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早苗が言った通り、部屋では義兄の真雄がこたつに入ってのんびりとテレビを見ていた。
「おや、稚菜ちゃんお帰り。今日は随分と早いんだね」
「ただいま~、まさお義兄さん。今日はね、テストが終わってすぐ帰ってきたから早いんだ」
「そうかい。じゃあ、おやつでも食べなよ」
「うん、それよりね……このあと由紀ちゃんと一緒に街へ出かけるんだ。それでね、まさお義兄さんにちょっとお願いがあるんだけど」
「なんだい~? また、お小遣いを融通してくれって言うんじゃないだろうねぇ……?」
「うふふ、当たり!」
「今月に入って3度目じゃないか、勘弁してくれよ~。なんなら、早苗に頼んでみたらどうだい?」
「ダ~メ! さっき玄関で会ったときに頼んだら、まさお義兄さんに聞いてみたらって言われたんだもん!」
「困ったなぁ~、僕も稚菜ちゃんと同じさ。もうあんまり持ち合わせがないんだよ」
「まさお義兄さんたら、大人なのに」
「大人でも、どうにもならないことがあってね……」
真雄はこの話はもうお終い、とでも言うように両手をコタツの中に突っ込み、背中を丸めてまたテレビの方に向き直った。しかし稚菜も由紀の手前、そうやすやすと引き下がるわけにはいかない。
「おや、稚菜ちゃんお帰り。今日は随分と早いんだね」
「ただいま~、まさお義兄さん。今日はね、テストが終わってすぐ帰ってきたから早いんだ」
「そうかい。じゃあ、おやつでも食べなよ」
「うん、それよりね……このあと由紀ちゃんと一緒に街へ出かけるんだ。それでね、まさお義兄さんにちょっとお願いがあるんだけど」
「なんだい~? また、お小遣いを融通してくれって言うんじゃないだろうねぇ……?」
「うふふ、当たり!」
「今月に入って3度目じゃないか、勘弁してくれよ~。なんなら、早苗に頼んでみたらどうだい?」
「ダ~メ! さっき玄関で会ったときに頼んだら、まさお義兄さんに聞いてみたらって言われたんだもん!」
「困ったなぁ~、僕も稚菜ちゃんと同じさ。もうあんまり持ち合わせがないんだよ」
「まさお義兄さんたら、大人なのに」
「大人でも、どうにもならないことがあってね……」
真雄はこの話はもうお終い、とでも言うように両手をコタツの中に突っ込み、背中を丸めてまたテレビの方に向き直った。しかし稚菜も由紀の手前、そうやすやすと引き下がるわけにはいかない。
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