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第十一章 Raison d'etre
間話2.酔いに任せて
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最近の恭平は以前とかなり様子が違う。そう仁聖は頬杖をつき、愛しい彼の姿を思い浮かべながら考える。
勿論、髪を切って容姿が大きく変わったのは大きい。元々整った綺麗な顔をしているのに、恭平は長くした黒髪で顔を隠すようにしていた。艶やかな黒髪は顔を覆い表情は憂いて、どちらかと言えば少し俯きがちな印象だ。ところが、短髪に変わったことで覆われていた顔は、全て表に出されるようになった。綺麗な顎のラインも、襟元に続くしなやかな首も、柔らかに微笑む目元も顕。そして、彼自身が人に対しての表情や対応が柔らかくなったから、高々マンションのゴミ捨てに行くだけで近所の女性から挨拶をされるようになっているらしい。
しかも、元々対外的には社交的とは言えなかった恭平。友人との付き合いも少なかった筈なのに、目下急な呼び出しで飲みに出ているのだ。仁聖にはちゃんと誰と飲んでいるかは教えてくれているのだが、幼馴染みの村瀬篠だけかと思えば。なんと、今日は高校時代の先輩も一緒にいるという。
ええ?!高校の先輩って誰?!
今までそんな人物の存在は恭平から聞いたことがないし、恭平がそういう風に飲みに誘われる関係の先輩がいるなんて知らなかった。
先輩ってことは男だよな?女の先輩ならそういうだろうし。
ムゥッと腕を組んでスマホを眺めながら仁聖は、暫し真剣な顔で考え込む。まあ、どんなにカッコよく色っぽい恭平とはいえ呑んで襲われたとしても、恭平なら相手を投げ飛ばす位は容易い。ただ酔った恭平は、普段より格段に人に甘えるから正直心配なのだ。
榊恭平は、仁聖と同じ都立第三高校の卒業生。
先輩ということは恭平は今二十六歳だから、二十七か二十八歳。その年頃のOBもしくはOGの知り合いは、自分に居ただろうか。バスケ部のコーチは確かOBだった筈だが、歳は何歳だっただろう。というか、ちょっと待て、自分。もしOBを捕まえたからと言って、今恭平と仲良く呑んでいるのが誰か分かるわけでもない。もし乱入したとしても、まだ呑めない自分は恭平の邪魔になってしまう。
何でかなぁ、カッコよくなった途端に、こんなに対外的になるなんて。
勿論気になるところではあるが、それを考えると少し別なことにも気がついて体が疼くような気分。
最近の恭平は、凄く感じやすい。
気のせいかとも思っていたけど、初めての時に比べると格段に感じやすくなったんじゃないかと思う。特に肌を薔薇色にして感じ始めると、全身から他とは比較のしようがないとんでもない色気が駄々漏れだ。最近は普段にしている時だって、何気ない指先や腰つきの仕草に漂う色気がある。しかも、次第に仁聖に貫かれて前立腺を擦られ達してしまうようになってからというもの、その色気は破壊力抜群なのだ。
射精する姿がとんでもなくエロいって、ヤバイでしょ。
その上その後扇情的に肌を汗ばませながら、何度も射精もなく昇り詰めて全身を痙攣させてしまうのだ。勿論後孔だけだなく可愛らしい桜色の乳首ですら、仁聖が軽く摘まんだり舐めたりすると切ない声を上げるようになりつつあるような気がする。
……エロすぎ……、思い出すだけで…いけちゃいそう。
あの甘い声で切れ切れに懇願しながら、喘ぐなんて反則にも程がある。ドライオーガズムというやつがどんな感覚のものかは仁聖も正確には知らないが、女性の絶頂にも似た矢継ぎ早に昇り詰めて泣く声は最高にエロい。
ああ、この間のも最高によかった……
色々理由があったとはいえ、先日は口淫を自らたっぷりとしてくれた。仁聖のものを喉の方まで必死に飲み込んでの、恭平の切なげに潤んだ瞳。
しかも、その後には仁聖が強請った通りに、全裸で跨がって淫らなオナニーまでして見せてくれたのだ。
あれ、………凄い……エロかった……。
全裸になって仁聖の胸元を跨ぎ、そそりたつ艶かしい肉棒の先端を片手で撫でながら自らの乳首を摘まむ。その後は両方の桜色の乳首を両手で弄くりながら、すっかり立ち上がった怒張を前に突きだして……
可愛く喘ぎながら乳首で感じて腰を揺らすなんて、俺の恭平……最高……
あの姿を頭の中で思い浮かべると、自分の肉棒が独りでに下着の中であっという間に硬く怒張する。しかも、あの後の恭平は前代未聞の衝撃のエロさだった。仁聖に言われるままに仁聖の顔を跨いで、恭平は後孔を自分の指でユルユルと解し後孔で自慰をしたのだ。
突き出された柔らかそうな白い尻の合間に咥えこまれた細い指と、ヒクヒクと滴を滲ませ跳ねる怒張。快感にヒクツキ持ち上がる陰嚢に、仁聖の視線で羞恥心に悶える恭平の可愛い喘ぎ。ヌプヌプとゆっくり出し入れされる指を、ヒクツキながら食い締めるホンノリと熟れた後孔。それを見た瞬間一気に自分の逸物が怒張して、ズボンの前がキツくて痛いほどだった。その恥態を息を荒げ見つめながら、イソイソと怒張を取り出したのはここだけの話。
もうその後は我慢のしようがなく、舐めていかせて、一気に貫いた訳で。あの光景を思い出しただけで、仁聖の肉棒もガチガチに反り返り先走りの汁が溢れる。下着の中から取り出した赤く脈打つ凶器じみた怒張を手で握り、緩やかに上下に動かす。
「ああ…もう、恭平が、あんな……エロいことするから……。」
そんな風に呟いて、あの時の姿を頭の中で繰り返し思い浮かべる。グチグチと激しく扱きたてながら、仁聖の頭の中はネットリたっぷりの愛しい人の口淫ご奉仕を浮かべた。奥深くまで肉棒を口で包み込み、内側で舌を絡ませ吸いたてながら頭を上下に動かす。同じに自分の目の前で、自分の指を後孔に咥えこみ撓る細い腰を思い浮かべる。指を出し入れさせながら、腰を突きだしガクガクと震えながら絶頂に射精する恭平の姿。考えるだけで背筋がゾクゾクするような快感に、腰が溶けそうな感覚が生まれる。
怒張を突きこむ恭平の体内が以前に比べて、凄くうねって仁聖を引き込むように絡み付くようになった気がする。しかも、擦られる快感に恭平が背を撓らせ仰け反ると、押し付けられた後孔は仁聖を更に深く奥まで呑み込んでしまう。それが深く奥を抉りこむ感触に震える恭平は、堪らなく官能的でエロい。そうなると恭平は絶頂から戻れなくなって頭を振りながら、甘く仁聖に懇願の声を溢すのだ。
お願いもう、だめ、苦しい…も、ゆるして
そんなことを絶頂に怒張を締めあげる後孔をジックリ味わいながら、ヒクヒクする内部の痙攣を直に感じウットリと聞く淫らな行為。射精もなく透明な蜜を先端から溢れさせ、悲鳴に似た声で何度も絶頂を訴える切れ切れの吐息。
「ああ、ダメ、いくっ……うっ!」
意図も容易く頭の中の記憶を辿る自慰で、勢いよくドプンッと白濁を手の中に吐き出した。精液を拭いながら、それでも頭の中は恭平の事ばかりで埋まっていて堪らない。勿論恭平の生活も交流も存在してるのはよく理解しているのに、それでも自分を特別に扱ってほしくて仕方がない自分。綺麗で可愛くて格好いい仁聖の大切な伴侶。
早く帰ってきて欲しいし、自分の傍にいて欲しい。
※※※
恭平からの連絡は、悪いけど迎えに来てくれないかというものだった。村瀬篠が半分つぶれていてということだったけど、街中で何処かで見たことのある長身の黒髪の青年と楽しそうに話している姿。
その人誰?!
思わず街中でそう口にしそうになる自分。仁聖より少し背が高く体つきはしなやか、それに自分にはない余裕すら感じる大人の微笑み。その人物に向かって微笑みを浮かべて話している恭平は、普段より何故か幼いようにも見える。
それ、甘えてるの?あの人に?
ジリジリと胸の中がざわめいて、苛立ちが膨れ上がるのが分かった。醜い嫉妬だとわかっているのに、綺麗で柔らかい甘え顔を他人に向けないでと叫びたくなる。唐突に相手の男性が何か言いながら手を伸ばし、そっと恭平の左の手に触れたのに頭が煮えるような気がした。離れていくその男性の背中を見送る恭平の姿に、包み隠した苛立ちは限界に差し掛かっている。
「恭平!」
自分の声に恭平が振り返り、嬉しそうな柔らかい微笑みを浮かべる。なのに心の中の煮えたぎる苛立ちは、正直その笑顔だけでは消えそうもない。
連れ帰った潰れた村瀬篠を自分の部屋のベットに押し込んで、リビングに戻った仁聖は寝室に姿を消した恭平を無意識に探す自分に気がつく。苛立ちはまだ胸の奥で煮えるようで、唇を噛みながら寝室と扉を開いた。
「仁聖、悪かった。でも、迎えに来てくれて助かった。」
上半身を曝した恭平が甘い微笑みで振り返り、そう口にするのに仁聖は後ろ手に扉を閉じると鍵をかける。その音に少し恭平が驚いた顔をするのに、仁聖は無言のまま歩み寄った。背中から腕を回した仁聖を、恭平は仄かに酔いの回った体で感じとる。
「恭平……。」
以前に吐き気を催すほど抱き締められたことがあったのを思い出しながら、苦笑いを浮かべた恭平がポンとその肩に押し付けられた頭を撫でた。
「どうした?拗ねてるのか?一緒に行きたかった?」
「あの人誰…?」
小さな問いかけにああと納得したように、恭平は少し笑いながら何処から見てた?と問いかける。素直に仁聖が二人で話していたのを見たと呟くのに、なんだと呟いた恭平が笑う。
「何で笑うの?」
「お前が五分前に到着したら、俺も篠の二の舞だった。」
どういう意味?と仁聖が不振そうに問いかけると、恭平がクルリと身を回してベットに腰かける。腕の中から逃げてしまった恭平に、シュンとする仁聖を見上げ恭平はおかしそうに笑いながら手を広げた。
「え……?」
「ほら、仁聖、おいで。」
恭平からニコニコしながら手を広げられて、躊躇いを浮かばせてオズオズと仁聖が近づく。何故か抱き締められ膝に座らされたかと思うと、恭平は迷いもせずに撫で撫でと子供のように仁聖の頭を撫で始める。
「酔ってる?」
「ん?可愛いなぁと思って。嫉妬して拗ねてる仁聖が、凄く可愛い。」
絶対酔ってると呟く仁聖に、恭平が先輩は三人だったんだけどなぁと笑う。その内一人と話してるところしか見ていないんだろ?と呑気に言う恭平に、そういう意味じゃないと仁聖が不貞腐れる。あんな自分よりずっと大人の格好いい人と恭平が仲良さそうに話していたのが、凄く嫌なんだって思うのに恭平はそれには気がつきもしない。
「それにしてもお前、五分前についてたら、土志田先輩に説教されたぞ?夜間に出歩いてるって。」
「トッシー?」
土志田。クスクスと笑う恭平の口から、急に何でここで出て来るのが生徒指導の体育教師の名前?と仁聖は一瞬呆気にとられる。その顔に恭平は尚更おかしそうに笑いながら、仁聖の頭を再び撫でた。
「まさか、土志田先輩が教師だなんてな?宮井先輩なら…まあ、想像できるかもしれないけどなぁ。」
「せ、んぱいってトッシー?あの話してた人は?」
「あの人は、信哉さんだ。三人組の一人だよ。」
酔っているせいか話が少しとりとめがないが、今日一緒に呑んでいたのは仁聖の学校の教師の土志田悌順を含めた三人の先輩ってこと?っていうか土志田って恭平の先輩なの?もっとオッサンじゃないの?等と大概失礼な事を言う仁聖に、恭平はクスクスと笑い続けている。
「土志田先輩の説教凄かった。篠が全然言い返せないんだ。」
「篠さんが説教………もしかして、真希の事?」
不意に仁聖の言葉に少し恭平が拗ねた顔になるのに、仁聖は驚いて目を丸くする。どうも仁聖が思っている以上に、恭平は完全に酔っていたのに今更気がついたのだ。苦いアルコールの味が微かにする唇が唐突に、仁聖の唇を奪うとヌルリと舌が絡まってくる。
「んん、ん…。」
口の中を恭平の舌で丹念に舐め回されて、仁聖は眉をしかめて一気に熱が集まってしまう股間に頬を染めた。何で恭平が拗ねた顔をするのか、今の話の流れからでは全く掴めない。そう思っている最中、撫でるように仁聖の股間を指が探る。
「んんっんうっ!」
「ふふ、やらしいな、キスだけでこんなにして。」
酔いに少し意地悪く恭平の声が甘く耳に吐息と共に囁きかけ、膝を跨いだままの仁聖のズボンの前を寛げていく。チュと喉元に口づけながら恭平に服を脱がされるのに、まるで自分が酒を飲まされて酔った気分がする。
「きょ……へぇ……っ?」
「いい子だから、おとなしくな?」
まるであやすようにそう言われてあっという間に裸にされてしまうと、恭平が目を細めて甘い声でイヤらしい匂いがすると低く囁く。自分が独りの時に何をしたかを見透かされたみたいで、思わず仁聖が真っ赤になったのに恭平は妖艶に微笑む。
「なんだ…一人でしたのか?全く……我慢できないんだな?」
「だ、だって……。」
「だってじゃないだろ?……ごめんなさいは?」
何でこんなことになってンの?思わずそう言いたくなる。酔ってるのはわかるけど、こんな風に意地悪しながらイヤらしい恭平は初めて見た。不意に仁聖をグイとベットに押し倒すと、恭平は冷ややかな瞳で腰の上に跨がる。
「……ごめんなさいは?仁聖。」
「な、何で?!」
「一人だけ、先にいい気持ちになって、狡い。」
ええ?!なにそれ!と、思わず声を上げる仁聖の目の前で、恭平は無造作に残っていた下半身を脱ぎ捨てた。ふと辺りを見渡した恭平は何かを思い付いたように、動くなよ?と囁いて艶やかに微笑みながら立ち上がる。スルリと音もなく再び戻ってきた恭平が、今度は胸元に反対向きに仁聖の体に跨がったかと思うとスッと顔を下げた。唐突に熱くて滑る感触に包まれて、仁聖は思わず呻きながら腰を震わせる。チュプヌプという寝室に響く淫らな音に、恭平が仁聖に背を向けて口淫を始めたのに気がつく。
「んっ!あっあ!」
「やらしい………、味……する、な……。」
「んんっ!あっ!きょうへ…っ、あっ!」
そんなことを言う?!どうせなら見えるようにやって!そういいたいのに、恭平の愛撫が気持ち良すぎて直ぐに達してしまいそうになる。自分からは見えないのに完全に怒張してしまったのが、恭平の動きで分かってしまう。ヒクヒクと先から先走りの汁を滴らせる仁聖の逸物に、口を離した恭平のしなやかな指が絡む。ああ口と手でいかされちゃうと思った瞬間、突然怒張の根本が何かでギュッとキツく締めあげられた。塞き止められる快感の衝撃に、仁聖は何が起きたのかと声を上げる。
「ええ?!何っ?!恭平?!何やってんの?!」
「ん、やらしい……仁聖の。」
腰を上げた恭平が何時になく妖艶に微笑みながら、仁聖の怒張の先を掌で撫で回す。目の前の自分の怒張の根本にはリボンが食い込むように結びつけられていて、仁聖は唖然としながらそれを見つめた。
何この状況?
産まれて初めての状況にポカーンとしてしまう仁聖を、微笑んだ恭平が嬉しそうにヨシヨシとまた頭を撫でる。
「あ、あの、恭平?根本……。」
「今夜はごめんなさいって言うまで……許さないからな?」
勿論、髪を切って容姿が大きく変わったのは大きい。元々整った綺麗な顔をしているのに、恭平は長くした黒髪で顔を隠すようにしていた。艶やかな黒髪は顔を覆い表情は憂いて、どちらかと言えば少し俯きがちな印象だ。ところが、短髪に変わったことで覆われていた顔は、全て表に出されるようになった。綺麗な顎のラインも、襟元に続くしなやかな首も、柔らかに微笑む目元も顕。そして、彼自身が人に対しての表情や対応が柔らかくなったから、高々マンションのゴミ捨てに行くだけで近所の女性から挨拶をされるようになっているらしい。
しかも、元々対外的には社交的とは言えなかった恭平。友人との付き合いも少なかった筈なのに、目下急な呼び出しで飲みに出ているのだ。仁聖にはちゃんと誰と飲んでいるかは教えてくれているのだが、幼馴染みの村瀬篠だけかと思えば。なんと、今日は高校時代の先輩も一緒にいるという。
ええ?!高校の先輩って誰?!
今までそんな人物の存在は恭平から聞いたことがないし、恭平がそういう風に飲みに誘われる関係の先輩がいるなんて知らなかった。
先輩ってことは男だよな?女の先輩ならそういうだろうし。
ムゥッと腕を組んでスマホを眺めながら仁聖は、暫し真剣な顔で考え込む。まあ、どんなにカッコよく色っぽい恭平とはいえ呑んで襲われたとしても、恭平なら相手を投げ飛ばす位は容易い。ただ酔った恭平は、普段より格段に人に甘えるから正直心配なのだ。
榊恭平は、仁聖と同じ都立第三高校の卒業生。
先輩ということは恭平は今二十六歳だから、二十七か二十八歳。その年頃のOBもしくはOGの知り合いは、自分に居ただろうか。バスケ部のコーチは確かOBだった筈だが、歳は何歳だっただろう。というか、ちょっと待て、自分。もしOBを捕まえたからと言って、今恭平と仲良く呑んでいるのが誰か分かるわけでもない。もし乱入したとしても、まだ呑めない自分は恭平の邪魔になってしまう。
何でかなぁ、カッコよくなった途端に、こんなに対外的になるなんて。
勿論気になるところではあるが、それを考えると少し別なことにも気がついて体が疼くような気分。
最近の恭平は、凄く感じやすい。
気のせいかとも思っていたけど、初めての時に比べると格段に感じやすくなったんじゃないかと思う。特に肌を薔薇色にして感じ始めると、全身から他とは比較のしようがないとんでもない色気が駄々漏れだ。最近は普段にしている時だって、何気ない指先や腰つきの仕草に漂う色気がある。しかも、次第に仁聖に貫かれて前立腺を擦られ達してしまうようになってからというもの、その色気は破壊力抜群なのだ。
射精する姿がとんでもなくエロいって、ヤバイでしょ。
その上その後扇情的に肌を汗ばませながら、何度も射精もなく昇り詰めて全身を痙攣させてしまうのだ。勿論後孔だけだなく可愛らしい桜色の乳首ですら、仁聖が軽く摘まんだり舐めたりすると切ない声を上げるようになりつつあるような気がする。
……エロすぎ……、思い出すだけで…いけちゃいそう。
あの甘い声で切れ切れに懇願しながら、喘ぐなんて反則にも程がある。ドライオーガズムというやつがどんな感覚のものかは仁聖も正確には知らないが、女性の絶頂にも似た矢継ぎ早に昇り詰めて泣く声は最高にエロい。
ああ、この間のも最高によかった……
色々理由があったとはいえ、先日は口淫を自らたっぷりとしてくれた。仁聖のものを喉の方まで必死に飲み込んでの、恭平の切なげに潤んだ瞳。
しかも、その後には仁聖が強請った通りに、全裸で跨がって淫らなオナニーまでして見せてくれたのだ。
あれ、………凄い……エロかった……。
全裸になって仁聖の胸元を跨ぎ、そそりたつ艶かしい肉棒の先端を片手で撫でながら自らの乳首を摘まむ。その後は両方の桜色の乳首を両手で弄くりながら、すっかり立ち上がった怒張を前に突きだして……
可愛く喘ぎながら乳首で感じて腰を揺らすなんて、俺の恭平……最高……
あの姿を頭の中で思い浮かべると、自分の肉棒が独りでに下着の中であっという間に硬く怒張する。しかも、あの後の恭平は前代未聞の衝撃のエロさだった。仁聖に言われるままに仁聖の顔を跨いで、恭平は後孔を自分の指でユルユルと解し後孔で自慰をしたのだ。
突き出された柔らかそうな白い尻の合間に咥えこまれた細い指と、ヒクヒクと滴を滲ませ跳ねる怒張。快感にヒクツキ持ち上がる陰嚢に、仁聖の視線で羞恥心に悶える恭平の可愛い喘ぎ。ヌプヌプとゆっくり出し入れされる指を、ヒクツキながら食い締めるホンノリと熟れた後孔。それを見た瞬間一気に自分の逸物が怒張して、ズボンの前がキツくて痛いほどだった。その恥態を息を荒げ見つめながら、イソイソと怒張を取り出したのはここだけの話。
もうその後は我慢のしようがなく、舐めていかせて、一気に貫いた訳で。あの光景を思い出しただけで、仁聖の肉棒もガチガチに反り返り先走りの汁が溢れる。下着の中から取り出した赤く脈打つ凶器じみた怒張を手で握り、緩やかに上下に動かす。
「ああ…もう、恭平が、あんな……エロいことするから……。」
そんな風に呟いて、あの時の姿を頭の中で繰り返し思い浮かべる。グチグチと激しく扱きたてながら、仁聖の頭の中はネットリたっぷりの愛しい人の口淫ご奉仕を浮かべた。奥深くまで肉棒を口で包み込み、内側で舌を絡ませ吸いたてながら頭を上下に動かす。同じに自分の目の前で、自分の指を後孔に咥えこみ撓る細い腰を思い浮かべる。指を出し入れさせながら、腰を突きだしガクガクと震えながら絶頂に射精する恭平の姿。考えるだけで背筋がゾクゾクするような快感に、腰が溶けそうな感覚が生まれる。
怒張を突きこむ恭平の体内が以前に比べて、凄くうねって仁聖を引き込むように絡み付くようになった気がする。しかも、擦られる快感に恭平が背を撓らせ仰け反ると、押し付けられた後孔は仁聖を更に深く奥まで呑み込んでしまう。それが深く奥を抉りこむ感触に震える恭平は、堪らなく官能的でエロい。そうなると恭平は絶頂から戻れなくなって頭を振りながら、甘く仁聖に懇願の声を溢すのだ。
お願いもう、だめ、苦しい…も、ゆるして
そんなことを絶頂に怒張を締めあげる後孔をジックリ味わいながら、ヒクヒクする内部の痙攣を直に感じウットリと聞く淫らな行為。射精もなく透明な蜜を先端から溢れさせ、悲鳴に似た声で何度も絶頂を訴える切れ切れの吐息。
「ああ、ダメ、いくっ……うっ!」
意図も容易く頭の中の記憶を辿る自慰で、勢いよくドプンッと白濁を手の中に吐き出した。精液を拭いながら、それでも頭の中は恭平の事ばかりで埋まっていて堪らない。勿論恭平の生活も交流も存在してるのはよく理解しているのに、それでも自分を特別に扱ってほしくて仕方がない自分。綺麗で可愛くて格好いい仁聖の大切な伴侶。
早く帰ってきて欲しいし、自分の傍にいて欲しい。
※※※
恭平からの連絡は、悪いけど迎えに来てくれないかというものだった。村瀬篠が半分つぶれていてということだったけど、街中で何処かで見たことのある長身の黒髪の青年と楽しそうに話している姿。
その人誰?!
思わず街中でそう口にしそうになる自分。仁聖より少し背が高く体つきはしなやか、それに自分にはない余裕すら感じる大人の微笑み。その人物に向かって微笑みを浮かべて話している恭平は、普段より何故か幼いようにも見える。
それ、甘えてるの?あの人に?
ジリジリと胸の中がざわめいて、苛立ちが膨れ上がるのが分かった。醜い嫉妬だとわかっているのに、綺麗で柔らかい甘え顔を他人に向けないでと叫びたくなる。唐突に相手の男性が何か言いながら手を伸ばし、そっと恭平の左の手に触れたのに頭が煮えるような気がした。離れていくその男性の背中を見送る恭平の姿に、包み隠した苛立ちは限界に差し掛かっている。
「恭平!」
自分の声に恭平が振り返り、嬉しそうな柔らかい微笑みを浮かべる。なのに心の中の煮えたぎる苛立ちは、正直その笑顔だけでは消えそうもない。
連れ帰った潰れた村瀬篠を自分の部屋のベットに押し込んで、リビングに戻った仁聖は寝室に姿を消した恭平を無意識に探す自分に気がつく。苛立ちはまだ胸の奥で煮えるようで、唇を噛みながら寝室と扉を開いた。
「仁聖、悪かった。でも、迎えに来てくれて助かった。」
上半身を曝した恭平が甘い微笑みで振り返り、そう口にするのに仁聖は後ろ手に扉を閉じると鍵をかける。その音に少し恭平が驚いた顔をするのに、仁聖は無言のまま歩み寄った。背中から腕を回した仁聖を、恭平は仄かに酔いの回った体で感じとる。
「恭平……。」
以前に吐き気を催すほど抱き締められたことがあったのを思い出しながら、苦笑いを浮かべた恭平がポンとその肩に押し付けられた頭を撫でた。
「どうした?拗ねてるのか?一緒に行きたかった?」
「あの人誰…?」
小さな問いかけにああと納得したように、恭平は少し笑いながら何処から見てた?と問いかける。素直に仁聖が二人で話していたのを見たと呟くのに、なんだと呟いた恭平が笑う。
「何で笑うの?」
「お前が五分前に到着したら、俺も篠の二の舞だった。」
どういう意味?と仁聖が不振そうに問いかけると、恭平がクルリと身を回してベットに腰かける。腕の中から逃げてしまった恭平に、シュンとする仁聖を見上げ恭平はおかしそうに笑いながら手を広げた。
「え……?」
「ほら、仁聖、おいで。」
恭平からニコニコしながら手を広げられて、躊躇いを浮かばせてオズオズと仁聖が近づく。何故か抱き締められ膝に座らされたかと思うと、恭平は迷いもせずに撫で撫でと子供のように仁聖の頭を撫で始める。
「酔ってる?」
「ん?可愛いなぁと思って。嫉妬して拗ねてる仁聖が、凄く可愛い。」
絶対酔ってると呟く仁聖に、恭平が先輩は三人だったんだけどなぁと笑う。その内一人と話してるところしか見ていないんだろ?と呑気に言う恭平に、そういう意味じゃないと仁聖が不貞腐れる。あんな自分よりずっと大人の格好いい人と恭平が仲良さそうに話していたのが、凄く嫌なんだって思うのに恭平はそれには気がつきもしない。
「それにしてもお前、五分前についてたら、土志田先輩に説教されたぞ?夜間に出歩いてるって。」
「トッシー?」
土志田。クスクスと笑う恭平の口から、急に何でここで出て来るのが生徒指導の体育教師の名前?と仁聖は一瞬呆気にとられる。その顔に恭平は尚更おかしそうに笑いながら、仁聖の頭を再び撫でた。
「まさか、土志田先輩が教師だなんてな?宮井先輩なら…まあ、想像できるかもしれないけどなぁ。」
「せ、んぱいってトッシー?あの話してた人は?」
「あの人は、信哉さんだ。三人組の一人だよ。」
酔っているせいか話が少しとりとめがないが、今日一緒に呑んでいたのは仁聖の学校の教師の土志田悌順を含めた三人の先輩ってこと?っていうか土志田って恭平の先輩なの?もっとオッサンじゃないの?等と大概失礼な事を言う仁聖に、恭平はクスクスと笑い続けている。
「土志田先輩の説教凄かった。篠が全然言い返せないんだ。」
「篠さんが説教………もしかして、真希の事?」
不意に仁聖の言葉に少し恭平が拗ねた顔になるのに、仁聖は驚いて目を丸くする。どうも仁聖が思っている以上に、恭平は完全に酔っていたのに今更気がついたのだ。苦いアルコールの味が微かにする唇が唐突に、仁聖の唇を奪うとヌルリと舌が絡まってくる。
「んん、ん…。」
口の中を恭平の舌で丹念に舐め回されて、仁聖は眉をしかめて一気に熱が集まってしまう股間に頬を染めた。何で恭平が拗ねた顔をするのか、今の話の流れからでは全く掴めない。そう思っている最中、撫でるように仁聖の股間を指が探る。
「んんっんうっ!」
「ふふ、やらしいな、キスだけでこんなにして。」
酔いに少し意地悪く恭平の声が甘く耳に吐息と共に囁きかけ、膝を跨いだままの仁聖のズボンの前を寛げていく。チュと喉元に口づけながら恭平に服を脱がされるのに、まるで自分が酒を飲まされて酔った気分がする。
「きょ……へぇ……っ?」
「いい子だから、おとなしくな?」
まるであやすようにそう言われてあっという間に裸にされてしまうと、恭平が目を細めて甘い声でイヤらしい匂いがすると低く囁く。自分が独りの時に何をしたかを見透かされたみたいで、思わず仁聖が真っ赤になったのに恭平は妖艶に微笑む。
「なんだ…一人でしたのか?全く……我慢できないんだな?」
「だ、だって……。」
「だってじゃないだろ?……ごめんなさいは?」
何でこんなことになってンの?思わずそう言いたくなる。酔ってるのはわかるけど、こんな風に意地悪しながらイヤらしい恭平は初めて見た。不意に仁聖をグイとベットに押し倒すと、恭平は冷ややかな瞳で腰の上に跨がる。
「……ごめんなさいは?仁聖。」
「な、何で?!」
「一人だけ、先にいい気持ちになって、狡い。」
ええ?!なにそれ!と、思わず声を上げる仁聖の目の前で、恭平は無造作に残っていた下半身を脱ぎ捨てた。ふと辺りを見渡した恭平は何かを思い付いたように、動くなよ?と囁いて艶やかに微笑みながら立ち上がる。スルリと音もなく再び戻ってきた恭平が、今度は胸元に反対向きに仁聖の体に跨がったかと思うとスッと顔を下げた。唐突に熱くて滑る感触に包まれて、仁聖は思わず呻きながら腰を震わせる。チュプヌプという寝室に響く淫らな音に、恭平が仁聖に背を向けて口淫を始めたのに気がつく。
「んっ!あっあ!」
「やらしい………、味……する、な……。」
「んんっ!あっ!きょうへ…っ、あっ!」
そんなことを言う?!どうせなら見えるようにやって!そういいたいのに、恭平の愛撫が気持ち良すぎて直ぐに達してしまいそうになる。自分からは見えないのに完全に怒張してしまったのが、恭平の動きで分かってしまう。ヒクヒクと先から先走りの汁を滴らせる仁聖の逸物に、口を離した恭平のしなやかな指が絡む。ああ口と手でいかされちゃうと思った瞬間、突然怒張の根本が何かでギュッとキツく締めあげられた。塞き止められる快感の衝撃に、仁聖は何が起きたのかと声を上げる。
「ええ?!何っ?!恭平?!何やってんの?!」
「ん、やらしい……仁聖の。」
腰を上げた恭平が何時になく妖艶に微笑みながら、仁聖の怒張の先を掌で撫で回す。目の前の自分の怒張の根本にはリボンが食い込むように結びつけられていて、仁聖は唖然としながらそれを見つめた。
何この状況?
産まれて初めての状況にポカーンとしてしまう仁聖を、微笑んだ恭平が嬉しそうにヨシヨシとまた頭を撫でる。
「あ、あの、恭平?根本……。」
「今夜はごめんなさいって言うまで……許さないからな?」
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「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
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