サブスクを止めるー闘病短歌

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十二、

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●重粒子線治療の為、毎日、東京から千葉へと通う日々。それが可能な体調と体力が今あることが不思議。そして無理だと思っていたクリスマスも、自宅でケーキまで食べて祝うことができる。
再発率や転移の確率はとても高く、完治した、生き延びたと言うことは難しい。それでも、希望を持たずにいることは難しい。重粒子治療は、まだまだ実績が少ない。それだけに、自分が生き延びる期間が長いほど、生存率の数字に寄与できる。生きるだけで、人を励ませるとは、何とお得なことか。そう思ってしまおう。そう思ってもっと生きたいと願ってしまおう。それが絶たれた時の痛みは大きくなるだろうけれど。



風に吹かれ 残照浴びて 木々と我
黄金きんと丹とに 命燃やして

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眠れない 夜にも夢は 訪れる
五年、十年、未来の姿

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繋がった 端からほつれ 綻びる
繕い続ける 命の絆

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クリスマス あなたと共に 迎えられる
これが奇蹟で 福音なのか

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生き延びる ことが誰かの 希望になる
ならば目指そう 2年、5年と

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朔風に 体を前に傾けて
黄泉平坂 踏み越えて 往け
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