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22【クレア目線】

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 ーー時を戻して、ドロシーが誘拐され目覚める少し前。


「クレア様! ご協力願います!」

 扉が壊れるんじゃないかってくらいノックされたかと思ったら怒涛の勢いでアレンとウィル様とリアムが押しかけてきた。
 このメンツとアレンの焦り具合からして何となく用事は察しがつく。
 ていうか、扉のノックしてた部分へこんでるんだけど。この扉割と硬いのに。キモっ。怖っ。
「まぁ、とりあえず入って」

 ボクは特に内容を聞かずに中に招き入れた。

 ボクの自室に通し、パソコンを起動させる。
「クレア様、何をやっているのですか? というか、それなんですか?」
 不安げにウィル様が聞いてくる。
 そして、アレンがパソコンの中身を覗き込んできた。
「細かいことは気にしないで下さい。今はドロシーの位置情報を調べてるところです。誘拐されたんですよね?」
「な、なんでそれを!? まさか、クレア様もマルコおじさんから心を読める能力を……!?」
 ウィル様が訳の分からないことを言ってるからスルーしといて、調べることに専念した。
 このボクにかかればパソコンを使うことなんておちゃのこさいさい。ドロシーのGPSさえ生きててくれればどうにでもなる。
 数分パソコンをカチャカチャと打ち、地図上にピコンと軽快な音を立てて赤い印が出てきた。
「あ、あった! ありました!」
 ボクが声を上げると、3人が一斉に画面に押し寄せてきた。
 これを見る限りだと、ドロシーはリベラ家のすぐ近く。でも、そこは暗い森。お化けが苦手で怖がりのドロシーがずっといられるような場所ではない。
 ……バレたか……?

 だけど、3人はその事には気づいてないらしく、喜びに顔を輝かせている。
 ここでこの事を言ってめちゃくちゃ落ち込まれたらどうしよ…………まぁ、この人達はいってどうにかなる人じゃないし、とりあえずそこを探してみるのも手だね。
 ボクは光並みに早く思考を働かせ、すぐにそう決断した。

「それじゃあ、一刻も早くドロシーくんの所に行かないと~」
「そうですね。クレア様、馬車をお借りできませんか?」
「い、いいですけど……今日はで出かける予定がなかったので御者はいませんけど……」
 喜びに満ち溢れていたウィル様とアレンの顔が徐々に目と口が開かれていく。
 わかりやすく絶望的な顔になったね! この人たち!
 でも、どうしよう。御者がいないとこの家の癖が強い馬車扱えないからなぁ……

「ーーふぉっふぉっふぉっ。お困りのようですね」

 謎の笑い声が窓の外から聞こえ、ウィル様とアレンは救世主が来たかのような目でそちらを向いた。
 ボクが窓を開けると、そこにはマルコ爺さんがいた。
「ワシに任せんしゃい」
「「マルコじいさーん!!」」
 ウィル様とアレンはまるで長年生き別れだった父親と会ったかのような勢いでマルコ爺さん飛びついた。
 いや、いい感じな雰囲気の中申し訳ないけどマルコ爺さんボクの家の馬車運転できるのかな?
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