膵癌闘病短歌集 「サブスクを止める」

２の六、～８/３

　そして癌と共に生きる日常は続く。国立博物館に神護寺展を観に行ったり、北斎美術館に行ったり、とにかく猛暑の中でも出かける。抗癌剤も続く。
　２週間の内、抗癌剤の強い影響下にあるのは３日～４日。そこから手足を振り回すように、回復を試みる。
　8/8からは、奥入瀬に2泊の旅行の予定。
　その先に、もう迎えることは無いと一度は思った、誕生日がやってくる。


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　人生の　残り時間が　２週ごと
　刻まれていく
　抗癌剤に

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　北斎が　描き続けた五十年
　波の力を　Tシャツで着る

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　曼荼羅の　小さき仏の　目尻にも
　描いた人の　祈りが籠る

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　神護寺に　溢れるほどの　仏たち
　曼荼羅世界を　招かんとする

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　遠くから　誰かに呼ばれ　振り向いて
　時空を超えて　会釈を交わす

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　誕生日ケーキの上に　メッセージ
　予約しておく　サバイブ、テツヤ