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夫婦のかたち
04
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きっと依が亜純のことを好きでなかったら、あの後も何度か一緒に放課後に残ったかもしれなかった。
亜純のリクエストに応えて絵を描いて、一緒に笑いあったかもしれなかった。オススメの絵本を教えてもらって、それを隣で亜純が読み上げるのだ。
こんな話なら面白いね、子供は怖がるかもね、これは口癖になりそうだね。なんて言いながら、喜ぶ子供たちの顔を一緒に想像したかもしれない。
しかし、依が亜純を好きでなければ千景が亜純と仲良くなることもなかった。そもそも、依が亜純のことを気にするようになったから、亜純とも真白とも話すようになったのだ。
だから最初から亜純とのそんなやり取りはありえなかった。
真白は自分が依を薦めたと言った。あの時亜純に薦められたのが自分だったらどうなっていただろうか……とも考えてみるが、やはり依が亜純のことを好きだと知っていながら亜純と付き合うなどできなかっただろう。
だが、今ならどうだろうか。亜純はこれ以上依には期待できないと思い始めている。子供は望まない依は、避妊しないセックスなどしないだろう。
子作りしてくれるなら別れない。そう亜純が言ったなら、手放さないために子供を作るだろうか。そうは思うものの、恐ろしい想像まで一緒にしてしまう。
もしも依が子供を邪魔だと思ってしまったら……。育児放棄くらいなら想像がつくが、万が一にでも子供にまで嫉妬して手をあげたら……最悪、殺してしまったら。そこまで考えてゾッと背筋が冷たくなった。
依は昔から亜純のことになると感情のコントロールができなくなる。愛情というよりも執着心に近い。
普段から仲の良い千景にさえ、声を荒らげることがあったのだ。それがもし子供に向けられるようなことがあったら……そう考えたら依が望まないのなら、依との子供を授かるべきではないと思った。
亜純のリクエストに応えて絵を描いて、一緒に笑いあったかもしれなかった。オススメの絵本を教えてもらって、それを隣で亜純が読み上げるのだ。
こんな話なら面白いね、子供は怖がるかもね、これは口癖になりそうだね。なんて言いながら、喜ぶ子供たちの顔を一緒に想像したかもしれない。
しかし、依が亜純を好きでなければ千景が亜純と仲良くなることもなかった。そもそも、依が亜純のことを気にするようになったから、亜純とも真白とも話すようになったのだ。
だから最初から亜純とのそんなやり取りはありえなかった。
真白は自分が依を薦めたと言った。あの時亜純に薦められたのが自分だったらどうなっていただろうか……とも考えてみるが、やはり依が亜純のことを好きだと知っていながら亜純と付き合うなどできなかっただろう。
だが、今ならどうだろうか。亜純はこれ以上依には期待できないと思い始めている。子供は望まない依は、避妊しないセックスなどしないだろう。
子作りしてくれるなら別れない。そう亜純が言ったなら、手放さないために子供を作るだろうか。そうは思うものの、恐ろしい想像まで一緒にしてしまう。
もしも依が子供を邪魔だと思ってしまったら……。育児放棄くらいなら想像がつくが、万が一にでも子供にまで嫉妬して手をあげたら……最悪、殺してしまったら。そこまで考えてゾッと背筋が冷たくなった。
依は昔から亜純のことになると感情のコントロールができなくなる。愛情というよりも執着心に近い。
普段から仲の良い千景にさえ、声を荒らげることがあったのだ。それがもし子供に向けられるようなことがあったら……そう考えたら依が望まないのなら、依との子供を授かるべきではないと思った。
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