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婚姻届
【4】
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「結婚式も追々決めて、家も一軒家がいいんだもんね。モデルハウスも見に行きたいね」
「行きたい! 私、モデルハウスって見に行ったことない」
「じゃあ、夢が膨らむね。友達に一級建築士がいるから、相談してみてもいいし。まどかさんが気になるところがあれば、そこで建ててもいいよ」
「あまねくん、本当に友達多いよね……」
彼には、色んな職種の友達がいる。雅臣のことだって、あまねくんの友達が色々動いてくれていると聞いた。
人脈が広いのは素晴らしいが、時折付き合いで飲みに行くこともあり、そんな時は会えないから少しだけ寂しくもある。
「高校か大学からの友達がほとんどだけどね」
「そう。私、学生時代の友達とは皆疎遠になっちゃったなぁ……。最近じゃ、茉紀ばっかだし」
「俺も、結婚した友達とはめっきり会う回数減ったよ」
「え!? あまねくんの友達でも、もう結婚してる子いるの?」
私くらいの年齢でしかも女性となれば、私を置いてどんどん結婚して子供が産まれてという友達を何人も見てきた。しかし、男性だったらそんなに結婚を急がなくても、仕事が落ち着いてからでいいと考える人も多いはず。
それなのに、もう結婚している友達がいるだなんて、私もゆっくりし過ぎたのかななんて思わずにはいられない。
「早いのは22、3で結婚しちゃったよ。先に子供できちゃった友達も多いし」
「ああ、なるほど」
茉紀も結婚よりも先に子供ができたし、案外多いのかもしれない。
お互いにいつ子供ができてもいいと考えていたカップルならいいが、こんなはずじゃなかったと男性の方が責任を取る形で結婚して離婚している夫婦だっている。
結婚の形は人それぞれだけれど、双方が納得できていないと問題は増える一方だ。
けれど、結婚する気がないのなら、子供ができないよう細心の注意をはらうことが必要なのも事実。結婚って複雑だ。
「まどかさんは、すぐに子供ほしい?」
「うーん、そうだなぁ。あまねくんと2人きりで過ごす新婚生活も幸せだと思うけど、あんまり遅くなると体力的に辛くなるよね」
「体に負担もかかるしね。俺はどっちでもいいなぁ。まどかさんと毎日一緒にいられたらそれだけで満足だし。でも、俺の子供がいたらもっと幸せな気もする」
「うん。どっちでもいいね」
「子供が大きくなって、おじいちゃん、おばあちゃんになったらさ、2人でいられる時間もっと増えるしね」
「そんな先のことまで考えてるの?」
今までは子供の話ができる程、結婚も現実的ではなかった。けれど、あまねくんの中には、私との未来が確かにあって、安心する。
「考えてるよ。子供は男の子も女の子も両方欲しいな。順番はどっちでもいいけどさ。茉紀さんちは両方いるじゃん? 話聞いてていいなぁって思うんだよね」
「うん。2人とも可愛いよ。でも、茉紀が先に女の子の方が楽だと思うって言ってた」
「そっか。じゃあ、女の子の方が……いや、でもそしたら初めての子供がお嫁に行っちゃうってことだよね? それは嫌だな。嫁いで欲しくない」
顔をしかめてまだ見ぬ未来に不満を抱いている彼が可愛くてしかたがない。嫁いで欲しくないなんていいながら、自分は嫁をもらおうとしているのだから。
「行きたい! 私、モデルハウスって見に行ったことない」
「じゃあ、夢が膨らむね。友達に一級建築士がいるから、相談してみてもいいし。まどかさんが気になるところがあれば、そこで建ててもいいよ」
「あまねくん、本当に友達多いよね……」
彼には、色んな職種の友達がいる。雅臣のことだって、あまねくんの友達が色々動いてくれていると聞いた。
人脈が広いのは素晴らしいが、時折付き合いで飲みに行くこともあり、そんな時は会えないから少しだけ寂しくもある。
「高校か大学からの友達がほとんどだけどね」
「そう。私、学生時代の友達とは皆疎遠になっちゃったなぁ……。最近じゃ、茉紀ばっかだし」
「俺も、結婚した友達とはめっきり会う回数減ったよ」
「え!? あまねくんの友達でも、もう結婚してる子いるの?」
私くらいの年齢でしかも女性となれば、私を置いてどんどん結婚して子供が産まれてという友達を何人も見てきた。しかし、男性だったらそんなに結婚を急がなくても、仕事が落ち着いてからでいいと考える人も多いはず。
それなのに、もう結婚している友達がいるだなんて、私もゆっくりし過ぎたのかななんて思わずにはいられない。
「早いのは22、3で結婚しちゃったよ。先に子供できちゃった友達も多いし」
「ああ、なるほど」
茉紀も結婚よりも先に子供ができたし、案外多いのかもしれない。
お互いにいつ子供ができてもいいと考えていたカップルならいいが、こんなはずじゃなかったと男性の方が責任を取る形で結婚して離婚している夫婦だっている。
結婚の形は人それぞれだけれど、双方が納得できていないと問題は増える一方だ。
けれど、結婚する気がないのなら、子供ができないよう細心の注意をはらうことが必要なのも事実。結婚って複雑だ。
「まどかさんは、すぐに子供ほしい?」
「うーん、そうだなぁ。あまねくんと2人きりで過ごす新婚生活も幸せだと思うけど、あんまり遅くなると体力的に辛くなるよね」
「体に負担もかかるしね。俺はどっちでもいいなぁ。まどかさんと毎日一緒にいられたらそれだけで満足だし。でも、俺の子供がいたらもっと幸せな気もする」
「うん。どっちでもいいね」
「子供が大きくなって、おじいちゃん、おばあちゃんになったらさ、2人でいられる時間もっと増えるしね」
「そんな先のことまで考えてるの?」
今までは子供の話ができる程、結婚も現実的ではなかった。けれど、あまねくんの中には、私との未来が確かにあって、安心する。
「考えてるよ。子供は男の子も女の子も両方欲しいな。順番はどっちでもいいけどさ。茉紀さんちは両方いるじゃん? 話聞いてていいなぁって思うんだよね」
「うん。2人とも可愛いよ。でも、茉紀が先に女の子の方が楽だと思うって言ってた」
「そっか。じゃあ、女の子の方が……いや、でもそしたら初めての子供がお嫁に行っちゃうってことだよね? それは嫌だな。嫁いで欲しくない」
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