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カラリとした風が心地よい10月下旬。
杜野 稚菜(14)と草壁 由紀(14)は、中学校からの帰り道、おしゃべりに花を咲かせながら開放感を味わっていた。
稚菜は両手を勢いよく振り上げ、大きく伸びをする。
「あぁ~、やっと中間テスト終わったねぇ。ほんっと、のびのびするよ」
「うん、この開放感たまんないね」
由紀も稚菜の真似をして、両腕を空に突き上げる。
「ねぇねぇ、由紀ちゃん、今日は時間もあるし、これから街に遊びに行かない?」
「あっ、いいねぇ。久しぶりに、コッコ街のチュロス食べたいかも」
「じゃあ、駅に行く前に家に寄って、お財布取って来なきゃ」
「そうだね、稚菜ちゃん家に行ったあと、あたしも一度家に帰るよ」
「うん、わかった」
ふたりは取り留めのないことをペチャクチャと話しながら、稚菜の家に向かって歩いて行った。が、ふと稚菜が思い出したように言い出す。
「そうだ……今月はもう、あんまりお小遣い残ってないんだった……!」
「じゃあ、どうするの?」
「んー…家に帰ったら、とりあえずお姉ちゃんに頼んでみるよ」
「そう言えば稚菜ちゃん家って、お姉さん達も一緒に暮らしてるから、こういうとき助かるよね」
「そうでもないよ。お姉ちゃんはわりと締まり屋だから、余分なお小遣いなんてなかなかくれないもん」
「ふ~ん、そうなんだ」
「あ、でも……まさお義兄さんだったらけっこう甘いかな? お願いしたらくれるかもしれないけど、平日の昼間は仕事で家にいないしなぁ~…」
杜野 稚菜(14)と草壁 由紀(14)は、中学校からの帰り道、おしゃべりに花を咲かせながら開放感を味わっていた。
稚菜は両手を勢いよく振り上げ、大きく伸びをする。
「あぁ~、やっと中間テスト終わったねぇ。ほんっと、のびのびするよ」
「うん、この開放感たまんないね」
由紀も稚菜の真似をして、両腕を空に突き上げる。
「ねぇねぇ、由紀ちゃん、今日は時間もあるし、これから街に遊びに行かない?」
「あっ、いいねぇ。久しぶりに、コッコ街のチュロス食べたいかも」
「じゃあ、駅に行く前に家に寄って、お財布取って来なきゃ」
「そうだね、稚菜ちゃん家に行ったあと、あたしも一度家に帰るよ」
「うん、わかった」
ふたりは取り留めのないことをペチャクチャと話しながら、稚菜の家に向かって歩いて行った。が、ふと稚菜が思い出したように言い出す。
「そうだ……今月はもう、あんまりお小遣い残ってないんだった……!」
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「そうでもないよ。お姉ちゃんはわりと締まり屋だから、余分なお小遣いなんてなかなかくれないもん」
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