この願いは間違っていますか

クス

文字の大きさ
上 下
12 / 17

12

しおりを挟む

ガチャ。


ん?

俺、鍵開けっ放しだったか?



ドアに鍵がかかってないことを不信に思いながらも、部屋に入って瑞の居る部屋へと直行した。

「瑞。起きて、る、」

え?!!

居ない??!!

なっ、はっ?!
え?ドコ行ったんだっ!あの熱で!!

急いでスマホにかけてみたが繋がらねぇ、
ちっ!一体ドコに、
瑞が行きそうなトコ・・
「し、知らねぇ・・な」
後は
瑞の・・
「あ!静ってゆー女なら何か知ってるかもしんね、そいつ捜す方が早ぇな」
バイクのキーを取って部屋から出ると、すぐに駐輪場においてあるバイクにまたがり
再度、大学へとバイクを走らせた。



「あれ?奈津くん~~帰ったんじゃなかったの?」

サークルの女達か、丁度いい。

「なぁ、なんとか静ってゆう女知らねぇ?」
「あはは♪なにその、なんとか静って~~♪」
「なんとか静ちゃんはわかんないけどぉ、香桜静サンなら、さっき見かけたよ~」
「その人でいいの?」
「う、まぁいいだろ!」 いいのか??!!

「そいつドコに居る?」
「ランチルームだよ~」

は、ランチルームしか行くとこないのか、あの女っ!

「サンキュ。」
礼を言うと急いでランチルームへ向った。

「あ~奈津くん、涼香が用事あるってぇ~~」

そんな声が聞こえたけど、
今は、それどころじゃねんだよ、




バッ!


いきおいよくランチルームに入り、なんとか静てのを探した。


「きゃはははっ♪」

ん?
このバカ声・・

振り向くと、



「居た!なんとか静。」


俺が近づいていくと、向こうも俺に気付いて手をふってきた。

「お~~木崎奈津じゃ~~ん♪」

「・・余裕じゃねぇか。」

「は?なにが?」

「瑞が消えた。」

「はぁあ~~~???」

思いっきり驚いてる。て、
コトは知らないのか瑞の行き場所。


「ちょっ、瑞、熱あるんじゃないの~~??なんで、出したのよっつ!!」
そう言って、俺の胸倉を掴んできた!
「わっつ!!知るか!俺が講義受けて帰ってきたら居なかったんだよ!」
「なんで、講義なんか受けにきてんのよっ!バカ!」
「くっ!!」

こ、
この女っ!ちょー自己中―――!!!


「文句は後からにしてくれ!今は瑞のコト探してんだ!」

「あ!」

はぁ・・やっと、手を外してくれたか


「瑞んちかけてみる!」

なんとか静は、すぐにスマホを取り出し、瑞んちらしい番号に電話をかけ始めた。


~~♪~~♪~~♪



「あ!都さん?私、静だけど!うん、うん」

なにやらしゃべってる
どうやら、瑞んちの家族と話してるらしいな

ピッ。

お。終わった!

「どおだった?瑞居たのか?」

「うん♪家に居たって~~♪良かったぁ~~~」


は。

そっか・・

「はぁぁぁぁぁ~~~~~」

つい、俺まで安堵のため息が、

ん?
見ると、なんとか静が俺を見てニヤついてる。

「なに、その目ぇは。」

「ふふん♪別に~~、気にしないで♪」

き、  「気になんだろ!不気味すぎんぞ?」

「ぶ!不気味って失礼なヤツねぇ~~!!ただ、」

「ただ?」

「瑞、愛されてるなぁ~~と思ってさ♪彼カノでもないのに♪」

「うっ!///」

そ、

そうだ・・俺ら、付き合ってもいないんだった



「な!なんとか静!」

「なっ、なによっ!その呼び名!!私の名は香桜静よっ!!
別に、なんとかって付けなくても静だけでいいってーの!」

「あー、なるほど。
で!な、じゃなくて、静、」

「なによ!」

「瑞って、その

・・俺のコト、好きなのかな?」


俺のその言葉に、一瞬、ランチルーム内が静まった・・


「え・・?」



「木崎――、ちょーっと外でようか?」

顔を引きつらせた静が、指をあっちに向けそう言った。


??


「奈津!!」


「え?」
名前を呼ばれて振り向くと、そこには


「?涼香。」


なんか、キレイな顔がすっげー怖い顔になってる?


「なに今のセリフ!」


なんか変なコト言ったか?俺?


「奈津らしくない、なにソレ!」

「は?なんだよ、俺らしくないって、」


「木崎、木崎!外、外いこ。」

静が珍しく小さな声でそう言い、俺の腕を引っ張った。


「お、・・う」


「奈津!!」

叫ぶ涼香をおいて、俺と静はランチルームから出た。





「一体なんだよ、涼香のやつ。」

イラだった声を出してる俺に、静は

「木崎って、けっこー自分のコトわかってないよね。」

「は?」

「さっきのあの子の叫ぶキモチは、お姉さん、良~~くわかるよ♪」

なにがお姉さんだ、小うるさいババァの間違いじゃね?


「木崎。女相手にそんな弱気な発言したコトなんてないでしょ?」

――え!

あ、 
「・・あぁ。そう言われてみれば」


「誰だって驚くって!キャンパス一のイイ男+遊び人の言葉とは思えないーって♪」

「おいおい、なんなんだソレは!」

「自覚ないわけじゃないでしょ?」

んー、まぁ。
女には不自由したコトはねぇケド。

遊び人て、

ただ断るんメンドーだし、皆、可愛いかったし、
て、だけなんだけどな
まぁ。そんなんだから、付き合う人数が増えてるだけで



「それはまずおいといて、さっきの話の続きしようか?」

「?」  ・・ああ


「瑞が木崎のコト好きなのかどうか。」


「・・」ゴクッ。


「瑞は、」


瑞は?



「木崎のコト」


俺のコト・・



「・・・・・」


は、「早く、言えよっ!」



「だ、」


だ?!


「だ」


だっ、??



「大好き。だと思うよ♪」



・・へ


「―――――――」 ドックンッ。




っ、


「ま、マジで??ホントに?」


ドクドクッ



「うーん。私が見る限りでは、そーとー好きだよ。」


ドックン。


ほ、
ホントに?

「う」

う、っわっ//////―――――――――――!!!

どうした、俺っ・・


すっげ―――――嬉しい??
おもわず片手で顔を押さえた!

顔っ、熱ィっ!!



「木崎?」

「わっ!!///」
静が俺の顔を覗きこんでくる。


「顔、真っ赤。」

「――――!!!///」

ばかやろっ!!そんなコトわかってんだよ!!!!


「え、木崎って実はそんなキャラだったの?」
「う、うるせぇ!!////」

「かわいい~~~♪♪」
静は、俺のその姿を見ておちょくりやがる///
くっそ、こいつぜってーSだ!!


「だけどっ!それならなんで、瑞は俺と付き合わないって言ってんだ?」

静からのイジリを阻止すべく、俺がそう聞くと、

「それは、木崎の素行が悪すぎるからじゃないの?」

「ええっつ//!!瑞、そんなコト言ってたのか?」


「それが、瑞は何も言わないのよ。好きなくせに付き合わない、その理由は。」

あ、
ああ・・ビビった!

そぉか。静にも言わないのか



「でも、木崎が瑞にこんなにマジになってるなんてねぇ~~意外っ!」

~~~~~////

それは

「自分が一番、驚いてんだよ!」

「へぇ」

「・・別に最初はどうでもいいカンジだったケド、なんか話とか、行動とか。
笑った顔見てるウチに、よくわかんねぇけど、すごく気になってしょーがなくなった。
ヤベッ///言っててハズっ//!!」

「・・木崎」

「ま、まずは帰る!///瑞の居場所もわかったしな!
じゃな、静!」
俺は恥ずかしくて、静の顔もまともに見られなくなってたから、その場を逃げるようにして立ち去った。



その後を見つめる多数の目には気付きもしないで・・






《瑞area》


帰ってきちゃった

何も言わないで。  木崎くん、怒ってるかな

また、怒らせちゃったかな


さっき、静から電話あったって、お母さんが言ってたけど
なんだろ


・・アレ?

なんで静から家に電話が入るの?



やめよ。

頭痛くなってきた

少し・・眠い。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

【R18完結】エリートビジネスマンの裏の顔

白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます​─​──​。 私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。 同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが…… この生活に果たして救いはあるのか。 ※サムネにAI生成画像を使用しています

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。 絶対に離婚届に判なんて押さないからな」 既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。 まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。 紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転! 純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。 離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。 それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。 このままでは紘希の弱点になる。 わかっているけれど……。 瑞木純華 みずきすみか 28 イベントデザイン部係長 姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点 おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち 後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない 恋に関しては夢見がち × 矢崎紘希 やざきひろき 28 営業部課長 一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長 サバサバした爽やかくん 実体は押しが強くて粘着質 秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?

エロ

星野しずく
恋愛
高校三年生の城崎高広は、友人の村田元貴の姉である美世とつきあっている。だが、そのことは元貴には内緒だ。美世は亡き母のあとをついで定食屋を経営している。高広と元貴は、美世の店で受験勉強をするのが日課だ。しかし、高広は美世の店に毎日のようにやってきては、美世と楽しそうに話している男の存在が気になっていた。そして、そんな高広の嫌な予感が現実のものになっていく。

完結 嫌われ夫人は愛想を尽かす

音爽(ネソウ)
恋愛
請われての結婚だった、でもそれは上辺だけ。

幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。

秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚 13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。 歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。 そしてエリーゼは大人へと成長していく。 ※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。 小説家になろう様にも掲載しています。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

処理中です...