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第十二章 愚者の華
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滑らかな白い肌をあっという間に晒して、唇を鎖骨に触れさせるとピクンと肌が反応するように慄く。肌蹴られたシャツを残して下着ごとズボンを押し下げる指に反応して、思わず微かにその腰が浮きあがる。それに嬉しそうに仁聖が、滑らかな腹部に唇を這わせた。
「ん……っ…、今日は、程々に……しろよ…?」
「え?」
事を始める前に釘を刺された仁聖が、何で?と問いたげな不満そうな顔を浮かべる。恭平が呆れたようにお前明日卒業式なのわかってるか?と言うと、俺別に登壇しないしと悪びれた風でもなく答える。失神するまでされたら明日俺が立てなくなってもいいんだなと呆れたように言うと、そこでそうかと言う顔をして見せる有り様だ。
「善処します。」
しおらしく答えた仁聖に、恭平が目を細め笑い出す。
「どこでそういう答え方を勉強してくるんだ。ちゃんと意味がわかってて使ってるんだろうな?」
「えー、前向きに検討しますじゃないの?」
「その場に適した正しい対処をするという意味だからな?」
あれ?じゃ駄目じゃんと仁聖が言うあたりで、仁聖の善処が既にその場しのぎの言葉なのが伺える。微笑みながら悪びれもせずに仁聖が、少しヒヤリとする外気に晒された下肢を撫でる。仁聖の何気ない指の動きに、吐息を荒げ肌を染める恭平の着崩れたシャツ一枚だけの姿が目に痛いほどに艶かしい。無造作に制服を脱ぎ素肌をさらす仁聖の表情に、視線を向けた恭平が徐に恥ずかしそうに眉をしかめる。
「まったく…どうして…そう嬉しそうなんだ…?…ん…っ…。」
「ん?嬉しいもん…恭平に触るの…。」
チュと音を立てて何度もキスを落としながら、当たり前のように言う仁聖の声に恭平が頬を染める。恭平を抱き寄せ柔らかい手つきで愛撫を繰り返しながら、ホンノリと色づき始めた肌が漂わせる甘い香りを味わう。何度もその全身に口付けながら、囁くように耳元に低く響く声で誘うように口を開く。
「でも、恭平が気持ちよさそうにしてくれるの見る方が……俺は…もっと嬉しい。」
「んっ…ふっ。」
抱き寄せた唇を奪いながら、腰を擦り付けるようにするとヒクンと恭平の体が震える。腰を抱き胸元を弄る指にハァと甘い吐息が溢れ落ち、切なげに伏せられた瞳が潤んでいく。
「気持ち、いい?」
「ん…もどかし……い。」
「嘘、気持ちいいって、体が言ってる。」
滑る舌で乳首を舐られ舌先でクリクリと転がされるのに、自然と体が反応して無意識に仁聖の腰に自分の腰を擦り付けてしまう。しかも、乳首を弄られキスをされているだけなのに、何故か恭平の肉棒は固さを増して蜜を溢しながらピクピクと脈打っている。そこが性感体だなんて今まで思ったことがない場所なのに、仁聖が触れると途端に全く別な物に変えられてしまうようだ。しかも直結しているように、そこを弄られると体の奥にまで快感が重く響く。
「や、何で……っこんな……あ、んっ!んんっ!」
「可愛い、乳首にキスして弄られて……感じちゃうようになっちゃったね、俺の恭平ってば凄く……エッチで可愛い。」
俺のと耳元で囁かれ耳朶を噛まれて、恥ずかしさに頬が熱くなる。何でそこばっかり弄くるんだと呟く恭平の声を意にもかえさず、丹念に仁聖が乳首にまた愛撫を繰り返す。仁聖が胸に顔を埋めて乳首を舐め吸うチュクチュクという淫らな音に、羞恥心で頬が薔薇色に変わるのが分かる。
「あ、ああっやっんう!!」
乳首を仁聖に強く吸われた瞬間大きく腰が撓り、仁聖の腹に恭平の怒張が押し付けられる。乳首で感じさせられて自ら擦り付けてしまった怒張の先端が、仁聖の熱い体温に擦れて快感で蕩けてしまいそうだ。擦りつける先が既に蕩けて蜜を吐き出し、淫らな跡を仁聖の締まった腹に残していく。
「ヌルヌルにして擦り付けちゃって、すっごいエロい……。」
「い、うなっあっ!す、うなって、ば、ああぅ!んん!」
今にも弾けそうな怒張に直に触れてほしいのに、まだ触れてほしくない。相反する感覚に恭平は喘ぐ吐息の中で体が勝手に昇り詰めて、ビクビクと震えるのを感じる。恭平の怒張はまだ張り詰めたままで射精することなく、弄くられ続けた乳首だけが淫らに濡れそぼっているのが揺らめく視界に見えた。そこは見るだけでも淫らにテラテラと唾液に光り、固く芯を持ってジンジンと疼くように痺れていく。
「ハァ……も、馬鹿ぁ……こんなの……んぅ…。」
「軽くいけちゃった?エッチだね、恭平ってば。」
「お前の、せ、だろぉ……ば、かぁ……。」
耳元で囁かれ仁聖の指で軽く先を乳首を擦られ摘ままれるだけで、体内にズゥンと思い快感が響くのが信じられない。信じられないけど、こんな風に作り替えられてしまって恭平には抵抗もできないのだ。だから、こんな風にした仁聖にも、責任をとれと言いたい。頭を振りながらも快感を求めて腰を擦り付けてしまう恭平に、仁聖がどうしたいかなんて分かっていて、あえてどうしたい?と意地悪く問いかける。
もう、分かってるくせに、俺が何を望むかなんて。
荒い吐息で懇願する視線を向ける恭平に嬉しそうに仁聖が口づけて、抱き寄せた腰を晒すように片足を持ち上げ開かせる。荒い吐息を矢継ぎ早について羞恥心に頬を染めながら、目を閉じ手の甲で口元を覆う恭平の仕草が艶かしい。
「欲しい?」
「も、じら、すなってばっはや、くっ!」
ジェルに濡れた指先がヌルリと締まった後孔に触れた瞬間、恭平は微かに体を強張らせ眉を寄せた。そんな恭平の姿にほんの少し不安げな視線を浮かばせて、仁聖が顔を覗き込む。感じて強請るようになっても、やっぱりこの瞬間だけは最初の時と何も変わらないのを知っているのは彼に触れられる仁聖だけだ。
ゆっくりとまるで焦らす様に縁を撫で微かに動かされる指の感触に、焦れったくて身を捩じらせながら吐息を荒げる。そうしてやっと仁聖の視線に気がついた様に不思議そうに瞬きをする恭平に、もう一度キスをしながら仁聖がそっと囁きかける。
「……やっぱり……痛い?辛い…の?後ろ。」
滑る指でユルユルと撫で拡げながら聞かれた言葉に、恭平は再び真っ赤になって仁聖を何言ってるんだと言いたげに見つめる。今更何を言い出すかと思えば、そこは当然性行為のための場所ではないから最初の違和感があることは否めない。だけど、何で今?!しかも、指を動かしながら聞くなと言いたいのに、仁聖の指が寛げる感触に腰が蕩けそうになっている。
「……っ……な…に今更…聞いてるんだ…馬鹿……んん…っ…。」
ユルユルと撫で先端だけを僅かにクプクプッと差し入れる指。中まで触れないで入り口だけを弄られるのに、体内の快感に繋がる場所が焦れて熱く疼いている。足を担ぎ上げ萎えもしない恭平の肉棒をみれば、いやがっていないことは明らかなのに仁聖の指は延々と入り口だけを甘く蕩けさせていく。
「あ、んっ、ううんっ、それ、や、ああっ。」
「…何時も最初辛そうな顔する……から……辛い…?」
「ば、かぁ……んん、んっあ、あっ。」
執拗にクプックプッと仁聖の指が入り口を出入りする音が響いて、耳に響くのが恥ずかしくて逆に体に力が入ってしまう。すると、その響く音が微妙な変化を滲ませて、クポッと更に淫らな注挿音に塗り変わる。
「ヤらし……、欲しがって締め付けて来ちゃったね、ここ。」
「馬鹿ぁっ…お前分かってて、そんな、意地悪……っ。」
「そんな、ホントに辛いのかって、心配してるのに…。」
囁いた熱い声の後に、一気にヌルンと長い指が奥まで潜り込む。長い指がヌポヌポと湿った音と一緒に、緩々と奥深く迄擦り動かされる。仁聖の指が体内を探る手慣れた動きに、身を仰け反らせながら喘ぎ腰がうねる。それでも微かに心配げにも聞こえるその声を、潤んだ瞳で見つめて恭平が淡い吐息を零す。
「ん…っ…あ…のな……っ…、今更そんな…あっ、気持ちよくなかったら…っ…ああっ…こんな、あんっ。」
悩ましいその甘い声に更に奥深く指を埋め込みながら、身を擦り合わせる様に仁聖が肌を寄せる。再び肌に口付け熱を落とす様に愛撫を繰り返していく。
「い…言わせるなっ……も…っ…あぁ…っう…ああ、そこ、指当たって……。」
「ここ、好きだもんね。恭平は。」
「分かってる……くせ、にっあっ、ああっ!馬鹿っ!いっくぅう!ううっん!」
羞恥に頬を染めて腕で顔を覆ってしまいながら、前立腺を指で挟まれ擦られて射精のない絶頂に仰け反る。後孔でキツく指を食い締めて絶頂に震える恭平の仕草に、仁聖は嬉しそうに微笑みかける。半分は分かっているけど、半分は不安だから、そう仁聖が熱の篭った甘く低い声で耳を擽った。そう言われるとこれ以上何も言えないし快感に震えながら、擦りあげられる体内の快感と唇が与えてくる乳首への快感でおかしくなりそうだ。恭平の方から願いを告げないと、延々と射精もない快感の絶頂で焦らされ続ける。
「ん…、恭平は、どうして欲しい?」
「じ…焦らすなって……分かってて…そう・いう…ふぁ…っ…やっ……あっいくっいっ………くぅ!」
何度も繰り返される愛撫とその行為に全てを曝け出し、仁聖の前で恥も外聞もなくドロドロに快感に蕩けさせられる。しかも、仁聖の激しい熱を孕んだ愛情で満たされていく自分の変化に、恭平は更に煽られる欲望を感じてしまう。今では体を慣らす為の緩やかなこの動きですら、もう焦らされると感じるほどに仁聖を欲しがるようになっている。仁聖はそれに気がついているのだろうかと、そんな自分に羞恥を感じ吐息が跳ねていく。
「ばか、も、そこ、こする、な、いっちゃ…うっまたっいっちゃ、うからぁっ。」
「いいよ、沢山出さないでいって見せて?」
「やぁ、指じゃ、やだ、ぁんっ、も、欲し、いっいいっ。」
焦がれるほど仁聖の熱を直に感じたがっている体内のざわめきを感じ、潤んだ瞳で仁聖を見上げる強請る視線。それに仁聖の表情が激しく欲情して、大人びた色気を孕んだ淫猥な視線を落とす。
ああ、何で……そんな顔されたら、堪らなくなる
自分の淫らな姿に欲情する仁聖の男の顔。それを向けられて眩暈がしそうな程に仁聖を欲しがってしまう自分。差し出された仁聖の猛々しい怒張に、欲情して息を飲んでしまう自分。しかも見えるように足を担がれ捩じ込まれる場所を曝して、それを体内に入れられる瞬間を今か今かと待っている。それを受け入れるために体が勝手に痺れたように熱くなって、それが体の中を歓喜で満たす期待で後孔がヒクヒクと痙攣してしまう。
「すっごい…エッチな眺め……欲しがってヒクヒクしてるよ?ここ。」
ヌルリと怒張の先端がひくつく後孔の熱く濡れた粘膜を擦るのに、恭平の口から思わずはしたなく甘い強請り声が溢れる。早くして、早く中にきてと切れ切れの声で懇願する自分を、仁聖はどんな気持ちで見下ろしているのかと不安にすらなってしまう。もし、こんな風に変わった自分を疎ましく思うようになったら、もし、仁聖が自分ではない誰かと生きることを選んだら。こんなにも仁聖の事を愛して溺れている自分は、一人でどうやってこの後を生きていくのだろうかと微かに考えて不安になる。
「ごめん、焦らしすぎ?そんな悲しそうな顔しないで、ね?」
チュと額に落ちた柔らかい声とキス。その直後に腰を大きな手で押さえ込まれ、孔にめり込んでくる凶器のような熱さ。硬く熱い先端が狭い口を無理やり抉じ開けて、膨れた先端が空間にミチッと嵌まり込む。
「あうっ!!ああっ!」
「んん、力抜いて…凄い、キツい。」
仁聖の腰が酷くユックリ前後して、ほんの僅かな刺激が加わるだけでも快感でとびそうになってしまう。何でこんなと思うのに仁聖の全てが気持ちがよくて、腰が勝手に一人で揺すり始めてしまうのだ。
こんな、嘘、駄目だ、こんなの、
頭の中で繰り返す自分の声と止まらない体に、仁聖が嬉しそうに微笑みながら腰を両手で抱える。そんなに欲しがって可愛いと囁きながら、仁聖の腕に体を抱き起こされ上に乗せられると一層深く仁聖の肉茎が奥に押し込まれる感触に視界がチカチカと瞬く。
「んあっ!あ!あっ、ああっ!」
深く奥まで捩じ込まれ擦られ、奥を仁聖の怒張に拓かさせられて涙が滲む程の快感に喘ぎが止まらない。それにウットリとした声で仁聖が囁く。
「ああ、メロメロになって……可愛い…たまんない…。」
「も、や、ああっあっ!いくっいっくからぁ!あ!」
ギチギチと締め付けながら、それでも音を立てて埋め込まれる熱に恭平が思わず仰け反る。飲み込まされた怒張に反応して、恭平の怒張の先端から白濁の蜜が溢れて二人の腹部に飛び散っていく。薔薇色になった白い肌に華弁の様な痕を幾つも散らして、ゆっくりと音を立てて腰を揺らめかせはじめる仁聖の肩に縋りつく様に腕を回し甘い嬌声を微かに上げる。
「あっ…あっ…あぁっんふ…ぅんっああ、あ、あんっ。」
艶かしく甘い声を溢す蕩けた恭平の姿をうっとりと見つめ、性急に高まっていくのを自分自身で感じながら仁聖が更に強く体内に怒張を押し進めていく。やがて一際強く甘く弾ける絶頂感に大きく恭平がその背を撓らせたのと殆ど同時に、仁聖も激しく身を震わせてその体内に白濁を勢いよく放っていた。
「ん……っ…、今日は、程々に……しろよ…?」
「え?」
事を始める前に釘を刺された仁聖が、何で?と問いたげな不満そうな顔を浮かべる。恭平が呆れたようにお前明日卒業式なのわかってるか?と言うと、俺別に登壇しないしと悪びれた風でもなく答える。失神するまでされたら明日俺が立てなくなってもいいんだなと呆れたように言うと、そこでそうかと言う顔をして見せる有り様だ。
「善処します。」
しおらしく答えた仁聖に、恭平が目を細め笑い出す。
「どこでそういう答え方を勉強してくるんだ。ちゃんと意味がわかってて使ってるんだろうな?」
「えー、前向きに検討しますじゃないの?」
「その場に適した正しい対処をするという意味だからな?」
あれ?じゃ駄目じゃんと仁聖が言うあたりで、仁聖の善処が既にその場しのぎの言葉なのが伺える。微笑みながら悪びれもせずに仁聖が、少しヒヤリとする外気に晒された下肢を撫でる。仁聖の何気ない指の動きに、吐息を荒げ肌を染める恭平の着崩れたシャツ一枚だけの姿が目に痛いほどに艶かしい。無造作に制服を脱ぎ素肌をさらす仁聖の表情に、視線を向けた恭平が徐に恥ずかしそうに眉をしかめる。
「まったく…どうして…そう嬉しそうなんだ…?…ん…っ…。」
「ん?嬉しいもん…恭平に触るの…。」
チュと音を立てて何度もキスを落としながら、当たり前のように言う仁聖の声に恭平が頬を染める。恭平を抱き寄せ柔らかい手つきで愛撫を繰り返しながら、ホンノリと色づき始めた肌が漂わせる甘い香りを味わう。何度もその全身に口付けながら、囁くように耳元に低く響く声で誘うように口を開く。
「でも、恭平が気持ちよさそうにしてくれるの見る方が……俺は…もっと嬉しい。」
「んっ…ふっ。」
抱き寄せた唇を奪いながら、腰を擦り付けるようにするとヒクンと恭平の体が震える。腰を抱き胸元を弄る指にハァと甘い吐息が溢れ落ち、切なげに伏せられた瞳が潤んでいく。
「気持ち、いい?」
「ん…もどかし……い。」
「嘘、気持ちいいって、体が言ってる。」
滑る舌で乳首を舐られ舌先でクリクリと転がされるのに、自然と体が反応して無意識に仁聖の腰に自分の腰を擦り付けてしまう。しかも、乳首を弄られキスをされているだけなのに、何故か恭平の肉棒は固さを増して蜜を溢しながらピクピクと脈打っている。そこが性感体だなんて今まで思ったことがない場所なのに、仁聖が触れると途端に全く別な物に変えられてしまうようだ。しかも直結しているように、そこを弄られると体の奥にまで快感が重く響く。
「や、何で……っこんな……あ、んっ!んんっ!」
「可愛い、乳首にキスして弄られて……感じちゃうようになっちゃったね、俺の恭平ってば凄く……エッチで可愛い。」
俺のと耳元で囁かれ耳朶を噛まれて、恥ずかしさに頬が熱くなる。何でそこばっかり弄くるんだと呟く恭平の声を意にもかえさず、丹念に仁聖が乳首にまた愛撫を繰り返す。仁聖が胸に顔を埋めて乳首を舐め吸うチュクチュクという淫らな音に、羞恥心で頬が薔薇色に変わるのが分かる。
「あ、ああっやっんう!!」
乳首を仁聖に強く吸われた瞬間大きく腰が撓り、仁聖の腹に恭平の怒張が押し付けられる。乳首で感じさせられて自ら擦り付けてしまった怒張の先端が、仁聖の熱い体温に擦れて快感で蕩けてしまいそうだ。擦りつける先が既に蕩けて蜜を吐き出し、淫らな跡を仁聖の締まった腹に残していく。
「ヌルヌルにして擦り付けちゃって、すっごいエロい……。」
「い、うなっあっ!す、うなって、ば、ああぅ!んん!」
今にも弾けそうな怒張に直に触れてほしいのに、まだ触れてほしくない。相反する感覚に恭平は喘ぐ吐息の中で体が勝手に昇り詰めて、ビクビクと震えるのを感じる。恭平の怒張はまだ張り詰めたままで射精することなく、弄くられ続けた乳首だけが淫らに濡れそぼっているのが揺らめく視界に見えた。そこは見るだけでも淫らにテラテラと唾液に光り、固く芯を持ってジンジンと疼くように痺れていく。
「ハァ……も、馬鹿ぁ……こんなの……んぅ…。」
「軽くいけちゃった?エッチだね、恭平ってば。」
「お前の、せ、だろぉ……ば、かぁ……。」
耳元で囁かれ仁聖の指で軽く先を乳首を擦られ摘ままれるだけで、体内にズゥンと思い快感が響くのが信じられない。信じられないけど、こんな風に作り替えられてしまって恭平には抵抗もできないのだ。だから、こんな風にした仁聖にも、責任をとれと言いたい。頭を振りながらも快感を求めて腰を擦り付けてしまう恭平に、仁聖がどうしたいかなんて分かっていて、あえてどうしたい?と意地悪く問いかける。
もう、分かってるくせに、俺が何を望むかなんて。
荒い吐息で懇願する視線を向ける恭平に嬉しそうに仁聖が口づけて、抱き寄せた腰を晒すように片足を持ち上げ開かせる。荒い吐息を矢継ぎ早について羞恥心に頬を染めながら、目を閉じ手の甲で口元を覆う恭平の仕草が艶かしい。
「欲しい?」
「も、じら、すなってばっはや、くっ!」
ジェルに濡れた指先がヌルリと締まった後孔に触れた瞬間、恭平は微かに体を強張らせ眉を寄せた。そんな恭平の姿にほんの少し不安げな視線を浮かばせて、仁聖が顔を覗き込む。感じて強請るようになっても、やっぱりこの瞬間だけは最初の時と何も変わらないのを知っているのは彼に触れられる仁聖だけだ。
ゆっくりとまるで焦らす様に縁を撫で微かに動かされる指の感触に、焦れったくて身を捩じらせながら吐息を荒げる。そうしてやっと仁聖の視線に気がついた様に不思議そうに瞬きをする恭平に、もう一度キスをしながら仁聖がそっと囁きかける。
「……やっぱり……痛い?辛い…の?後ろ。」
滑る指でユルユルと撫で拡げながら聞かれた言葉に、恭平は再び真っ赤になって仁聖を何言ってるんだと言いたげに見つめる。今更何を言い出すかと思えば、そこは当然性行為のための場所ではないから最初の違和感があることは否めない。だけど、何で今?!しかも、指を動かしながら聞くなと言いたいのに、仁聖の指が寛げる感触に腰が蕩けそうになっている。
「……っ……な…に今更…聞いてるんだ…馬鹿……んん…っ…。」
ユルユルと撫で先端だけを僅かにクプクプッと差し入れる指。中まで触れないで入り口だけを弄られるのに、体内の快感に繋がる場所が焦れて熱く疼いている。足を担ぎ上げ萎えもしない恭平の肉棒をみれば、いやがっていないことは明らかなのに仁聖の指は延々と入り口だけを甘く蕩けさせていく。
「あ、んっ、ううんっ、それ、や、ああっ。」
「…何時も最初辛そうな顔する……から……辛い…?」
「ば、かぁ……んん、んっあ、あっ。」
執拗にクプックプッと仁聖の指が入り口を出入りする音が響いて、耳に響くのが恥ずかしくて逆に体に力が入ってしまう。すると、その響く音が微妙な変化を滲ませて、クポッと更に淫らな注挿音に塗り変わる。
「ヤらし……、欲しがって締め付けて来ちゃったね、ここ。」
「馬鹿ぁっ…お前分かってて、そんな、意地悪……っ。」
「そんな、ホントに辛いのかって、心配してるのに…。」
囁いた熱い声の後に、一気にヌルンと長い指が奥まで潜り込む。長い指がヌポヌポと湿った音と一緒に、緩々と奥深く迄擦り動かされる。仁聖の指が体内を探る手慣れた動きに、身を仰け反らせながら喘ぎ腰がうねる。それでも微かに心配げにも聞こえるその声を、潤んだ瞳で見つめて恭平が淡い吐息を零す。
「ん…っ…あ…のな……っ…、今更そんな…あっ、気持ちよくなかったら…っ…ああっ…こんな、あんっ。」
悩ましいその甘い声に更に奥深く指を埋め込みながら、身を擦り合わせる様に仁聖が肌を寄せる。再び肌に口付け熱を落とす様に愛撫を繰り返していく。
「い…言わせるなっ……も…っ…あぁ…っう…ああ、そこ、指当たって……。」
「ここ、好きだもんね。恭平は。」
「分かってる……くせ、にっあっ、ああっ!馬鹿っ!いっくぅう!ううっん!」
羞恥に頬を染めて腕で顔を覆ってしまいながら、前立腺を指で挟まれ擦られて射精のない絶頂に仰け反る。後孔でキツく指を食い締めて絶頂に震える恭平の仕草に、仁聖は嬉しそうに微笑みかける。半分は分かっているけど、半分は不安だから、そう仁聖が熱の篭った甘く低い声で耳を擽った。そう言われるとこれ以上何も言えないし快感に震えながら、擦りあげられる体内の快感と唇が与えてくる乳首への快感でおかしくなりそうだ。恭平の方から願いを告げないと、延々と射精もない快感の絶頂で焦らされ続ける。
「ん…、恭平は、どうして欲しい?」
「じ…焦らすなって……分かってて…そう・いう…ふぁ…っ…やっ……あっいくっいっ………くぅ!」
何度も繰り返される愛撫とその行為に全てを曝け出し、仁聖の前で恥も外聞もなくドロドロに快感に蕩けさせられる。しかも、仁聖の激しい熱を孕んだ愛情で満たされていく自分の変化に、恭平は更に煽られる欲望を感じてしまう。今では体を慣らす為の緩やかなこの動きですら、もう焦らされると感じるほどに仁聖を欲しがるようになっている。仁聖はそれに気がついているのだろうかと、そんな自分に羞恥を感じ吐息が跳ねていく。
「ばか、も、そこ、こする、な、いっちゃ…うっまたっいっちゃ、うからぁっ。」
「いいよ、沢山出さないでいって見せて?」
「やぁ、指じゃ、やだ、ぁんっ、も、欲し、いっいいっ。」
焦がれるほど仁聖の熱を直に感じたがっている体内のざわめきを感じ、潤んだ瞳で仁聖を見上げる強請る視線。それに仁聖の表情が激しく欲情して、大人びた色気を孕んだ淫猥な視線を落とす。
ああ、何で……そんな顔されたら、堪らなくなる
自分の淫らな姿に欲情する仁聖の男の顔。それを向けられて眩暈がしそうな程に仁聖を欲しがってしまう自分。差し出された仁聖の猛々しい怒張に、欲情して息を飲んでしまう自分。しかも見えるように足を担がれ捩じ込まれる場所を曝して、それを体内に入れられる瞬間を今か今かと待っている。それを受け入れるために体が勝手に痺れたように熱くなって、それが体の中を歓喜で満たす期待で後孔がヒクヒクと痙攣してしまう。
「すっごい…エッチな眺め……欲しがってヒクヒクしてるよ?ここ。」
ヌルリと怒張の先端がひくつく後孔の熱く濡れた粘膜を擦るのに、恭平の口から思わずはしたなく甘い強請り声が溢れる。早くして、早く中にきてと切れ切れの声で懇願する自分を、仁聖はどんな気持ちで見下ろしているのかと不安にすらなってしまう。もし、こんな風に変わった自分を疎ましく思うようになったら、もし、仁聖が自分ではない誰かと生きることを選んだら。こんなにも仁聖の事を愛して溺れている自分は、一人でどうやってこの後を生きていくのだろうかと微かに考えて不安になる。
「ごめん、焦らしすぎ?そんな悲しそうな顔しないで、ね?」
チュと額に落ちた柔らかい声とキス。その直後に腰を大きな手で押さえ込まれ、孔にめり込んでくる凶器のような熱さ。硬く熱い先端が狭い口を無理やり抉じ開けて、膨れた先端が空間にミチッと嵌まり込む。
「あうっ!!ああっ!」
「んん、力抜いて…凄い、キツい。」
仁聖の腰が酷くユックリ前後して、ほんの僅かな刺激が加わるだけでも快感でとびそうになってしまう。何でこんなと思うのに仁聖の全てが気持ちがよくて、腰が勝手に一人で揺すり始めてしまうのだ。
こんな、嘘、駄目だ、こんなの、
頭の中で繰り返す自分の声と止まらない体に、仁聖が嬉しそうに微笑みながら腰を両手で抱える。そんなに欲しがって可愛いと囁きながら、仁聖の腕に体を抱き起こされ上に乗せられると一層深く仁聖の肉茎が奥に押し込まれる感触に視界がチカチカと瞬く。
「んあっ!あ!あっ、ああっ!」
深く奥まで捩じ込まれ擦られ、奥を仁聖の怒張に拓かさせられて涙が滲む程の快感に喘ぎが止まらない。それにウットリとした声で仁聖が囁く。
「ああ、メロメロになって……可愛い…たまんない…。」
「も、や、ああっあっ!いくっいっくからぁ!あ!」
ギチギチと締め付けながら、それでも音を立てて埋め込まれる熱に恭平が思わず仰け反る。飲み込まされた怒張に反応して、恭平の怒張の先端から白濁の蜜が溢れて二人の腹部に飛び散っていく。薔薇色になった白い肌に華弁の様な痕を幾つも散らして、ゆっくりと音を立てて腰を揺らめかせはじめる仁聖の肩に縋りつく様に腕を回し甘い嬌声を微かに上げる。
「あっ…あっ…あぁっんふ…ぅんっああ、あ、あんっ。」
艶かしく甘い声を溢す蕩けた恭平の姿をうっとりと見つめ、性急に高まっていくのを自分自身で感じながら仁聖が更に強く体内に怒張を押し進めていく。やがて一際強く甘く弾ける絶頂感に大きく恭平がその背を撓らせたのと殆ど同時に、仁聖も激しく身を震わせてその体内に白濁を勢いよく放っていた。
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恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
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