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再会
【40】
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「DVD見つかったら一緒に見ようね」
「やだ。絶対見ない」
「見ようよ。可愛いよ」
「可愛くないよ。忘れたい」
「何でー? 24歳のまどかさんだよ? あ、子供の頃のホームビデオとかないのかな? 絶対可愛いよね」
目を輝かせてこちらを見る。子供の頃かぁ……それはそれで恥ずかしい。ホームビデオなんてあったかな?
家で両親が見ていた記憶もないため、ないかもしれない。
「覚えてないから、多分残ってないか撮ってないんじゃない?」
「絶対あるよ」
「なに、その自信」
あるかどうかなんてわからないのに、なぜか自信満々の彼。どうして私よりも、彼の方が断言できるのか。
「だってまどかさん、あんなに家族に愛されてるんだよ? 子供の頃のものがないはずないじゃん。もしかしたらさ、俺が録画したやつだけじゃなくて、毎日やってたコーナーのやつも全部録画してあるかもしれないよね」
……鋭い。それがあるなんて知ったら、絶対見たいって言うに決まってる。
なんとしてでも隠し通さなければ。
「ないない。そんなにまめったくないもん」
「うーん。今度お母さんに聞いてみよ」
「いいの、聞かなくて」
「えー。いいじゃん、聞くだけ」
「だめ」
「何でそんなに拒否するの? ……あ、わかった。あること知ってるんでしょ」
やはり鋭い。平然を装って「知らないよ」と言えば、「完全に目が泳いでるからね。まどかさん嘘下手だよね」と笑われてしまった。
臣くんには平気で嘘がつけたんだけどなぁ。あまねくんは、見抜く力が凄いのか、私があまねくん相手だと嘘がつけないのか。
どちらの可能性もある。
「もー……。わからないけど、あると困るから聞かないで」
「どっちを?」
「どっちも」
「まどかさんとしては、小さいまどかさんとハヤシライスのまどかさんとどっちが嫌?」
「ハヤシライスのまどかさんって言い方やめてよ」
彼の言い方に、私も一緒になって笑ってしまう。彼といると、本当に笑ってばかりいられる。どうしてこんなに楽しいんだろう。
「やだ。絶対見ない」
「見ようよ。可愛いよ」
「可愛くないよ。忘れたい」
「何でー? 24歳のまどかさんだよ? あ、子供の頃のホームビデオとかないのかな? 絶対可愛いよね」
目を輝かせてこちらを見る。子供の頃かぁ……それはそれで恥ずかしい。ホームビデオなんてあったかな?
家で両親が見ていた記憶もないため、ないかもしれない。
「覚えてないから、多分残ってないか撮ってないんじゃない?」
「絶対あるよ」
「なに、その自信」
あるかどうかなんてわからないのに、なぜか自信満々の彼。どうして私よりも、彼の方が断言できるのか。
「だってまどかさん、あんなに家族に愛されてるんだよ? 子供の頃のものがないはずないじゃん。もしかしたらさ、俺が録画したやつだけじゃなくて、毎日やってたコーナーのやつも全部録画してあるかもしれないよね」
……鋭い。それがあるなんて知ったら、絶対見たいって言うに決まってる。
なんとしてでも隠し通さなければ。
「ないない。そんなにまめったくないもん」
「うーん。今度お母さんに聞いてみよ」
「いいの、聞かなくて」
「えー。いいじゃん、聞くだけ」
「だめ」
「何でそんなに拒否するの? ……あ、わかった。あること知ってるんでしょ」
やはり鋭い。平然を装って「知らないよ」と言えば、「完全に目が泳いでるからね。まどかさん嘘下手だよね」と笑われてしまった。
臣くんには平気で嘘がつけたんだけどなぁ。あまねくんは、見抜く力が凄いのか、私があまねくん相手だと嘘がつけないのか。
どちらの可能性もある。
「もー……。わからないけど、あると困るから聞かないで」
「どっちを?」
「どっちも」
「まどかさんとしては、小さいまどかさんとハヤシライスのまどかさんとどっちが嫌?」
「ハヤシライスのまどかさんって言い方やめてよ」
彼の言い方に、私も一緒になって笑ってしまう。彼といると、本当に笑ってばかりいられる。どうしてこんなに楽しいんだろう。
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