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今夜は同窓会
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そんな中出会ったのが亜純だった。彼女は真白が知る他の女の子たちとは少し違っていた。恋愛のことで頭がいっぱいの思春期特有の女の子たちとは違う。
恋愛にはあまり興味がなくて、それなのに子供は欲しいという。
「好きじゃない人の子供でもいいってこと?」
真白は女性側でもそう思うことがあるのかと素直に疑問だった。
「違うよー。もちろん好きな人との子供じゃなきゃ嫌だと思ってるよ。でも今は好きっていう感情がわかんないから子供は欲しいけどどうなのかなって」
「彼氏を作ってみたらいいんじゃない? 皆みたいに」
「好きでもない人と付き合って、それって楽しいの?」
「さあ……わかんない。でも、皆してる」
「皆しててもそれが楽しくないなら私は皆と同じじゃなくてもいい」
そう言って亜純が読んでいたのは絵本だった。保育士になるんだと昔から決めていたと語った。真白には将来の夢も希望もなにもなかったから、自分というものを確率している亜純が眩しかった。
「久保さんは強いね……」
「強くないよ。好きな人も一緒にいたい人も自分で決めたいの。それだけ」
真白はそう言った亜純に選ばれる存在になりたいと思った。一緒にいたいと思われたい。そんな欲が滲み出た。
「私も……友達になりたい」
「え?」
思わずこぼれてしまった言葉に、亜純が目を丸くさせた。真白はしまった……! と慌てて撤回しようとしたが、その瞬間に亜純がにっこりと笑って「うん。友達になろう。亜純でいいよ」と言ってくれたから、真白はその場で泣き崩れてしまいそうなほど嬉しくてたまらない気持ちになった。
その後も亜純の言葉は一々真白を温かい気持ちにさせた。
「真白は肌が白くて綺麗だね。私、日焼けしやすいからもう真っ黒だよ」
そう言って恥ずかしそうに腕をさする。
「綺麗なんかじゃないよ……」
殴られて蹴られて体中ボロボロだし、外も中も汚くて醜い。
口には出さなかったが、真白は心の中で呟いた。
「えー! 綺麗だよ。大人っぽいしさ、メイクとか似合いそう。そういう仕事に就いたらさ、私も可愛くしてもらいたい」
なんの気なしにそう言った亜純の言葉が、真白の未来を照らしてくれた気がした。
恋愛にはあまり興味がなくて、それなのに子供は欲しいという。
「好きじゃない人の子供でもいいってこと?」
真白は女性側でもそう思うことがあるのかと素直に疑問だった。
「違うよー。もちろん好きな人との子供じゃなきゃ嫌だと思ってるよ。でも今は好きっていう感情がわかんないから子供は欲しいけどどうなのかなって」
「彼氏を作ってみたらいいんじゃない? 皆みたいに」
「好きでもない人と付き合って、それって楽しいの?」
「さあ……わかんない。でも、皆してる」
「皆しててもそれが楽しくないなら私は皆と同じじゃなくてもいい」
そう言って亜純が読んでいたのは絵本だった。保育士になるんだと昔から決めていたと語った。真白には将来の夢も希望もなにもなかったから、自分というものを確率している亜純が眩しかった。
「久保さんは強いね……」
「強くないよ。好きな人も一緒にいたい人も自分で決めたいの。それだけ」
真白はそう言った亜純に選ばれる存在になりたいと思った。一緒にいたいと思われたい。そんな欲が滲み出た。
「私も……友達になりたい」
「え?」
思わずこぼれてしまった言葉に、亜純が目を丸くさせた。真白はしまった……! と慌てて撤回しようとしたが、その瞬間に亜純がにっこりと笑って「うん。友達になろう。亜純でいいよ」と言ってくれたから、真白はその場で泣き崩れてしまいそうなほど嬉しくてたまらない気持ちになった。
その後も亜純の言葉は一々真白を温かい気持ちにさせた。
「真白は肌が白くて綺麗だね。私、日焼けしやすいからもう真っ黒だよ」
そう言って恥ずかしそうに腕をさする。
「綺麗なんかじゃないよ……」
殴られて蹴られて体中ボロボロだし、外も中も汚くて醜い。
口には出さなかったが、真白は心の中で呟いた。
「えー! 綺麗だよ。大人っぽいしさ、メイクとか似合いそう。そういう仕事に就いたらさ、私も可愛くしてもらいたい」
なんの気なしにそう言った亜純の言葉が、真白の未来を照らしてくれた気がした。
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