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Chapter2 『実験』の始まり
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モニターと一体型のデスクは、学校のメインコンピュータに登録されている生徒情報、各教科のレジュメ、参考文献、課題内容などすべて閲覧できる。メインコンピュータには、その他にも生徒の授業メモや提出課題、試験、その結果、クラブ活動の記録まですべて網羅されている。当然、生徒は閲覧禁止だけど。
「ここにID入力して」
「ありがとうございます。すみません、前の学校で使用していた端末よりも新しいものだから、わかりづらくて……」
「……いいよ、これくらい」
話しながらも、ナオヤくんは管理画面を起動させていた。だけどその後の操作は少したどたどしかった。
先日の話によれば、彼は生を受けて1年ほどらしい。ラーニングを受けたとは言っていたけれど、分からないことがあったっておかしくない。一つ画面を開く度、驚いたり感心したりしていた。
「ああ、これが学校の地図ですね」
「次の授業の教科書はどれですか?」
「なるほど。課題提出はこのタブから、これを選択して……」
仏心を出した結果、マニュアルに書いていることとほぼ同じことを、全部解説する羽目になってしまった。
ようやく終わる頃には、ホームルームは終わって、一限目の先生が教室に入ってきていた。
慌てて自分の席に戻ったところで、自分の端末でポロンと音がした。メッセージの着信だ。授業の記録以外に、生徒同士、教師からの連絡などのためのメッセージ機能もついている。
他の人が着信した気配はないので、私一人に対してらしい。何かと思って、開いてみると……
『昼休みもご一緒願います』
そう、書かれていた。
瞬きして、そろっと隣に目をやる。そこにはニコッと爽やかに微笑む奇妙な人が……。
わかっていた。彼が教室に入ってきたその時から、わかっていたんだ。
きっとこれから、逃げられないんだと。
(ていうか……使いこなしてるじゃない……!)
「ここにID入力して」
「ありがとうございます。すみません、前の学校で使用していた端末よりも新しいものだから、わかりづらくて……」
「……いいよ、これくらい」
話しながらも、ナオヤくんは管理画面を起動させていた。だけどその後の操作は少したどたどしかった。
先日の話によれば、彼は生を受けて1年ほどらしい。ラーニングを受けたとは言っていたけれど、分からないことがあったっておかしくない。一つ画面を開く度、驚いたり感心したりしていた。
「ああ、これが学校の地図ですね」
「次の授業の教科書はどれですか?」
「なるほど。課題提出はこのタブから、これを選択して……」
仏心を出した結果、マニュアルに書いていることとほぼ同じことを、全部解説する羽目になってしまった。
ようやく終わる頃には、ホームルームは終わって、一限目の先生が教室に入ってきていた。
慌てて自分の席に戻ったところで、自分の端末でポロンと音がした。メッセージの着信だ。授業の記録以外に、生徒同士、教師からの連絡などのためのメッセージ機能もついている。
他の人が着信した気配はないので、私一人に対してらしい。何かと思って、開いてみると……
『昼休みもご一緒願います』
そう、書かれていた。
瞬きして、そろっと隣に目をやる。そこにはニコッと爽やかに微笑む奇妙な人が……。
わかっていた。彼が教室に入ってきたその時から、わかっていたんだ。
きっとこれから、逃げられないんだと。
(ていうか……使いこなしてるじゃない……!)
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