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第一章
第十話 悪魔に裁きを
しおりを挟む目が覚めると隣にはミューエの顔が近くあった、呼吸はしっかりとしてくれている
「あ‥おはようなのかな?」
「ああ、よく眠れたか?」
眠った事で痛みが引いたのか声に少しだけ元気を感じる、良かった傷はまだ痛々しいがこのまま元気になってくれれば‥
「やっぱり夢じゃないよね‥どうしてこうなっちゃったのかな」
その問いに俺は答える事が出来ない、何故ならそれは全部俺のせいだからだ。悪魔憑きの俺がこの村に来たから襲われて、ミューエも酷い拷問を受けて‥
「倉庫を壊して出られないかな、カインは魔力回復してるでしょ?」
「‥すまん、全然回復してないんだ。あの戦いでは"そんなに魔力を使ってない筈なのに"」
「え?火柱を沢山出したり、炎剣作ったりしてたじゃない」
「なんの事だ?」
カインのその反応は本当に知らない様子だった、しかしミューエは怪我人を探しながらその戦いを見ていた。勇者の護衛騎士団を次々に燃やす所も、勇者を圧倒している所も彼女は見ていたのだ
「その冗談面白くないよ?」
「冗談なんて言ってない、本当に知らないんだよ‥戦ってる最中で3年前にあった男の騎士にあってから記憶がないんだ、俺はてっきりあのあとすぐにやられて閉じ込められているとばかり‥」
『どうゆう事なの?カインの身に何が?』
ミューエは考え込んでしまう、俺もそれを見て先程の話が嘘ではない事に気付き黙る。しばしの沈黙のあとお互いが「「ねぇ、おい」」と言った瞬間
扉大きく開かれる、そこにいたのは騎士リージェだった
「貴様!!」
俺が立ち上がろうとすると弓が飛んでくる、これは‥狩用の弓?俺がそう思い前を向くと村に住んでいる狩人達が俺達に弓を向けていた
「な、どうして‥!」
「黙れ!!この悪魔憑き!!」
そう言った狩人はまた俺に向かって矢を放つが俺の頬を掠めるだけだった、俺の頬から血が垂れる‥どうしてなんだ?どうして‥
「愚かなだな、悪魔憑き。ここには貴様に感謝している者など誰もおらんぞ」
そう言ってリージェは俺に剣を向け
「貴様はここで殺す、我が国の王バウル様の命令だ」
その言葉と共に村人達が一斉に矢を構えるが誰一人として放たない
「‥人の形をしているがあれは化け物だ諸君、殺したとて罪にはならん」
「‥‥いや、"化け物"はどうでも良いんですよただミューエの嬢ちゃんだけ助けてやれませんかね?」
‥化け物?俺が化け物?あぁやっぱり俺は
「ど、どうしてそんな事言うの!!その人達は私達を傷つけたんだよ?沢山の人を殺したんだよ?!」
「ミューエちゃん!騙されるな!そいつがいなければオイラ達はこんな目に合わなかったんだ!」
やめてくれ、どうして‥
「ふむ、どうやら彼女は悪魔憑きに"洗脳"されているのだな」
「せ、洗脳って!!俺は‥俺はなんて酷い事を!!」
大男が涙をポロポロ流すがリージェはそんな彼に
「君もあの悪魔憑きに洗脳されていたんだ、無理もない」
と優しく語りかける
「違う!!俺は、俺はそんな事!!」
違う!そんな事した覚えはない!!どうして、どうして何だよ!!
「黙れ!!!さあ、村人達よあの彼女を救ってやってくれ」
俺に弓や農具を構えながら倉庫の中に入りミューエを連れ出そうとする
「お願い!!彼を信じて!そんな事するような人じゃ!いや!離して!!」
「大人しくしてくれミューエちゃん村の皆んなは分かってるから、な?」
「ミューエ!!」
俺が手を伸ばした瞬間俺の腕に矢が刺さる鋭く尖った矢先が俺の手のひらを貫く
「ぐ、ぐぅぅぅぅぅ‥!!」
「カイン!!」
カインはあまりの痛さに膝ついて手のひらに刺さった矢を引き抜く
「いやぁ!離して!!カイン!!カイン!!」
「駄目だってミューエちゃん!!化け物の血に触ったら信じまうよ!!」
俺は痛みを抑えて立ち上がるが両足に矢が放たれて、頭からスコップで叩きつけられる
「し、死んだ?」
「ぁ、ぁぐ‥ぁ」
「カイン!!止めて離して!!カイン!!」
アタマガジクジクスルイキヲウマクスエナイ、アレ‥オレドウナッテルンダロウ
「何するつもり?!━━━━━━したら本当に死んじゃう!!━━起きて!逃げてぇぇぇぇ!!」
ムラビトガナイフトカハモノヲタクサンモッテチカヨッテクル‥オレナニサレルン
次の瞬間彼の右腕は斧で切り落とされた
「??あ、ああああああ!!!腕がぁ!!腕、腕がぁ!!あ、グゥゥゥゥゥ‥!!!」
「は、ハハやった!!化け物の腕切り落としたぞ皆んな!!」
「イヤァァァァァァァァァァ!カイン!!どうしてよ!何で!こんな酷い事!!離して!離せ!!この!!」
ミューエが暴れ始めるとリージェは村人達に
「洗脳が解けそうになっているんだ!!そのまま四肢を切り落とせ!!!」
と指示を出したのを聞いたミューエは
「ふざけないで!!!洗脳なんかされてない!!皆んな止めてお願い!!お願いだから!!!やめてぇぇぇぇ!!!」
彼女の抵抗虚しく次はカインの左腕を斧で切り落とす
「ァァァァァァァァ!!!!ぐっうううううう‥‥!!」
「効いてるぞ!!そのまま続けろ!!」
カインを痛みつけ喜ぶ者達、泣き叫ぶ者、恍惚な顔をする者様々な表情を見せている
「ァァァァ!!カイ‥ン?お願い‥もう止めて‥何でもするから!私はどうなってもいい!!だからお願い彼をこれ以上!!!」
彼女の叫びを聞いてリージェは彼女の耳元で
「だーめ、折角面白くなって来たのに止めるなんてありえないでしょ?五月蝿い子猫ちゃんはこうだぞ?」
そう言って彼女に催眠の魔術をかけ、彼女はそのまま眠ってしまう。彼女が眠った事を確認したリージェは村人達に
「皆のもの聞け!!この者の洗脳は解かれた!!今だ!!首をおと
「させるわけないだろうが、痴れ者め」
次の瞬間リージェの右腕が風船のようにパァンと音を立てて弾け飛ぶ、彼女の足元にはボトボトと血溜まりが出来ていた
「は?」
そう言って彼女は倒れてビクビクと痙攣し始める、それを見て村人達は声の方を見る。そこには茶色と白の着物を着ており鉄扇で顔を扇ぐ商人娯楽が冷めたような目で見ていた
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