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間章 ちょっと合間の話
間話15.結城晴は今
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気がつくと奇妙な状態に陥っていた。
結城晴は素っ裸で完全に拘束され身動きがとれない。完全に椅子から立ち上がれない状態で、顔も動かせないよう首と頭まで固定されている。椅子ごと倒れると言う手もない訳ではないが、そうして天井か床にへばりついてもこの状態から抜け出せなかったら間抜けだ。口の中には布切れが詰め込まれていて、声を出すこともできずにテープが張られている。
確か了の後をついて、恐ろしい豪邸のリビングで話をしていたら目の見えない筈の男がユッタリした動作でお茶をいれたのに了が驚いたように立ち上がったのは覚えている。
「宏太?危ないだろ?俺がやるから…。」
「これくらいなら……出来ただろ?」
「火傷したら大変だろ?……ありがとな、気を使ってくれてんだろ……?」
そんな風に柔らかい声で相手の頬に触れた了に、晴は胸が痛いような疼くような気持ちを感じる。了が相手を大事にしているのが伝わって、自分が告白したらそうしてもらえるのかもと心が疼くのが分かってしまう。そうして目の見えない男の入れた酷く苦い茶を飲んで………話をしようとしても隣に座っているその男が邪魔で本題に入れない。イライラし始めると同時にふっと体が浮き上がる感覚がして、気がついたら意識が飛んでいたのだ。
誘拐?監禁?でも、何で裸?
何度か目を瞬きしている内に、薄暗い室内が見えるようになってきた。そうして晴が良く見たら目の前には、淫靡な光景が広がっている。腕を括られて目隠しをされ頭をシーツに押しつけるようにして組み敷かれているのは了だった。
「んっあっ!!や、あ、ああっ!あっ!ああっ!」
「声出すとアイツが目を覚ますぞ?ん?」
「ううんっ!あっ!ばかぁっ!んぅ!あっ!」
自分がしていたより遥かに甘く蕩ける声で、了が体を痙攣させながら泣いている。そして了を啼かせているのは、醜い顔と醜い体をした男だった。顔は傷だらけで目が何処を向いてるんだか分からないし、喉の傷は胸元まで引き連れた傷痕になっている。しかも、体の方にも他の傷が僅かに見えるが、他の部分が人並み以上に均整がとれているから醜さが際立つのだ。そんな歪な体をした男に、綺麗な肌の華奢な肢体が組み敷かれいたぶられている。
何がどうなってんだ?
醜い男に蹂躙され犯されている了を眺めているのは倒錯的で興奮するが、晴はそんな意図で彼の腕を掴んだ訳ではなかった。出来ることならキチンと愛の告白して、了との縁を結び直したい。了があの時の失恋と言ったのだから、考えたらあの時こそ本当はチャンスだったのだ。失恋の痛手を癒す相手にこんな歪な醜い人間を選んだなんて、了がどんなに失恋で脆くなっていたのかと正直思う。ところが目下晴は身動きもとれずに、ベットの了が組み敷かれているのを眺めているだけ。
「うっああっ!やぁっ!やんっんんっ!」
「で?あのガキはいつの相手だ?ん?」
「んんっんっやっ!キツいっ!キツいからぁ!!」
「キツかったら早めに答えとけ?」
ガキと呼ばれたのが自分の事だと気がついて目を丸くする。
「だ、からぁ、一年前く、らいから、年末、までぇ!」
「どっち?」
「ど、っちもっ、だよ!んんんっ!ああっ!」
了が腰を高くあげたまま、悲鳴のように声をあげてガクガクと痙攣するように震えた。指で弄られて絶頂に追い込まれたらしい了は、ベットから離れている晴にまで聞き取れる程の荒いハァハァという息をあげている。目隠しのせいで自分が目を覚ましたのには気がついていない風だが、相手の醜い男は微かにこちらに顔を向けたような気がする。
「どっちも、だぁ?」
「ノン気なん、あんっ!…から、仕方な、いだろっ!」
その声に盲目の男は、冷ややかな顔で了を責め立て始めた。それは晴が了にやって来た事などかわいいもので、容赦のないSMプレイだ。何でそう思うかといえば淫らに肌を染めて、身を震わせる了のヒクついた陰茎に銀色の輪が揺れてる。どうみても了の下折立った怒張に、無慈悲に突きたつプラグの存在が見えるのだ。しかも、それをされている了は感じきって震えていて、醜い男は調教用のモノを使いなれているのか扱いを悩むこともない。後ろを弄っているのが指だけなのが信じられない。
「全く、そんなに俺を嫉妬させたいのか?お前。」
「ばかぁっ……こうなる前の事、で、毎回嫉妬、すんなよぉっ!ああっだめ……擦んなってばぁ……いっちゃ……は、うぅんっ!」
ビクリと痙攣して色っぽい声を上げた了の体が崩れ落ちると、思わず自分の怒張がふくらむのが分かる。それは久々の了の裸体と甘い声に興奮しきっていた。自分に入れてくれる了も良かったけれど、こんな風に甘く泣き声をあげる声を聞かされたら自分の雄が犯したいとヒクヒク涎をたらしてしまう。
ああ、今すぐ俺のモノを捩じ込んで、擦りたててやりたい。
そう思うけれど声も出せなければ、立ち上がることもできない。身動ぎした自分に盲目の筈の男は醜い顔を向けて、何故かニヤリと意味深に笑った。
「こ、うたぁ……も、許して……これ、キツい。」
「ん?……了、ほら、舐めてくれ。」
取り出された盲目の男のものは、良くは見えないけど晴に比べたら短いが根本がとんでもなく太い。唖然としていると晴に見せつけるように男は、了の頭を引き寄せ唇にそれを押し付けた。了は目隠しをされたまま舌を伸ばすと、素直に音をたててピチャピチャと音をたてて舌を這わせ始める。
ああ!了!俺のモノも咥えて欲しい!
頭の中でそんなことを考えているをの見透かしているように、醜い男の逸物に了は必死に奉仕していた。了は確かに自分にも従順に口淫もしてくれたし、何でも素直にしたがってくれたのだ。つまりは元々マゾなのかもしれないなどと、ふと晴は頭の中で考えてしまう。だからこんなに醜い体の男に虐げられて、奉仕し続けているのかも。
「ん、いいな、気持ちいい。」
「んん、こ、ぉた、ん、もぉ、んんっんぅっ。」
ジュプジュプと音をたてて咥える淫らな音の合間に、相手に懇願する甘い強請る声。それすら晴の興奮を煽って射精してしまいそうになる。
「欲しいか?」
「わか、って、んんっ、くせにっ!んっ変態っ!」
咥えられながら男は楽しげに了の穴を、ヌチヌチと指で寛げて掻き回す。柔らかに綻んだそこを指で擦られる度に、射精することのできない了の陰茎が淫らに腹に反り返っているのが見える。楽しげにすら見える顔で醜い顔の男が、了の唇から怒張を抜き取ると、了は懇願の声で腰を突き上げた。
「宏太ぁ!も、キツい、キツいってばっこぉた!」
「目が見えねぇと敏感になって感じんだろ?ん?」
「わ、かったってばぁ!も、むり。」
なにがだ?と意地悪く問いかけながら背後に回った醜い男が、良く見える角度で太い怒張を押し当てる。ヌプンと捩じ込まれた瞬間、ガクガクと了の腰が痙攣して甘く蕩けていくのが分かった。
「あ、ああ、あっあー、やだぁっああっ!」
「嫌?」
「や、じゃな、あ、ああっいくっ!ああぅ!」
腰を撫でられユックリ出し入れされるだけで、気持ちいいのか激しく腰を痙攣させながら了が矯声をあげる。自分の時はこんな風に入れただけで歓喜の声をあげなかったと、嫉妬にまみれた視線で見つめる自分に気がついているように男はニヤリと口の端を上げた。
あの男……俺が起きてるのに気がついてる。
それなのにあえて了をいいように犯して見せているのだと、やっと晴は気がついた。きっと昔の男である晴に、了はもう自分のモノだと見せつけたくてやっているのだ。
「ああっ!お願いだからぁっ!前、プラグ、ぬいてぇ!だめぇ!これ、おかしくなるぅ!」
「おかしくなるの好きだろ?ん?」
「やぁ、結城が、起きるっんっあっああ!」
目隠しをされたまま犯されている了は、まだ自分が見ているのには気がついていない。それなのに男は軽々と了の体を抱き起こし、挿入部が見えるように抱き上げた。
「見られるのが嫌なら、早く俺をいかせないとな?ん?」
「あっ!ばかぁっ!あっあっこれ、くるぅっ!気持ちいいとこに当たるからぁ!」
「ん?そんなに声出すとガキが起きんぞ?了。」
ズチュズチュと出し入れされるものの太さに足を大きく開かされた了の体は感じまくって絶頂に仰け反る。仰け反った了の唇を奪うだけで、ヒクヒクと腰がくねるのは淫らになんてものじゃ足りない。扱きもしていないのに、まるで自分も後ろを抉られている時の事を思い出して先走りが亀頭を濡らす。
「やっ、あ、ああっ、こぉた、あ、いく、あ、ああ!」
「随分感じまくってんな?了。」
「ち、が、ああっ!プラグ、抜いて、壊れるぅ!」
「そんなにガキに見られそうなのに、興奮するか?あ?」
その言葉にビクンと痙攣するように了の体が戦いたかと思うと、弱々しく頭を振って身を竦める。途端に醜い男は揺さぶり突き上げるのをやめて怒張を抜き取ると了を横抱きにして、子供にするように了の頭を撫で始めた。
「全く、なんだよ?ん?どうした?」
「だって、………悪いって、分かって、んだよ。わかっ、るようになっ……宏太ぁ…。」
「ああ、もう、分かったよ。泣くなって。外してやるから。な?」
醜い男は降参と言いたげに了の頭を撫でながら、まるで見えているように片手で手早く了にしていた拘束を外していく。しかも、陰茎に捩じ込まれていたプラグをそのまま抜きにかかられて、膝の上の了が甘い声で泣き出す。
「やぁっ、抜いたら、で、ちゃうっ…んんっあっ!」
ヌプヌプと凹凸のついた長い棒が引き抜かれるのに、晴は思わず不可能と分かっていて身を乗りだしたくなる。酷く細いが、十五センチもあるようなその棒を入れられると、一体どんな快楽なんだろうと頭の中で考えてしまう。了が自分とした時には出したことのないような甘い声で腰を揺らすのが艶かしくて、晴の触れられない怒張がヒクつく。
「あうっんっ!あぁー………あああ……。」
ツプンと抜き取られた先から溢れ出すモノを、男の手が亀頭を握り塞き止めた。か弱く身悶え拘束から解かれてベットに下ろされた了は、晴が見たことのない脆くて儚い色気を漂わせて甘えるように手を伸ばす。
「こうたぁ……、も、むりぃ…。」
その言葉に男は躊躇うことなく、握りしめた了の怒張を口に含む。
「ひぁっ!!ああっ!ああんっ!!んぅーっ!」
腰が大きく跳ねて何度もその口に吐精しているのが、横で見ていても分かる。それを口に受け止めた醜い男は躊躇うことなく飲み干して、しかも更に強く吸い上げていく。
「あうっん!!あっ!んんっやぁっ!ああっ!」
チュグチュグと音をたてて吸い上げられ達したばかりの体が痙攣するのが分かって、晴は同じことを了が自分に何度もしてくれたのを思い浮かべる。
「ああっ!いくっ!だめぇっ!いくぅ!」
男の頭を股間に両手で押さえ込んだまま、了が足を宙にピンッと突っ張らせてビクビクと痙攣する。そのまま弛緩してグッタリとベットに沈み込んだ了の頭を撫でて、男が柔らかく低い甘い声で話しかけた。
「了、ちょっと待っとけ?いいな?」
「ん……、こぉ、た?」
目の見えない筈の男はベットから滑り降りると、しっかりした足取りでまるで目が見えるように真っ直ぐ晴に向かってくる。目の前に立って初めてその腹部にも醜い傷が走って、男の大事なものもマトモな形でないのに晴は目を丸くした。こんな醜い男にと、心のなかで思わず呟いてしまう。それが聞こえたように男は、溜め息混じりに晴を見下ろすと低く掠れた声で呟く。
「化け物見るみたいに見てんじゃねえよ、これでもちゃんとやれんのみてたろうが?俺はな、そこらのガキよりずっと上手いんだよ。」
視線に気がついていた風にそう言われて、ベットの了がハッと息を飲むのが分かった。拘束されたままの晴と了の目があったかと思うと、了は頬を染めて思わず毛布で自分の体を隠す。そんな風に羞恥の姿を見せる了に晴の視線が向いたのすら、目の前の男は分かっているように口を開いた。
「ジロジロ見てんじゃねぇよ、了はもう俺んだってわかんねぇのか?くそガキが。」
音をたてて口のテープを一度に剥がされ、詰め物を取られると喘ぐような息が弾ける。晴の手足の拘束を簡単に取り外した男は、晴の視線を遮るように立ちはだかった。
「この部屋でて吹き抜けの奥のゲストルームのベットにお前の服、投げてあるからよ。さっさとこの部屋から出ろ。」
「え?あ?」
「本当は最後まで見せつけてやろうとしたけどよ、了が泣くから止めてやる。一晩だけなら泊まらせてやってもいいし、家はオートロックだ、勝手に帰りたきゃ帰れ。」
ポカーンと拘束を解かれた晴は、目の前の男を見上げる。男は苛立つように早くしろと低く声を放つが、晴は呆然としたままその男を見上げた。この男は目の前で見ると、確かに目が見えない男なのだと分かる。暗闇の中でサングラスを外した男は歪な傷に顔を横断されて、目はどうみても生きた眼球とは思えない。それなのに傷のない場所は完璧な造形だから、歪で醜い筈なのに奇妙な色気を放っている。早くしろともう一度低く呟かれて、立ち上がった晴をベットに近づけないようにドアに向かって押され晴は肩越しに了を見た。それすら許さない男に押し出され、扉の外でポカーンとしているとドア越しに自分には向けない声音で互いの名前を呼ぶ声がする。
「これでいいか?了……。」
「こうたのばか……、嫉妬して、こんなことばっか、すんなよぉ。ばかぁ……。」
甘ったるいイチャイチャしているとしか思えないその会話に、ポカーンとしたまま晴は言われたままに扉をくぐりサニタリーから階段ホールに足を踏み出す。それにしてもこの馬鹿デカい豪邸と気がついたら、考えこんでしまう。ゲストルームのベットに腰掛け自分のまだ少し芯のある陰茎を見下ろして、ボンヤリ考え込んでしまった。
あんな風に恋人同士みたいな会話する了を初めてみた………。
ほんの数ヵ月前に見ていた成田了は何事にも冷静で、晴に抱かれていても何処か周囲の状況には意識を向けていた。晴が羞恥心をあおる場所で犯そうとするのに、どこか冷静に分析して対応していたのだと今なら分かる。何故ならさっきの了は自分の存在すら忘れる程に快感に飲まれて、男の言葉でやっと晴の存在を思い出したのだ。それは本当は酷く悔しい事なのに、何故か艶めいた了の姿に尚更惹かれている自分がいる。あの歪で醜い筈の男に抱かれて、なおの事淫らで色気を増した成田了にどうしても惹かれてしまう。
これってどうしたらいいんだ?俺。
晴は呆然としたまま、暗い窓の外を眺めていた。
結城晴は素っ裸で完全に拘束され身動きがとれない。完全に椅子から立ち上がれない状態で、顔も動かせないよう首と頭まで固定されている。椅子ごと倒れると言う手もない訳ではないが、そうして天井か床にへばりついてもこの状態から抜け出せなかったら間抜けだ。口の中には布切れが詰め込まれていて、声を出すこともできずにテープが張られている。
確か了の後をついて、恐ろしい豪邸のリビングで話をしていたら目の見えない筈の男がユッタリした動作でお茶をいれたのに了が驚いたように立ち上がったのは覚えている。
「宏太?危ないだろ?俺がやるから…。」
「これくらいなら……出来ただろ?」
「火傷したら大変だろ?……ありがとな、気を使ってくれてんだろ……?」
そんな風に柔らかい声で相手の頬に触れた了に、晴は胸が痛いような疼くような気持ちを感じる。了が相手を大事にしているのが伝わって、自分が告白したらそうしてもらえるのかもと心が疼くのが分かってしまう。そうして目の見えない男の入れた酷く苦い茶を飲んで………話をしようとしても隣に座っているその男が邪魔で本題に入れない。イライラし始めると同時にふっと体が浮き上がる感覚がして、気がついたら意識が飛んでいたのだ。
誘拐?監禁?でも、何で裸?
何度か目を瞬きしている内に、薄暗い室内が見えるようになってきた。そうして晴が良く見たら目の前には、淫靡な光景が広がっている。腕を括られて目隠しをされ頭をシーツに押しつけるようにして組み敷かれているのは了だった。
「んっあっ!!や、あ、ああっ!あっ!ああっ!」
「声出すとアイツが目を覚ますぞ?ん?」
「ううんっ!あっ!ばかぁっ!んぅ!あっ!」
自分がしていたより遥かに甘く蕩ける声で、了が体を痙攣させながら泣いている。そして了を啼かせているのは、醜い顔と醜い体をした男だった。顔は傷だらけで目が何処を向いてるんだか分からないし、喉の傷は胸元まで引き連れた傷痕になっている。しかも、体の方にも他の傷が僅かに見えるが、他の部分が人並み以上に均整がとれているから醜さが際立つのだ。そんな歪な体をした男に、綺麗な肌の華奢な肢体が組み敷かれいたぶられている。
何がどうなってんだ?
醜い男に蹂躙され犯されている了を眺めているのは倒錯的で興奮するが、晴はそんな意図で彼の腕を掴んだ訳ではなかった。出来ることならキチンと愛の告白して、了との縁を結び直したい。了があの時の失恋と言ったのだから、考えたらあの時こそ本当はチャンスだったのだ。失恋の痛手を癒す相手にこんな歪な醜い人間を選んだなんて、了がどんなに失恋で脆くなっていたのかと正直思う。ところが目下晴は身動きもとれずに、ベットの了が組み敷かれているのを眺めているだけ。
「うっああっ!やぁっ!やんっんんっ!」
「で?あのガキはいつの相手だ?ん?」
「んんっんっやっ!キツいっ!キツいからぁ!!」
「キツかったら早めに答えとけ?」
ガキと呼ばれたのが自分の事だと気がついて目を丸くする。
「だ、からぁ、一年前く、らいから、年末、までぇ!」
「どっち?」
「ど、っちもっ、だよ!んんんっ!ああっ!」
了が腰を高くあげたまま、悲鳴のように声をあげてガクガクと痙攣するように震えた。指で弄られて絶頂に追い込まれたらしい了は、ベットから離れている晴にまで聞き取れる程の荒いハァハァという息をあげている。目隠しのせいで自分が目を覚ましたのには気がついていない風だが、相手の醜い男は微かにこちらに顔を向けたような気がする。
「どっちも、だぁ?」
「ノン気なん、あんっ!…から、仕方な、いだろっ!」
その声に盲目の男は、冷ややかな顔で了を責め立て始めた。それは晴が了にやって来た事などかわいいもので、容赦のないSMプレイだ。何でそう思うかといえば淫らに肌を染めて、身を震わせる了のヒクついた陰茎に銀色の輪が揺れてる。どうみても了の下折立った怒張に、無慈悲に突きたつプラグの存在が見えるのだ。しかも、それをされている了は感じきって震えていて、醜い男は調教用のモノを使いなれているのか扱いを悩むこともない。後ろを弄っているのが指だけなのが信じられない。
「全く、そんなに俺を嫉妬させたいのか?お前。」
「ばかぁっ……こうなる前の事、で、毎回嫉妬、すんなよぉっ!ああっだめ……擦んなってばぁ……いっちゃ……は、うぅんっ!」
ビクリと痙攣して色っぽい声を上げた了の体が崩れ落ちると、思わず自分の怒張がふくらむのが分かる。それは久々の了の裸体と甘い声に興奮しきっていた。自分に入れてくれる了も良かったけれど、こんな風に甘く泣き声をあげる声を聞かされたら自分の雄が犯したいとヒクヒク涎をたらしてしまう。
ああ、今すぐ俺のモノを捩じ込んで、擦りたててやりたい。
そう思うけれど声も出せなければ、立ち上がることもできない。身動ぎした自分に盲目の筈の男は醜い顔を向けて、何故かニヤリと意味深に笑った。
「こ、うたぁ……も、許して……これ、キツい。」
「ん?……了、ほら、舐めてくれ。」
取り出された盲目の男のものは、良くは見えないけど晴に比べたら短いが根本がとんでもなく太い。唖然としていると晴に見せつけるように男は、了の頭を引き寄せ唇にそれを押し付けた。了は目隠しをされたまま舌を伸ばすと、素直に音をたててピチャピチャと音をたてて舌を這わせ始める。
ああ!了!俺のモノも咥えて欲しい!
頭の中でそんなことを考えているをの見透かしているように、醜い男の逸物に了は必死に奉仕していた。了は確かに自分にも従順に口淫もしてくれたし、何でも素直にしたがってくれたのだ。つまりは元々マゾなのかもしれないなどと、ふと晴は頭の中で考えてしまう。だからこんなに醜い体の男に虐げられて、奉仕し続けているのかも。
「ん、いいな、気持ちいい。」
「んん、こ、ぉた、ん、もぉ、んんっんぅっ。」
ジュプジュプと音をたてて咥える淫らな音の合間に、相手に懇願する甘い強請る声。それすら晴の興奮を煽って射精してしまいそうになる。
「欲しいか?」
「わか、って、んんっ、くせにっ!んっ変態っ!」
咥えられながら男は楽しげに了の穴を、ヌチヌチと指で寛げて掻き回す。柔らかに綻んだそこを指で擦られる度に、射精することのできない了の陰茎が淫らに腹に反り返っているのが見える。楽しげにすら見える顔で醜い顔の男が、了の唇から怒張を抜き取ると、了は懇願の声で腰を突き上げた。
「宏太ぁ!も、キツい、キツいってばっこぉた!」
「目が見えねぇと敏感になって感じんだろ?ん?」
「わ、かったってばぁ!も、むり。」
なにがだ?と意地悪く問いかけながら背後に回った醜い男が、良く見える角度で太い怒張を押し当てる。ヌプンと捩じ込まれた瞬間、ガクガクと了の腰が痙攣して甘く蕩けていくのが分かった。
「あ、ああ、あっあー、やだぁっああっ!」
「嫌?」
「や、じゃな、あ、ああっいくっ!ああぅ!」
腰を撫でられユックリ出し入れされるだけで、気持ちいいのか激しく腰を痙攣させながら了が矯声をあげる。自分の時はこんな風に入れただけで歓喜の声をあげなかったと、嫉妬にまみれた視線で見つめる自分に気がついているように男はニヤリと口の端を上げた。
あの男……俺が起きてるのに気がついてる。
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「おかしくなるの好きだろ?ん?」
「やぁ、結城が、起きるっんっあっああ!」
目隠しをされたまま犯されている了は、まだ自分が見ているのには気がついていない。それなのに男は軽々と了の体を抱き起こし、挿入部が見えるように抱き上げた。
「見られるのが嫌なら、早く俺をいかせないとな?ん?」
「あっ!ばかぁっ!あっあっこれ、くるぅっ!気持ちいいとこに当たるからぁ!」
「ん?そんなに声出すとガキが起きんぞ?了。」
ズチュズチュと出し入れされるものの太さに足を大きく開かされた了の体は感じまくって絶頂に仰け反る。仰け反った了の唇を奪うだけで、ヒクヒクと腰がくねるのは淫らになんてものじゃ足りない。扱きもしていないのに、まるで自分も後ろを抉られている時の事を思い出して先走りが亀頭を濡らす。
「やっ、あ、ああっ、こぉた、あ、いく、あ、ああ!」
「随分感じまくってんな?了。」
「ち、が、ああっ!プラグ、抜いて、壊れるぅ!」
「そんなにガキに見られそうなのに、興奮するか?あ?」
その言葉にビクンと痙攣するように了の体が戦いたかと思うと、弱々しく頭を振って身を竦める。途端に醜い男は揺さぶり突き上げるのをやめて怒張を抜き取ると了を横抱きにして、子供にするように了の頭を撫で始めた。
「全く、なんだよ?ん?どうした?」
「だって、………悪いって、分かって、んだよ。わかっ、るようになっ……宏太ぁ…。」
「ああ、もう、分かったよ。泣くなって。外してやるから。な?」
醜い男は降参と言いたげに了の頭を撫でながら、まるで見えているように片手で手早く了にしていた拘束を外していく。しかも、陰茎に捩じ込まれていたプラグをそのまま抜きにかかられて、膝の上の了が甘い声で泣き出す。
「やぁっ、抜いたら、で、ちゃうっ…んんっあっ!」
ヌプヌプと凹凸のついた長い棒が引き抜かれるのに、晴は思わず不可能と分かっていて身を乗りだしたくなる。酷く細いが、十五センチもあるようなその棒を入れられると、一体どんな快楽なんだろうと頭の中で考えてしまう。了が自分とした時には出したことのないような甘い声で腰を揺らすのが艶かしくて、晴の触れられない怒張がヒクつく。
「あうっんっ!あぁー………あああ……。」
ツプンと抜き取られた先から溢れ出すモノを、男の手が亀頭を握り塞き止めた。か弱く身悶え拘束から解かれてベットに下ろされた了は、晴が見たことのない脆くて儚い色気を漂わせて甘えるように手を伸ばす。
「こうたぁ……、も、むりぃ…。」
その言葉に男は躊躇うことなく、握りしめた了の怒張を口に含む。
「ひぁっ!!ああっ!ああんっ!!んぅーっ!」
腰が大きく跳ねて何度もその口に吐精しているのが、横で見ていても分かる。それを口に受け止めた醜い男は躊躇うことなく飲み干して、しかも更に強く吸い上げていく。
「あうっん!!あっ!んんっやぁっ!ああっ!」
チュグチュグと音をたてて吸い上げられ達したばかりの体が痙攣するのが分かって、晴は同じことを了が自分に何度もしてくれたのを思い浮かべる。
「ああっ!いくっ!だめぇっ!いくぅ!」
男の頭を股間に両手で押さえ込んだまま、了が足を宙にピンッと突っ張らせてビクビクと痙攣する。そのまま弛緩してグッタリとベットに沈み込んだ了の頭を撫でて、男が柔らかく低い甘い声で話しかけた。
「了、ちょっと待っとけ?いいな?」
「ん……、こぉ、た?」
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「化け物見るみたいに見てんじゃねえよ、これでもちゃんとやれんのみてたろうが?俺はな、そこらのガキよりずっと上手いんだよ。」
視線に気がついていた風にそう言われて、ベットの了がハッと息を飲むのが分かった。拘束されたままの晴と了の目があったかと思うと、了は頬を染めて思わず毛布で自分の体を隠す。そんな風に羞恥の姿を見せる了に晴の視線が向いたのすら、目の前の男は分かっているように口を開いた。
「ジロジロ見てんじゃねぇよ、了はもう俺んだってわかんねぇのか?くそガキが。」
音をたてて口のテープを一度に剥がされ、詰め物を取られると喘ぐような息が弾ける。晴の手足の拘束を簡単に取り外した男は、晴の視線を遮るように立ちはだかった。
「この部屋でて吹き抜けの奥のゲストルームのベットにお前の服、投げてあるからよ。さっさとこの部屋から出ろ。」
「え?あ?」
「本当は最後まで見せつけてやろうとしたけどよ、了が泣くから止めてやる。一晩だけなら泊まらせてやってもいいし、家はオートロックだ、勝手に帰りたきゃ帰れ。」
ポカーンと拘束を解かれた晴は、目の前の男を見上げる。男は苛立つように早くしろと低く声を放つが、晴は呆然としたままその男を見上げた。この男は目の前で見ると、確かに目が見えない男なのだと分かる。暗闇の中でサングラスを外した男は歪な傷に顔を横断されて、目はどうみても生きた眼球とは思えない。それなのに傷のない場所は完璧な造形だから、歪で醜い筈なのに奇妙な色気を放っている。早くしろともう一度低く呟かれて、立ち上がった晴をベットに近づけないようにドアに向かって押され晴は肩越しに了を見た。それすら許さない男に押し出され、扉の外でポカーンとしているとドア越しに自分には向けない声音で互いの名前を呼ぶ声がする。
「これでいいか?了……。」
「こうたのばか……、嫉妬して、こんなことばっか、すんなよぉ。ばかぁ……。」
甘ったるいイチャイチャしているとしか思えないその会話に、ポカーンとしたまま晴は言われたままに扉をくぐりサニタリーから階段ホールに足を踏み出す。それにしてもこの馬鹿デカい豪邸と気がついたら、考えこんでしまう。ゲストルームのベットに腰掛け自分のまだ少し芯のある陰茎を見下ろして、ボンヤリ考え込んでしまった。
あんな風に恋人同士みたいな会話する了を初めてみた………。
ほんの数ヵ月前に見ていた成田了は何事にも冷静で、晴に抱かれていても何処か周囲の状況には意識を向けていた。晴が羞恥心をあおる場所で犯そうとするのに、どこか冷静に分析して対応していたのだと今なら分かる。何故ならさっきの了は自分の存在すら忘れる程に快感に飲まれて、男の言葉でやっと晴の存在を思い出したのだ。それは本当は酷く悔しい事なのに、何故か艶めいた了の姿に尚更惹かれている自分がいる。あの歪で醜い筈の男に抱かれて、なおの事淫らで色気を増した成田了にどうしても惹かれてしまう。
これってどうしたらいいんだ?俺。
晴は呆然としたまま、暗い窓の外を眺めていた。
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でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
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