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友人の恋人
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亜純は暫く言葉を失ったまま考えた。子供がいない2人だけの生活がこのまま一生続くのだ。今だって十分幸せだと思っていたが、きっと子供がいなければこれ以上の幸せは訪れないだろうと思えた。
「あのさ……えっちししなかったのは子供がいらないからってこと?」
亜純は信じたくない気持ちでいっぱいになりながらそう尋ねた。
「うん……。セックスしたら子供できる可能性あるし……」
「じゃあ、避妊するならえっちしてもいいってこと?」
「それは……うん。亜純がいいなら」
そう言った依は心做しか嬉しそうで、亜純は怒りよりも悲しみの方が大きくなった。性欲もあって、亜純とのセックスも避妊ができるなら喜んでするとでも言いたげだ。
あんなにも依に触れて欲しいと思っていたのに、急にそんな気はなくなってしまった。
今子供がいらないだけなら、避妊してでもいいからセックスレスを解消したいとも思った。女として魅力を感じなくなったんじゃないかと切なくもなった。
反対に子供を授かることができるなら、子作りの業務として性行為をすることも覚悟した。
けれど、依の考えを聞いた亜純は、子供はいらないから避妊してセックスだけしようなんて、それこそ体目的じゃないか……と思わずにはいられなかった。
「依はさ、私のこと好きなんだよね?」
「好きだよ! ずっと好き。高校の時から変わらないよ」
「私、好きな人には幸せになってほしいって思ってたんだけど……依は違う?」
「違わないよ? なんで? 今、幸せでしょ? 俺は亜純と一緒にいられて幸せだよ」
「私の幸せは……子供もいる家族を作ることだよ……? 今の幸せはまだ途中なの……。でも、子供がいなかったら途中のまま終わりになっちゃう」
亜純は上手く言葉にできないままそう言った。
「あのさ……えっちししなかったのは子供がいらないからってこと?」
亜純は信じたくない気持ちでいっぱいになりながらそう尋ねた。
「うん……。セックスしたら子供できる可能性あるし……」
「じゃあ、避妊するならえっちしてもいいってこと?」
「それは……うん。亜純がいいなら」
そう言った依は心做しか嬉しそうで、亜純は怒りよりも悲しみの方が大きくなった。性欲もあって、亜純とのセックスも避妊ができるなら喜んでするとでも言いたげだ。
あんなにも依に触れて欲しいと思っていたのに、急にそんな気はなくなってしまった。
今子供がいらないだけなら、避妊してでもいいからセックスレスを解消したいとも思った。女として魅力を感じなくなったんじゃないかと切なくもなった。
反対に子供を授かることができるなら、子作りの業務として性行為をすることも覚悟した。
けれど、依の考えを聞いた亜純は、子供はいらないから避妊してセックスだけしようなんて、それこそ体目的じゃないか……と思わずにはいられなかった。
「依はさ、私のこと好きなんだよね?」
「好きだよ! ずっと好き。高校の時から変わらないよ」
「私、好きな人には幸せになってほしいって思ってたんだけど……依は違う?」
「違わないよ? なんで? 今、幸せでしょ? 俺は亜純と一緒にいられて幸せだよ」
「私の幸せは……子供もいる家族を作ることだよ……? 今の幸せはまだ途中なの……。でも、子供がいなかったら途中のまま終わりになっちゃう」
亜純は上手く言葉にできないままそう言った。
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