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おまけ

最高の展開【ルイ】

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 こ、こここ……ここ……こ……こーけこっこー!!
 じゃなくて! お、オレ様……落ち着け……

 今は夜中。
 それで今の状況は……暗い部屋で……オレ様のベッドにドロシーが寝てて……

 て、なんでドロシーが寝てんだよ!?

 なにこれ? 幻覚? 夢? 夢なら覚めんなゴラァ。

 見た感じ酒でも飲んだのか至る所に酒瓶が転がってる。
 こいつ、酔っ払ってんのか?
 あ、ちなみに言うとこの部屋にいんのはドロシーとオレ様以外にウィルとリアムも床に転がってる。
 おおかた人様の部屋で酒でも飲んでたんだろう。

 ウィルとリアムは酒弱いから禁止されてるしな……人の部屋勝手に使うなよ……

 でも、これはこれで状況が良すぎて引くわ。

 オレ様はドロシーの寝てるベッドの所に腰をかけた。ギシッと軋む音が響きドロシーがこちらを向くようにコロンと寝返りをうち、オレ様が前髪に触れると「んー」と嫌そうに唸った。

 んああああ!! クソかわいい!!

 自分でやっといて悶絶しかけたが、これはチャンスかもしれない。
 いつもならうるさい執事と邪魔な愚弟が居るが、執事はいないし愚弟も寝ている。
 それに、ドロシーも無防備だ。

 ちょ……ちょっとだけ……ちょっとだけなら……

 恐る恐る人差し指でドロシーの唇に触れた。

 ふにっとして柔らかく、妙な興奮が湧いてくる。それに加えてドロシーの着崩したワイシャツから鎖骨が見え更に興奮が掻き立てられる。

 うわ……エロッ……

 そう思うが早いか半ば無意識にドロシーに顔を近づけていた。唇があともう少しで触れそうになる。

 その時ーー。

「んぅ……」

 ドロシーがおもむろに目を開き眠そうに擦った。

 や、やべ起きたっ!

 オレ様は素早くドロシーから離れたが早くなった胸の鼓動は収まらない。
 それと同時に自分のやろうとしてたことに対しての気持ち悪さが精神を襲う。

 絶対気持ち悪がられた! 絶対バレた! 死にたい!

 焦りからドロシーの方を見れないでいると、腕に何かが絡まった。
 反射的にそっちを見るとドロシーがオレ様の腕に引っ付いている。

「ルイしゃまぁ。僕に何やろうとしてたんれすかぁ……?」

 相当酔っ払ってるのか呂律が回っていない。
 こいつ酔うとウザ絡みしてくるタイプなのか?

「べ、別になんもやろうとしてねぇよ」

「ふーん」


 オレ様が素っ気なく返すとドロシーにしては珍しくオレ様と同じくらい素っ気ない相槌を打った。

「僕になにもしてないのか……」

「あ?」
 
 ドロシーがポツリと呟いたかと思ったら腕をぐいっと引ぱられベッドに押し倒された。

 いっ……たくはないけど……こいつ酔っ払いすぎだろ……

 オレ様の上にドロシーが馬乗りになって顔を近づけてくる。さっきオレ様がドロシーに近づいた距離と同じくらい近い。

「ほんとーは、こういうこと期待ひてたんれそぉ?」

 たどたどしい口調に可愛いらしさを感じさせながらも妖艶な笑みに色気を感じさせるドロシーに頭がパンクしそうだ。

 ドロシーはオレ様の両頬に手を添え舌なめずりした。

「ルイしゃま……お顔真っ赤……かんわいい……」

「あ、う……も……もう、無理……」

 ついに頭がパンクし、オレ様はそのまま意識を失った。



 ☆☆


「ーーていう夢を見たんだけど、最高すぎねぇか?」

 オレ様が目の前にいるウィルに夢のことをこと細かく説明すると汚らわしいものでも見るような目で見られた。

「ルイ兄さん……気持ち悪いですよ……? 僕だったら夢の中でなら20回はドロシー様抱いてますし」

「お前、それブーメランだと思わねぇの?」

 オレ様もウィルを真似て目を細めると、逆にウィルは爽やかな笑顔になった。

「婚約者だからいいんです。それじゃ、本物のドロシー様の所に行ってきますね」

「まじ? オレ様も行く!」

「来ないでください。ぶちのめしますよ」
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