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今夜は同窓会
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依がなぜ亜純を抱かないでいるのか。真白は冷静さを欠いた頭でそれでも必死に考えた。依が浮気をしていないとなると、亜純が言った女性としての魅力を感じなくなったというわけでもなさそうだった。
喧嘩もほとんどせず仲もいい。半年前に聞いた時にはキスやハグはあると言っていたし、まるで意味がわからない。
1つ可能性があるとすれば子作りが嫌なのか。子供がいらないのか。そこまで考えて、真白はそれなら有り得ると思った。
「ねぇ、依まだ子供いらないって言ってない?」
真白はハッキリと尋ねた。亜純は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに視線を下に向けて頷いた。
「うん。子供はまだいいよって言われてる。ずっと」
「ずっと? ずっとっていつから?」
「そういう行為をしなくなる前からかな……。でも、今となってはエッチもしてないのに子供が欲しいとも言いづらくて。でも……子供ができるならそれだけを目的とした行為でもいいの」
「子供さえできれば今後は抱かれなくてもいいってこと?」
「うん……。そりゃね、好きだから求めて欲しいって思うよ。でも依にその気がないなら、子供だけできればとりあえずはいいかなって……」
真白は卒倒しそうだった。セックスに対する概念は、真白と亜純とでは違う。真白にとって大嫌いな好意でも、初めてが好きな人で幸せな思い出となった亜純にとっては特別な行為でもある。
好きだからセックスをしたいという気持ちは真白にはわからないが、普通の人はそうなのだという理解くらいはできる。
それなのに亜純は好きだからセックスをするということを既に諦め、単純に子供を作るだけの作業にしようとしているのだ。
けれど、そんな業務のように子供を作ったって依が父親らしく子育てをできるわけがないと真白は思った。
喧嘩もほとんどせず仲もいい。半年前に聞いた時にはキスやハグはあると言っていたし、まるで意味がわからない。
1つ可能性があるとすれば子作りが嫌なのか。子供がいらないのか。そこまで考えて、真白はそれなら有り得ると思った。
「ねぇ、依まだ子供いらないって言ってない?」
真白はハッキリと尋ねた。亜純は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに視線を下に向けて頷いた。
「うん。子供はまだいいよって言われてる。ずっと」
「ずっと? ずっとっていつから?」
「そういう行為をしなくなる前からかな……。でも、今となってはエッチもしてないのに子供が欲しいとも言いづらくて。でも……子供ができるならそれだけを目的とした行為でもいいの」
「子供さえできれば今後は抱かれなくてもいいってこと?」
「うん……。そりゃね、好きだから求めて欲しいって思うよ。でも依にその気がないなら、子供だけできればとりあえずはいいかなって……」
真白は卒倒しそうだった。セックスに対する概念は、真白と亜純とでは違う。真白にとって大嫌いな好意でも、初めてが好きな人で幸せな思い出となった亜純にとっては特別な行為でもある。
好きだからセックスをしたいという気持ちは真白にはわからないが、普通の人はそうなのだという理解くらいはできる。
それなのに亜純は好きだからセックスをするということを既に諦め、単純に子供を作るだけの作業にしようとしているのだ。
けれど、そんな業務のように子供を作ったって依が父親らしく子育てをできるわけがないと真白は思った。
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