良はふと微笑んでまた言葉もなく覆い被さってきて晴の唇をキスで塞ぐ。何もかも奪われるように甘く心地良いキスに、あっという間に全身から力が抜けてしまって、ポワンと惚けた晴の頬を明良の指がなぞる。
「キス好き?」
コクリと素直に明良の言葉に頷いた晴は、頬を撫でる明良の指にチュウと吸い付いて淫らな愛撫をし始めた。淫らで可愛い晴の唇が必死に明良の指を咥えて、まるで怒張を咥えるように愛撫する。ゾクゾクとそれに興奮が高まって明良の逸物が勢いよく硬くなるのを、晴は何故かチュクチュクと指を舐めながら愁いを湛えた瞳で見上げた。
「あきらぁ…………おれ、そばに、いてい?あきらの、傍にいたい。」
甘えるように強請る晴の声に胸がギュッと締め付けられるように痛み、明良はその強請るような視線に吸い込まれる。こうして裸にして見下ろせば確かに一目瞭然で、元々華奢で細い腰が一回り細く骨張っている。でも最後に触れた時より尚更細い気がして、戸惑いながら肌を撫で腰を撫でると晴は可愛い声で身悶えた。
「やぁ、こたえ、て、くんなきゃ……やだぁ、あきらぁ。」
「答え?」
「傍にいてい…………って、いってくんなきゃ、…………あきら、触っちゃやぁ。」
フニャァと泣きそうになりながら言う晴に、バスッと心臓に矢が刺さった気がして思わず頭を抱えたくなってしまう。何だって、そんなに明良を悩殺するツボだけ狙えるのか、傍にいていいって言ったら触ってもいいなんて、都合がよすぎてやり潰したい。足腰たたなくなるまでやり潰して、抱き潰して、悶々と頭の中でそんなことを考えているなんて、晴は一つも気がつかないのが不思議なくらいだ。
「晴。」
「やん、ふぁっ、らめだってばぁ、ちゃ、んと、いっ、ううんっ!」
抵抗なんて感じずに覆い被さりキスして首筋に強く吸い付く明良を、抵抗しようとしているんだかいないんだかといった晴の手が弱々しく押してくる。
「…………俺のもの、になって……、晴」
触れて舐めて、噛みつき吸い付きながら、低く耳元に囁く。押さえ付けて逃がしもせずに全身に明良の痕を刻み付けて、何処に触れても明良が触れたことがない場所がないように、指どころか爪の先まで全て明良を晴に教え込む。
「や、ふぅっんんっ、あぅんっ!ひゃうっううっ!」
「………………もっと、全部……晴の全部…………。」
可愛い声で身悶えている晴を見るだけで、明良がどんなに焦がれるか。男のものを舐めるなんて吐き気がするほど嫌でパワハラ・セクハラ被害にもあってた明良が、こんなにも晴のは自分から欲しがって舐めて吸って。それだけだってもう答えだと思うんだけど。
「んんっんううんっ、あんっ!やん、やらっ、あっああ!」
既に下折たった晴の肉棒の根元に顔を埋めて、明良が音をたてて甘く舐め回し会陰の柔らかな部分に強く吸い付く。唾液の滑りだけでない蜜の滴り落ちていく様子に更に激しく吸い付かれ舌が這っていくのを、震えるような声で晴が背をしならせて喘いだ。
「ひぁ、ひゃううんっ!んんっいっ、いっちゃうっ、やっ、やぁ!!ああっ!」
焦らすようにいかせて貰えずハクハクと喘ぎながら、それでもネロと舌が淫らに先端までを這う。更に追い立てられて訳が分からない程に気持ちよくなって、でも答えが貰えてないという感覚だけが残っているのか喘ぎに制止の声が時折混じる。でも晴だってこんなに直ぐに反応していて、明良がここまでしていて、こんなにも晴を欲しがっている明良を見ても晴には上手く伝わらないのに少しだけ苛立つ。
「俺に全部晴をちょうだい?晴。」
「だ、からぁ、こ、たえて、くんないと、やだぁっ、あんっ!ひゃうんっ!」
全部欲しいと言っても晴は今のこの一時だとしか思っていない。そうじゃない、全部って言ったら全部で、これからの時間の全てなんだよと心の中が叫ぶ。
これからの晴の人生の全てを欲しいって言ってる。
それが晴が言ったことの答えなのに、本当に伝わらない。本当根っからお互いに違いすぎる感覚で育ってて、本当に苦労しそうだけど、それでも明良は晴を狂うほどに欲しがっている。晴が余りにも純粋で単純で真っ直ぐなのか、自分がひねくれた遠回し過ぎなのか。
「ほんと、鈍感…………晴の馬鹿。」
ふぇ?と相変わらず意味がわからなくてキョトンと、スッカリ身体は感じてしまって早くと瞳がウルウルしている可愛い晴。それを獣みたいに犯してしまいたいほど、こんなに可愛いと思っても伝わらなくて空回りしている自分。遠回しに言っているつもりはないのに、晴にだけ上手く伝わらない。
「可愛い晴のこと、全部、身体も心も全部をちょうだい。」
「ふぇ?あきらぁ?え?全部って……。」
「これからのずっと、晴を俺にちょうだい。これから先ずっと、だよ。」
耳元で甘く低く添え囁くと、暫くポカーンとしている晴。ホントに鈍いし、理解できてない、それとも耳から頭に届くまでかかるのか。晴は理解するのにまだかかっていて、その様子が可愛くて見ているとちょっとおかしい。
「あれ?明良、それって…………えっと?」
でも流石に鈍くて焦れる、こっちは必死で痛いほど張り詰めた怒張を抑えてるのに、キョトンでポカーンのままの晴ときたら酩酊のせいかまだ理解が追い付けないでいる。これから先ずっと欲しいと言ったら、もうプロポーズみたいなものなのに。晴と焦れて明良が声をかけると、押し倒されたままのかたちで晴がボーッと明良を見つめる有り様。
「もぉ、したいの我慢してるんだから、早くうんって言ってよ、晴ってば。」
はたと我に返ったみたいに晴が、トロンとした顔のままで上目遣いに明良の顔を眺めてきたかと思うと。
「えぇ?あれ?だって、俺の聞いたのは?」
「だからずっと傍にいてくれるんだよね?晴が全部俺にくれるんでしょ?うんは?」
晴のポエポエの頭はここまで言っても理解が効いてなくて、何だかこれは明日の朝・我に返ってまた最初の時みたいに逃げ出したりしそうな気がしてきた。晴は案外混乱が過ぎると突然に脱兎のごとく逃げるし、しかも源川や外崎了に言わせると割合直情的で簡単に暴走する。この泥酔だから明日の朝には覚えてないかもしれないから、一先ず足腰立たなくして話をする算段をつけよう。
「もう待ちくたびれた。晴、お返事は明日の朝聞くからね?だから、今夜は辛くても我慢ね?」
「え?つら……?」
ニッコリと爽やかなのにドロドロしたオーラを放ちながら微笑まれ、しかも再びコロンと転がされ直して身動きとれない状態に晴はポカーンとして見上げている。そうして明良はにこやかに笑顔で晴に囁く。
「そういえば、晴、女装する時は事前に連絡だったよね?しないとどうするんだったっけ?」
仁聖に連れて帰ってと押し付けられ明良は未だに混乱していて、晴に何がどうなっているのか聞かなきゃと思っているのに、晴はをまるで当然みたいに離れないと腕を組んで夜道を幸せそうにならんで歩く。駄目だと思うのについつい明良が視線を向けると、晴の方はずっと覗き込んでいるみたいに満面の微笑みでで二へと頬を緩ませる。
「あの、晴?」
「明良ぁ、あのね、俺会いたかった。明良にね、凄く会いたかった。」
何だそれ、超可愛い。腕に手を絡めてヒッシと引き寄せられ、しかも視線があうとまた嬉しそうにエヘと晴に可愛い笑顔で嬉しそうに覗き込まれている。可愛すぎて見てると眩暈がしそうなほど、ホントに可愛い。なんでこんなに可愛いのか分からないくらい、可愛くて思わず道の真ん中なのに明良は晴のことを思い切り抱き締めてしまっていた。しかも晴ときたら夜道の真ん中で突然に抱き締められても、完全に甘えたモードなのか明良にされるまま幸せそうにコテンと頭を寄せてくる。
「明良ぁ…………大好きぃ……。」
トロンとした甘え声にもう我慢できなくてその場で明良が晴の顔を指でとらえて引き寄せてキスすると、気持ち良さそうにウットリした顔で晴はされるがまま舌を絡めて、しかも自分から甘く明良の舌に吸い付いてくる。
「んん、んぅ……ん…………っ、んっ…………。」
夜道とはいえ道の真ん中でチュクチュクと濡れた音をたてて舌を絡め晴がイヤらしくチュウと吸い付いてくるのに、我慢なんかできる筈がなくて思わず明良は前のめりになってしまう。可愛くてエッチで、晴のことを考えると欲しくて、会いたくて仕方がなかった。直ぐにでも会って抱き締めたくて、抱きたくて仕方がなくて。ハフと甘い吐息で喘ぐようにして、晴は口を開く。
「あ、きらぁ…………あのねぇ、おれ…………。」
フニャと力の抜けた体を明良の腕に抱き寄せられながら、ウルウル揺れる瞳で晴が明良の顔を見上げて覗き込む。もうなにもしなくても構わないから、それでも良いから一緒にいたい。我慢なんか出来ないと分かっているけど、晴が許してくれるものだけで構わないから。自分が完全におかしくなっていて、晴が全部自分のものでなくてもいいからとすら思う。それなのに腕の中の晴が唐突にホロホロと大粒の涙を溢したのに、戸惑い凍りついてしまう。
「……は、る?」
「おれ……、一番すきぃ……明良の、こと、らいすきぃ……、だから……。」
抱き締められながらそんなことを甘い声で泣きながら一生懸命辿々しく訴えられて、しかも確りと晴から縋り抱きつかれて。
「おねがぃ……あきらぁ…………そばに、いてい?……いっしょ……いたい…………。」
「は、る。」
泣きながらそんなことを訴えられて、この場で晴を組み敷いて貫いて今すぐに自分のものにしたい。密かに物陰を考えてしまった明良がギリギリでそれを踏みとどまれたのは、夜とはいえ道の真ん中で、しかも間の悪いことに良いムードをぶち壊す輩がベタな方法で踏み込んだからだ。
可愛くてエッチに甘えたモードの晴を爛々とした情欲にまみれて抱き締めた明良に、ワザワザ喧嘩を売ったのは何故か以前も晴にベタベタと絡んだ男だったのには運命としか言いようがない。柄の悪い三十代の男二人、マトモな職業にはついてなさそうなチャラチャラした奴と一見マトモそうだけど目付きが胡散臭い奴。
「あれぇ?どっかであったことあるなぁ?あんた。」
「あーこの間の奴!てめぇ、何でまた夜道でイチャイチャしてんだよ!あん時のオンナどうしたよ!?」
あの時の黒髪ウィッグを結い上げた晴の格好と、今目の前の茶色の髪色で眼鏡の姿は勿論違う。が今はそれどころではないのに、ハッキリ言って邪魔にも程がある。しかもこの間蹴り一発で吹っ飛ばされてて、何でまた同じように絡んでくるか。今、明良は正直に理性の片鱗も保てないのにとジリジリ苛立ちが増していく。祖父が常々明良に言っていたのは、お前は感情のコントロールが下手だからキレそうな時は尚更冷静になりなさいということで。腕の中には泣いている晴がいるし…………
「この間の清楚ちゃん、紹介しろよ!じゃなきゃ、そのおねぇちゃんとお前の尻でも貸せって!」
ああ、じいちゃん、悪いけど、俺こういうのに冷静に対応するつもりもない。今こいつが腕の中の晴に手を伸ばそうとでもしたら、迷わず殺すと思う。
「おら!返事しろよ!イケメン!!」
「…………せぇ…………んだよ…………。」
「ああ?!なんだってぇ?」
ブツンッ
そう普段は押し込めている筈のものがキレる音と共に一気に膨れ上がって、明良は一瞬で晴の体を膝したに手を挿し込み掬い上げてお姫様抱っこ宜しく横抱きにした。かと思うと弧線一蹴・迷わず全力で回し蹴りを放っていた。勿論人間相手に当たったら只では済まないのだけは幼い頃から重々躾られていたのと、ここで殺してしまうと、この後晴とイチャイチャ出来ない。それだけの理由で僅かに逸らした明良の足が当たったのは、茂木と言う男の顔面の真横のブロック塀。
ゴバンッ!!
というとんでもない音をたてて華奢にしか見えない明良の一蹴で頑丈なブロック塀が割れて、その足が頭の真横に当たった茂木も横にいた男も蒼白になった。ブロック塀が一蹴、頭蓋骨なんて豆腐みたいに………
「うっせぇっ……これ以上邪魔しやがったら、その柔い頭蓋骨蹴り割ってやるからな!!」
※※※
理性もなにもかもブチキレた明良にお姫様のように抱き上げられたまま、気がついたら晴は明良の家のベットにコロンと転がされあっという間に全裸にされていた。明良は全身から興奮の気配を漂わせていて言葉もなく、自分の上に跨がったままバサバサと乱暴に服を脱ぎ床に投げ捨てる。
男っぽい…………カッコい…………
そんなことを考えながら、揺れてトロンと蕩けた視線で晴はウットリと明良の様子を眺めている。背筋の延びた鍛えられた男らしい筋肉のついた明良の身体、夜の仄かな光にそれが浮かぶのを晴は息を飲んで吸い寄せられていた。
「あ、きらぁ…………。」
思わず甘えるような声で晴が名前を呼ぶと、明良はふと微笑んでまた言葉もなく覆い被さってきて晴の唇をキスで塞ぐ。何もかも奪われるように甘く心地良いキスに、あっという間に全身から力が抜けてしまって、ポワンと惚けた晴の頬を明良の指がなぞる。
「キス好き?」
コクリと素直に明良の言葉に頷いた晴は、頬を撫でる明良の指にチュウと吸い付いて淫らな愛撫をし始めた。淫らで可愛い晴の唇が必死に明良の指を咥えて、まるで怒張を咥えるように愛撫する。ゾクゾクとそれに興奮が高まって明良の逸物が勢いよく硬くなるのを、晴は何故かチュクチュクと指を舐めながら愁いを湛えた瞳で見上げた。
「あきらぁ…………おれ、そばに、いてい?あきらの、傍にいたい。」
甘えるように強請る晴の声に胸がギュッと締め付けられるように痛み、明良はその強請るような視線に吸い込まれる。こうして裸にして見下ろせば確かに一目瞭然で、元々華奢で細い腰が一回り細く骨張っている。でも最後に触れた時より尚更細い気がして、戸惑いながら肌を撫で腰を撫でると晴は可愛い声で身悶えた。
「やぁ、こたえ、て、くんなきゃ……やだぁ、あきらぁ。」
「答え?」
「傍にいてい…………って、いってくんなきゃ、…………あきら、触っちゃやぁ。」
フニャァと泣きそうになりながら言う晴に、バスッと心臓に矢が刺さった気がして思わず頭を抱えたくなってしまう。何だって、そんなに明良を悩殺するツボだけ狙えるのか、傍にいていいって言ったら触ってもいいなんて、都合がよすぎてやり潰したい。足腰たたなくなるまでやり潰して、抱き潰して、悶々と頭の中でそんなことを考えているなんて、晴は一つも気がつかないのが不思議なくらいだ。
「晴。」
「やん、ふぁっ、らめだってばぁ、ちゃ、んと、いっ、ううんっ!」
抵抗なんて感じずに覆い被さりキスして首筋に強く吸い付く明良を、抵抗しようとしているんだかいないんだかといった晴の手が弱々しく押してくる。
「…………俺のもの、になって……、晴」
触れて舐めて、噛みつき吸い付きながら、低く耳元に囁く。押さえ付けて逃がしもせずに全身に明良の痕を刻み付けて、何処に触れても明良が触れたことがない場所がないように、指どころか爪の先まで全て明良を晴に教え込む。
「や、ふぅっんんっ、あぅんっ!ひゃうっううっ!」
「………………もっと、全部……晴の全部…………。」
可愛い声で身悶えている晴を見るだけで、明良がどんなに焦がれるか。男のものを舐めるなんて吐き気がするほど嫌でパワハラ・セクハラ被害にもあってた明良が、こんなにも晴のは自分から欲しがって舐めて吸って。それだけだってもう答えだと思うんだけど。
「んんっんううんっ、あんっ!やん、やらっ、あっああ!」
既に下折たった晴の肉棒の根元に顔を埋めて、明良が音をたてて甘く舐め回し会陰の柔らかな部分に強く吸い付く。唾液の滑りだけでない蜜の滴り落ちていく様子に更に激しく吸い付かれ舌が這っていくのを、震えるような声で晴が背をしならせて喘いだ。
「ひぁ、ひゃううんっ!んんっいっ、いっちゃうっ、やっ、やぁ!!ああっ!」
焦らすようにいかせて貰えずハクハクと喘ぎながら、それでもネロと舌が淫らに先端までを這う。更に追い立てられて訳が分からない程に気持ちよくなって、でも答えが貰えてないという感覚だけが残っているのか喘ぎに制止の声が時折混じる。でも晴だってこんなに直ぐに反応していて、明良がここまでしていて、こんなにも晴を欲しがっている明良を見ても晴には上手く伝わらないのに少しだけ苛立つ。
「俺に全部晴をちょうだい?晴。」
「だ、からぁ、こ、たえて、くんないと、やだぁっ、あんっ!ひゃうんっ!」
全部欲しいと言っても晴は今のこの一時だとしか思っていない。そうじゃない、全部って言ったら全部で、これからの時間の全てなんだよと心の中が叫ぶ。
これからの晴の人生の全てを欲しいって言ってる。
それが晴が言ったことの答えなのに、本当に伝わらない。本当根っからお互いに違いすぎる感覚で育ってて、本当に苦労しそうだけど、それでも明良は晴を狂うほどに欲しがっている。晴が余りにも純粋で単純で真っ直ぐなのか、自分がひねくれた遠回し過ぎなのか。
「ほんと、鈍感…………晴の馬鹿。」
ふぇ?と相変わらず意味がわからなくてキョトンと、スッカリ身体は感じてしまって早くと瞳がウルウルしている可愛い晴。それを獣みたいに犯してしまいたいほど、こんなに可愛いと思っても伝わらなくて空回りしている自分。遠回しに言っているつもりはないのに、晴にだけ上手く伝わらない。
「可愛い晴のこと、全部、身体も心も全部をちょうだい。」
「ふぇ?あきらぁ?え?全部って……。」
「これからのずっと、晴を俺にちょうだい。これから先ずっと、だよ。」
耳元で甘く低く添え囁くと、暫くポカーンとしている晴。ホントに鈍いし、理解できてない、それとも耳から頭に届くまでかかるのか。晴は理解するのにまだかかっていて、その様子が可愛くて見ているとちょっとおかしい。
「あれ?明良、それって…………えっと?」
でも流石に鈍くて焦れる、こっちは必死で痛いほど張り詰めた怒張を抑えてるのに、キョトンでポカーンのままの晴ときたら酩酊のせいかまだ理解が追い付けないでいる。これから先ずっと欲しいと言ったら、もうプロポーズみたいなものなのに。晴と焦れて明良が声をかけると、押し倒されたままのかたちで晴がボーッと明良を見つめる有り様。
「もぉ、したいの我慢してるんだから、早くうんって言ってよ、晴ってば。」
はたと我に返ったみたいに晴が、トロンとした顔のままで上目遣いに明良の顔を眺めてきたかと思うと。
「えぇ?あれ?だって、俺の聞いたのは?」
「だからずっと傍にいてくれるんだよね?晴が全部俺にくれるんでしょ?うんは?」
晴のポエポエの頭はここまで言っても理解が効いてなくて、何だかこれは明日の朝・我に返ってまた最初の時みたいに逃げ出したりしそうな気がしてきた。晴は案外混乱が過ぎると突然に脱兎のごとく逃げるし、しかも源川や外崎了に言わせると割合直情的で簡単に暴走する。この泥酔だから明日の朝には覚えてないかもしれないから、一先ず足腰立たなくして話をする算段をつけよう。
「もう待ちくたびれた。晴、お返事は明日の朝聞くからね?だから、今夜は辛くても我慢ね?」
「え?つら……?」
ニッコリと爽やかなのにドロドロしたオーラを放ちながら微笑まれ、しかも再びコロンと転がされ直して身動きとれない状態に晴はポカーンとして見上げている。そうして明良はにこやかに笑顔で晴に囁く。
「そういえば、晴、女装する時は事前に連絡だったよね?しないとどうするんだったっけ?」
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