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愛情
【26】
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姉のマンションに着き、聞いていた暗証番号で鍵を開けて中に入る。
時間がないと言っていたため、目的のものがある場所まで直行し、資料を確認する。1ヶ所にまとめてあったため、それらを全て別に持ってきたバッグの中に入れてマンションを出た。
そのまま姉の勤める学校へ向かう。授業中なのか、敷地内はとても静かだった。
適当に車を停めて、姉に着いたことをラインで伝える。催促の連絡がきていないため、おそらく間に合ったのだろう。
姉からの連絡を待っていると、スマホが震えた。
「あ……」
電話の主はあまねくんだった。時間は9時40分を差している。
「もしもし……」
「まどかさん? おはよう」
「おはよう。どうしたの?」
「今日夜勤だって言ってたし、起きてるかなって思って」
「うん。さっき起きたの」
「そっか。昨日も忙しかったみたいだし、ちょっと心配になって」
「ありがとうね。大丈夫」
「それならよかった。それで、明日さ……」
あまねくんが喋っている途中で姉の姿を見つけた。こちらに気付いて向かってくる。
「ごめん、あまねくん。またかけなおすね」
「え? まどかさ……」
プッ。
あ、喋ってるのに切っちゃった。まあ、後でかけ直せばいいか。
とりあえず車から降りて、資料の入ったバッグを渡す。ペラペラのエコバッグだ。A4サイズが入るから使い勝手がいい。
「まどか、ごめん! ありがとう」
「うん。間に合った?」
「間に合った、間に合った! とりあえず今から印刷かけなきゃだからさ。ありがと、USBもあるし、全部ある!」
「よかった」
「お礼は必ずするから!」
「別にいいよ」
「いいから。話したいこともあるし。とにかくまた連絡する」
それだけ言うと、姉は急いでバッグを持って校舎へと戻っていった。
綺麗目の服装に、セミロングの髪を1つにまとめている。歩く度に髪が揺れる。姉の仕事姿を見るのは久しぶりだった。
それどころか、姉と会ったこと自体久しぶりのような気がする。
私もほっとしたところで自宅に向かう。何だかたくさん寝たようだけれど、フローリングで眠ったせいで疲れがとれなかったのかまだ眠い。とりあえず帰ったら仕事まで寝ることにした。
家に着いてからあまねくんに電話をしたのだけれど、彼は出なかった。
仕事に戻ったのだろう。お客さんのところに出向いているのなら私の電話には出ない。彼は仕事中なのだから仕方がない。
ラインに[電話、途中で切っちゃってごめんね。今からもう1回寝るね。また明日電話しよう]そう入れてから二度寝に突入した。
目が覚めてからは、いつも通り夜勤へ行き、仕事をこなした。
千代さんは相変わらずで、水分は摂れるようになってきたものの、食事はすすまなかった。それでもゼリーやプリンをすすめてなんとか栄養状態を保とうとする。
他の利用者さんは変わりなく、容態の悪い方もいなかった。比較的落ち着いた夜勤をこなし、仮眠もしっかり2時間取れた。あまねくんから[電話出れなくてごめんね。明日またかけるから。夜勤頑張ってね]と入っていたのを確認する。
わざと避けているわけではないけれど、あの一件以来すれ違ってばかりだななんて思う。しかし、それすら安堵してしまうのは、やはり妹さんの話が出るのを避けたいからだろう。
時間がないと言っていたため、目的のものがある場所まで直行し、資料を確認する。1ヶ所にまとめてあったため、それらを全て別に持ってきたバッグの中に入れてマンションを出た。
そのまま姉の勤める学校へ向かう。授業中なのか、敷地内はとても静かだった。
適当に車を停めて、姉に着いたことをラインで伝える。催促の連絡がきていないため、おそらく間に合ったのだろう。
姉からの連絡を待っていると、スマホが震えた。
「あ……」
電話の主はあまねくんだった。時間は9時40分を差している。
「もしもし……」
「まどかさん? おはよう」
「おはよう。どうしたの?」
「今日夜勤だって言ってたし、起きてるかなって思って」
「うん。さっき起きたの」
「そっか。昨日も忙しかったみたいだし、ちょっと心配になって」
「ありがとうね。大丈夫」
「それならよかった。それで、明日さ……」
あまねくんが喋っている途中で姉の姿を見つけた。こちらに気付いて向かってくる。
「ごめん、あまねくん。またかけなおすね」
「え? まどかさ……」
プッ。
あ、喋ってるのに切っちゃった。まあ、後でかけ直せばいいか。
とりあえず車から降りて、資料の入ったバッグを渡す。ペラペラのエコバッグだ。A4サイズが入るから使い勝手がいい。
「まどか、ごめん! ありがとう」
「うん。間に合った?」
「間に合った、間に合った! とりあえず今から印刷かけなきゃだからさ。ありがと、USBもあるし、全部ある!」
「よかった」
「お礼は必ずするから!」
「別にいいよ」
「いいから。話したいこともあるし。とにかくまた連絡する」
それだけ言うと、姉は急いでバッグを持って校舎へと戻っていった。
綺麗目の服装に、セミロングの髪を1つにまとめている。歩く度に髪が揺れる。姉の仕事姿を見るのは久しぶりだった。
それどころか、姉と会ったこと自体久しぶりのような気がする。
私もほっとしたところで自宅に向かう。何だかたくさん寝たようだけれど、フローリングで眠ったせいで疲れがとれなかったのかまだ眠い。とりあえず帰ったら仕事まで寝ることにした。
家に着いてからあまねくんに電話をしたのだけれど、彼は出なかった。
仕事に戻ったのだろう。お客さんのところに出向いているのなら私の電話には出ない。彼は仕事中なのだから仕方がない。
ラインに[電話、途中で切っちゃってごめんね。今からもう1回寝るね。また明日電話しよう]そう入れてから二度寝に突入した。
目が覚めてからは、いつも通り夜勤へ行き、仕事をこなした。
千代さんは相変わらずで、水分は摂れるようになってきたものの、食事はすすまなかった。それでもゼリーやプリンをすすめてなんとか栄養状態を保とうとする。
他の利用者さんは変わりなく、容態の悪い方もいなかった。比較的落ち着いた夜勤をこなし、仮眠もしっかり2時間取れた。あまねくんから[電話出れなくてごめんね。明日またかけるから。夜勤頑張ってね]と入っていたのを確認する。
わざと避けているわけではないけれど、あの一件以来すれ違ってばかりだななんて思う。しかし、それすら安堵してしまうのは、やはり妹さんの話が出るのを避けたいからだろう。
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