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今夜は同窓会
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子供を育てられないからいらない。そう依が考えているのなら、真白の継父のように戸籍上だけ父になろうとする男よりもよっぽどまともだと思う。
しかし、それは夫婦共に同じ意思であるなら誠実とも言えるが、片方だけがそう思っているのなら身勝手な言い分に過ぎない。
そもそも亜純は結婚する前から子供が欲しいと言っていたはずだ。真白だって依だって千景でさえそれを知っている。それなのに自分が父親になる自信がないから子供を作らないのはあまりにも酷い話だと思った。
更に亜純とのセックスすらしなくなっただなんて、信用を失ってもおかしくない。依にどんな意図があるにせよ、亜純が傷付くことはなんだって許せなかった。
仮に子供ができたとして、依が育児に参加しなかったらいくら子供好きの亜純だって参ってしまうだろう。
セックスだって子供を作るために仕方なくした行為なんだと思ったら、そこに愛情を感じなくなって孤独を味わうことにもなる。
真白はどんなに子供が欲しくても、仲がいいのであればそんな業務のように子供を作るのはやめた方がいいと感じた。
「もし依が子供を欲しがってないなら、子供だけ作るのもやめたら?」
「……え?」
亜純は大きく瞳を揺らした。ずっと自分の味方だと思っていた真白が、亜純を否定した気がしたのだ。
その反応を見て、真白は慌てて弁解した。
「なにも子供をもつのを諦めろって言ってるんじゃないのよ」
「じゃあ、どういう……」
「ちゃんと話し合ってさ、依がこのまま子供なんかいらないって言うなら、亜純と同じように子供が好きで可愛がってくれる人にしたらどうかなって」
「それって……依と離婚するってこと?」
亜純は更に驚いたように、あんぐりと口を開けた。
しかし、それは夫婦共に同じ意思であるなら誠実とも言えるが、片方だけがそう思っているのなら身勝手な言い分に過ぎない。
そもそも亜純は結婚する前から子供が欲しいと言っていたはずだ。真白だって依だって千景でさえそれを知っている。それなのに自分が父親になる自信がないから子供を作らないのはあまりにも酷い話だと思った。
更に亜純とのセックスすらしなくなっただなんて、信用を失ってもおかしくない。依にどんな意図があるにせよ、亜純が傷付くことはなんだって許せなかった。
仮に子供ができたとして、依が育児に参加しなかったらいくら子供好きの亜純だって参ってしまうだろう。
セックスだって子供を作るために仕方なくした行為なんだと思ったら、そこに愛情を感じなくなって孤独を味わうことにもなる。
真白はどんなに子供が欲しくても、仲がいいのであればそんな業務のように子供を作るのはやめた方がいいと感じた。
「もし依が子供を欲しがってないなら、子供だけ作るのもやめたら?」
「……え?」
亜純は大きく瞳を揺らした。ずっと自分の味方だと思っていた真白が、亜純を否定した気がしたのだ。
その反応を見て、真白は慌てて弁解した。
「なにも子供をもつのを諦めろって言ってるんじゃないのよ」
「じゃあ、どういう……」
「ちゃんと話し合ってさ、依がこのまま子供なんかいらないって言うなら、亜純と同じように子供が好きで可愛がってくれる人にしたらどうかなって」
「それって……依と離婚するってこと?」
亜純は更に驚いたように、あんぐりと口を開けた。
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