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今夜は同窓会

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 真白はじっと亜純の目を見つめた。未だに濁りのない澄んだ目をしていると感じた。

「ねぇ、亜純。依のことが好きなのもわかるし、依がいい旦那をしてくれてるのもわかるけどさ、もし一生子供はいらないって言われたら亜純はそれでもいい? 依とずっと2人でいられたら幸せ?」

 何も子供をもつことだけが幸せじゃない。真白が幸せな子供ではなかったように、生まれてこない方がよかったと思うことだってある。
 亜純が依のことを好きで、この先ずっと2人でいるだけで幸せだと感じられるのであればそれはそれで幸せの形だ。

 亜純が苦しまずに生活できるのであれば、真白はそれでよかった。

「ずっと……? えっと、でも依は今はまだ早いと思ってるだけかも……」

 亜純は戸惑ったように真白から目を逸らした。亜純もそんな可能性は考えたくないのだ。男性は結婚さえ遅くてもいいと考える人間も多い。父親になる決心がつかないのも仕方がないのかもしれない。
 亜純もあと数年だったら待ってもいいかも……なんてことを考えてみる。

「今はっていつまで? そりゃ、高齢出産まで待てるっていうならまだ7年あるし、今は医学も進歩してるから40でも産めるって考えれば10年はあるけど」

「10年……」

 亜純はゾッとした。1年、2年抱かれないだけでもこんなにも悩むのにこの先10年も抱かれなかったら、ようやく父になる決心がついた依と子作りができるだろうか。
 2人とも40歳という年で初めての育児ができるだろうか……と不安でいっぱいになった。

「いつかは依がその気になってくれるならいいけど、やっぱり子供はいらないって言ったら?」

「依は……私との子供だったら可愛いよねって笑って言ってくれたよ」

 亜純は今でも鮮明に思い出せるのだ。子供が欲しいねと一緒に笑い合った日のことを。あの時の笑顔が嘘だったとは思いたくなかった。
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