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夫婦のかたち
07
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「依と話してておかしなこととかなかったの?」
「なかったよ。それに、依から連絡くることもかなり少なくなってたし。今思えば、亜純との関係を解消させようとしてたのかもしれないね」
「依ならやりそうよね。閉鎖的な空間を作って、孤立させて自分に依存させようとする。それで亜純が幸せになれるならいいけど、結局は全部依の都合じゃない」
真白の怒りも最もだ。千景だってわかっているのだ。けれどじゃあどうしろと? と話は堂々巡りだ。
「でも亜純に任せるしかないよ。俺たちじゃ依を納得させることなんか無理だし。それで余計に亜純と連絡とれなくさせられたらもうどうしようもない」
「じゃあ、亜純に1人で依と戦えっていうの!?」
真白は耳の奥までキンと響く大声を上げた。千景は咄嗟にスマホを耳から遠ざけて「そうは言ってないって。でも亜純が離婚しないって言ったら無理だよ?」と続けた。
「……亜純は子供をもたないまま依といることを選ぶかな?」
「離婚を考えてるみたいなことは言ってたけど……」
「言ってたの!? ほんと!? 私には離婚する気なんてないって言ってたのに」
真白にそう言われて千景は「ヤバ……」と小さく呟いた。離婚を考えていると言ったのは亜純が依と話し合った後の話で、真白にしているのはまだ同窓会で話した内容までだったと思い出した。
「……うん。真白に離婚のこと言われて、依が一生子供を望まないなら別れることも考えるって」
「私、もう1年セックスレスなら今後もないと思う」
真白が案外すんなり聞き流してくれたおかげで千景はほっと胸を撫で下ろした。真白には亜純本人から話がいくだろうし、それまではさっき話したことは伏せておこうと思った。
「俺も……。だから、子供が欲しいなら別れるしかないんじゃないかって思ってるよ。でも、亜純の性格だと依に縋られたら突き放せないんじゃないかとも思ってる。どこまで自己犠牲するかだけど……」
千景も本音を言えば、依にはさっさと亜純を解放してやってほしかった。下手に望まれない子が生まれるよりも、望んでくれる人と一緒に育てた方が子供にとっても幸せに決まっている。
「なかったよ。それに、依から連絡くることもかなり少なくなってたし。今思えば、亜純との関係を解消させようとしてたのかもしれないね」
「依ならやりそうよね。閉鎖的な空間を作って、孤立させて自分に依存させようとする。それで亜純が幸せになれるならいいけど、結局は全部依の都合じゃない」
真白の怒りも最もだ。千景だってわかっているのだ。けれどじゃあどうしろと? と話は堂々巡りだ。
「でも亜純に任せるしかないよ。俺たちじゃ依を納得させることなんか無理だし。それで余計に亜純と連絡とれなくさせられたらもうどうしようもない」
「じゃあ、亜純に1人で依と戦えっていうの!?」
真白は耳の奥までキンと響く大声を上げた。千景は咄嗟にスマホを耳から遠ざけて「そうは言ってないって。でも亜純が離婚しないって言ったら無理だよ?」と続けた。
「……亜純は子供をもたないまま依といることを選ぶかな?」
「離婚を考えてるみたいなことは言ってたけど……」
「言ってたの!? ほんと!? 私には離婚する気なんてないって言ってたのに」
真白にそう言われて千景は「ヤバ……」と小さく呟いた。離婚を考えていると言ったのは亜純が依と話し合った後の話で、真白にしているのはまだ同窓会で話した内容までだったと思い出した。
「……うん。真白に離婚のこと言われて、依が一生子供を望まないなら別れることも考えるって」
「私、もう1年セックスレスなら今後もないと思う」
真白が案外すんなり聞き流してくれたおかげで千景はほっと胸を撫で下ろした。真白には亜純本人から話がいくだろうし、それまではさっき話したことは伏せておこうと思った。
「俺も……。だから、子供が欲しいなら別れるしかないんじゃないかって思ってるよ。でも、亜純の性格だと依に縋られたら突き放せないんじゃないかとも思ってる。どこまで自己犠牲するかだけど……」
千景も本音を言えば、依にはさっさと亜純を解放してやってほしかった。下手に望まれない子が生まれるよりも、望んでくれる人と一緒に育てた方が子供にとっても幸せに決まっている。
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