サブスクを止めるー闘病短歌

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四、

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●抗癌剤は投薬後、数日は副作用で怠く、手足の痺れや息苦しさを感じるが、徐々に普段通りの生活ができそうな体調に戻る。揺り戻しで体調不良の日もあり、元気な日もあり。出来る限り、体力を戻そうと、歩くことを心掛ける。
休みの一日、息子がカーシェアで車を予約して、スカイツリーに連れて行ってくれる。子どもを育ててよかった、とつくづく感謝する。もちろん息子にも。そんな日々である。



副作用 感じぬ時は 穏やかに
ただやせすぎの  還暦の爺

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息切れし ふと目をやれば 曼殊沙華
被癌花かと  僻んで笑う

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氏神に 詣でて愚痴る 癌報告
帰って気づく  神無月かと

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蒼天に ひとすじ 軌跡 輝けり
あこがるるもの 空の子となる

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スカイツリー 東京まちを見下ろし
言っておく
別れを告げに 来たんじゃないぞ

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残暑でも 日の落ち方は 変わらない
ただ淡々と  暮れてゆく空


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