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ラポール形成
【43】
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「まあ、律のこと叩いてまで断ってくれたのは嬉しいけど……」
「だって私、あまねくんだけだよ?」
「うん。俺も。でもなぁ……不意討ちでもほっぺでもやだ……」
私の肩の上から被さるように抱き締める彼。全体重がかかってけっこう重たい。まだスーツ姿で、ひんやりとした生地が彼が帰って来てからずっとここで私の帰りを待っていてくれたことを示唆する。
彼を受け止めるようにして、彼の体に腕を回す。あまねくんが頬を擦り寄せてきて、皮膚同士が触れる。頬が冷たく感じないのは、自分も同じくらい冷えてしまっているからだろう。
子犬のように2、3度頬ずりをすると、そのまま唇を押しあてられる。どちらの頬とも言っていないのに、自然にされた方の右頬にキスを重ねた。
「くすぐったい」
「ん……。律が触ったところ、消毒しないとね」
「何でこっち側だってわかったの?」
「んー? 本当だ……」
彼は顔を上げて、私の視線を捕らえた。
コツンと額同士が触れると、それを合図にしたかのように2人揃ってクスクスと笑いが溢れる。
「嫌な感じがこっち側からしたのかな?」
「そんなことあるの? あまねくんは、子犬みたいだね」
「子犬ー? 100歩譲って犬っぽいはなんとなく想像がつくけど子犬ってなに?」
「ん? なつっこくて可愛いイメージでしょ?」
「なつっこいと可愛いの?」
「可愛いでしょ?」
「ふーん……じゃあ、可愛がって」
そう言って、彼はもう1度私との距離を詰める。しかし、彼の両手が私の体を抱き締めることはなく、どこに向かうのか理解するよりも先に臀部に違和感が走る。
「ひゃっ!?」
「可愛がってくれる?」
「ちょ、どこ触って!」
「んー、お尻」
両方の肉を持ち上げるようにしてゆっくりと揉まれる。
今日はパンツにしたのだけれど、ゆとりのある柔らかい生地だったために、彼の手の感触がはっきりと伝わってくる。
「も、離して」
「やだ。触りたいもん。なつっこい俺、可愛いんでしょ?」
可愛いと言われたことが気に入らなかったのか、ここぞとばかりにあちこちへと手を伸ばし、首筋に顔を埋める。
「こーら、ダメだって」
「やだ。触ってたら我慢できなくなってきちゃった……」
「ちょっ……」
「律が悪いんだよ? まどかさんに触ったりするから。俺のなのに」
下着の中にまで手を入れられ、直に臀部を撫で回される。その手から逃れようと思わずつま先立ちになる。
それでもそれについてくる彼の手からは逃れられず、かといって体を離すこともできずに彼の手が好き勝手に動いた。
「だって私、あまねくんだけだよ?」
「うん。俺も。でもなぁ……不意討ちでもほっぺでもやだ……」
私の肩の上から被さるように抱き締める彼。全体重がかかってけっこう重たい。まだスーツ姿で、ひんやりとした生地が彼が帰って来てからずっとここで私の帰りを待っていてくれたことを示唆する。
彼を受け止めるようにして、彼の体に腕を回す。あまねくんが頬を擦り寄せてきて、皮膚同士が触れる。頬が冷たく感じないのは、自分も同じくらい冷えてしまっているからだろう。
子犬のように2、3度頬ずりをすると、そのまま唇を押しあてられる。どちらの頬とも言っていないのに、自然にされた方の右頬にキスを重ねた。
「くすぐったい」
「ん……。律が触ったところ、消毒しないとね」
「何でこっち側だってわかったの?」
「んー? 本当だ……」
彼は顔を上げて、私の視線を捕らえた。
コツンと額同士が触れると、それを合図にしたかのように2人揃ってクスクスと笑いが溢れる。
「嫌な感じがこっち側からしたのかな?」
「そんなことあるの? あまねくんは、子犬みたいだね」
「子犬ー? 100歩譲って犬っぽいはなんとなく想像がつくけど子犬ってなに?」
「ん? なつっこくて可愛いイメージでしょ?」
「なつっこいと可愛いの?」
「可愛いでしょ?」
「ふーん……じゃあ、可愛がって」
そう言って、彼はもう1度私との距離を詰める。しかし、彼の両手が私の体を抱き締めることはなく、どこに向かうのか理解するよりも先に臀部に違和感が走る。
「ひゃっ!?」
「可愛がってくれる?」
「ちょ、どこ触って!」
「んー、お尻」
両方の肉を持ち上げるようにしてゆっくりと揉まれる。
今日はパンツにしたのだけれど、ゆとりのある柔らかい生地だったために、彼の手の感触がはっきりと伝わってくる。
「も、離して」
「やだ。触りたいもん。なつっこい俺、可愛いんでしょ?」
可愛いと言われたことが気に入らなかったのか、ここぞとばかりにあちこちへと手を伸ばし、首筋に顔を埋める。
「こーら、ダメだって」
「やだ。触ってたら我慢できなくなってきちゃった……」
「ちょっ……」
「律が悪いんだよ? まどかさんに触ったりするから。俺のなのに」
下着の中にまで手を入れられ、直に臀部を撫で回される。その手から逃れようと思わずつま先立ちになる。
それでもそれについてくる彼の手からは逃れられず、かといって体を離すこともできずに彼の手が好き勝手に動いた。
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