200 / 253
お付き合いすることになりまして
10
しおりを挟む
夕映ははっと思いついたように顔を上げた。
「そうですね! これじゃ雰囲気出ないですよね! さすがにパジャマのまま行くのは気が引けて着替えを持ってきたんです!」
意気揚々と話す夕映に小さく頷く夜天。せっかくなら見たことのないパジャマ姿というヤツを見せてもらおうじゃないかと興味津々である。
「じゃあ、向こうで着替えてこいよ」
そう言って指を差したのは脱衣場。普段自分しか入らない場所だ。最後に女性がきたのだってもう何年か前のこと。あの時もこんなふうに期待したかなとふと考える。
しかし、仕事に追われていて心に余裕のなかった当時の夜天の心情など自分でもよく覚えていなかった。
考えてみりゃずっと仕事ばっかりしてきたな……。夕映や旭のことを言ってみたものの、俺は仕事より恋愛を優先してのめり込むこともなかった。
今まで付き合ってきた女性は自分と同世代だったし、我儘を言われても「お互い大人なんだから」そう言って突き放したこともあった。
「あ! じゃあ、借りますね! 着替えてきます!」
飛び跳ねるようにして軽快に立ち上がる夕映。今にもスキップでもしそうでその浮かれた様子が見てとれた。
その背中を目で追ってふっと頬が緩む。
年が離れすぎてるから反対にいいのかもな……。相手に大人の対応を求めるのも、それが当然だと思うのも疲れるし。最初から子供だと思って接してる方が気が楽だしな……。
夜天は、今までの女性に感じたことのない心のゆとりを感じていた。もちろん、旭のことを考えたら余裕などないのだけれど、夕映に求めるものが他の女性よりも少ないことにも気付く。むしろ自分からなにかをしてあげたいと思ったのは初めてのことだった。
「そうですね! これじゃ雰囲気出ないですよね! さすがにパジャマのまま行くのは気が引けて着替えを持ってきたんです!」
意気揚々と話す夕映に小さく頷く夜天。せっかくなら見たことのないパジャマ姿というヤツを見せてもらおうじゃないかと興味津々である。
「じゃあ、向こうで着替えてこいよ」
そう言って指を差したのは脱衣場。普段自分しか入らない場所だ。最後に女性がきたのだってもう何年か前のこと。あの時もこんなふうに期待したかなとふと考える。
しかし、仕事に追われていて心に余裕のなかった当時の夜天の心情など自分でもよく覚えていなかった。
考えてみりゃずっと仕事ばっかりしてきたな……。夕映や旭のことを言ってみたものの、俺は仕事より恋愛を優先してのめり込むこともなかった。
今まで付き合ってきた女性は自分と同世代だったし、我儘を言われても「お互い大人なんだから」そう言って突き放したこともあった。
「あ! じゃあ、借りますね! 着替えてきます!」
飛び跳ねるようにして軽快に立ち上がる夕映。今にもスキップでもしそうでその浮かれた様子が見てとれた。
その背中を目で追ってふっと頬が緩む。
年が離れすぎてるから反対にいいのかもな……。相手に大人の対応を求めるのも、それが当然だと思うのも疲れるし。最初から子供だと思って接してる方が気が楽だしな……。
夜天は、今までの女性に感じたことのない心のゆとりを感じていた。もちろん、旭のことを考えたら余裕などないのだけれど、夕映に求めるものが他の女性よりも少ないことにも気付く。むしろ自分からなにかをしてあげたいと思ったのは初めてのことだった。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる