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あの子が快楽に堕ちるまで♡
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好みだな。
寝ぐせの残る猫っ毛、大きな瞳、童顔。歯を見せて元気に笑う姿が可愛らしい。大学の入学式でナツを見た瞬間、そう思った。初めはそれだけだった。
大学生になったら独り立ちしろ、という親の方針もあり、実家を出た。仕送りはあるものの少し心許なく、なるべく安く住める寮を選んだ。
不安なのが、二人部屋なこと。そして俺がゲイだということ。
ゲイであることは隠して生きてきた。誰にも言ってない。だからそういう経験だってない。万が一でも同室の男に惚れてしまったら、寮を出よう。抑え込んできたこの性欲で、いろいろと耐え切れる自信がない。ゲイだとバレて異端視されるのは嫌だ。墓場まで隠し通すと決めたんだ。
いっそのこと、同室の人が全く好みじゃなければいいのにな。
そんなことを思いながら寮の部屋で荷解きをしていた。すると、ドアが開いた。きっと同室の人だ。
ガタガタとドアやら壁やらにぶつかる音。大量に持った荷物をいろんなところに引っ掛けながら、その男は部屋に入ってきた。
「あ」
つい、声が出た。入学式で見た、好みの可愛い子が目の前にいるではないか。
その子は息をついて、顔を上げる。目を合わせた瞬間に大きな瞳がさらに見開かれた。
「うわっ、すげぇイケメン!」
最初のひと言はこれだった。
驚いたその顔も可愛くて、頰が赤くなりそうなのを取り繕う。
「はは、ありがとう。同室の人だよね。俺は入谷柊斗」
「あっ、ごめん自己紹介もせず! ド美形だからびっくりしたわ。俺は大塚七都。数字の7に都って書いてナツ。よろしくな!」
「ナツ……か。よろしく」
かっこいいとかはよく言われるけど、ド美形って、なんだその言語は。手を差し出すと、その手を取ってにっこりと笑い返された。愛想が良くて、とっつきやすくて友達も多そう。ますます可愛い。
「荷解き手伝うよ。俺はだいたい終わったから」
「助かるー! 同室の相手どんな人か緊張してたからさ、入谷いいやつでよかった!」
「俺もよかったよ」
ナツは俺の言葉の深い意味を理解できず、少し首を傾げた。
「そっか??」
前言撤回しよう。
この子を毎日眺められるんだったら、俺の気持ちは絶対に隠し通す。寮を出てなんてやるものか。ここを選んで本当によかった。
*
寮生活を始めてから少し日が経ち、生活にも慣れてきた。
「うわっ!?」
朝、ナツの驚きの声で目を覚ました。
「いっ、入谷!? なんで俺のベッドで寝てんだよ!?」
ナツはめちゃくちゃ慌てて、壁に引っ付いている。
そうだった。昨日はナツが寝静まってからベッドに入り込み、ナツの寝顔を眺めながら寝てしまったんだ。
「最近なかなか寝付けないんだ。ナツの隣だったらあったかくて寝やすいかなって。思った通りすごくよく眠れた」
我ながら誤魔化すのが上手い。培ってきた処世術だ。
ナツは何か言いたげに口を尖らせたあと、
「寝れたんならいいけど……お前イケメンだからびびる……」
と、ふてくされながらも許してくれた。可愛い。味を占めた俺は、その日以降毎日ナツのベッドに入り込むようになった。
ナツと生活して分かった。ナツは単純で、ちょろい。こんなに可愛いのによく今まで無事でいられたな、と心配になる。
最初は好奇心で、寝ているナツの頬をつついたり、頭を撫でたりしていた。でも、ナツは全く起きない。どれほどのことをすれば起きるんだろうか。気になって、行為は少しずつエスカレートしていく。
そして今晩も。
通路を挟んで隣同士に並んだベッドで、ナツは眠っている。ナツは寝る時間も寝付くのも早い。俺は床に膝をついてベッドを覗き込む。この可愛い寝顔を眺めて癒されて……
「ッ……ふっ……ナツ……♡」
いや、興奮してオナっている。ここ毎日のおかずはナツだ。少しだけ漏れてしまう声と、しごく音。
バレたらまずいのに。
そう思っても日に日に強くなる性欲は止められない。
「出すよ……ナツ……ッ♡」
興奮しきった俺は、ナツの寝顔に欲をぶっかけた。可愛い寝顔に、白濁がどろりと流れ落ちる。それでも、起きない。
汚してしまった。罪悪感と同時に訪れる高揚感。
もっと汚したい。ナツを犯したい。俺の下で、喘ぐ姿が見たい……!
ストッパーが外れてしまった俺は、それから毎晩ナツが寝静まってから少しずつ身体を開発していった。
服の中に手を滑り込ませ、乳首をいじる。
「ナツ、コリコリされるの気持ちいい……? 気持ちいいよね……♡ 可愛い……♡」
耳もとで、意識に刷り込むように囁く。
日が経つにつれ、最初は唸り声だったのが「んっ♡うっ♡」という嬌声に変わっていくのは最高だった。だんだんと乳首でも感じるようになってくれている。
勃たせたちんこはしごくだけではなく、フェラをしたり、兜合わせをしてイかせた日もあった。毎回気持ちよさそうにしてくれて、嬉しい。
それと忘れてはいけないのが、尻の穴。最終的に俺のを挿れるんだ。よーく、慣らしてあげないと。ローションで指を濡らし、挿入する。寝てるのもあって最初はなかなか入ってくれなかったけど、何日もかけて慣らし、拡張し、ついに前立腺を探り当てた。
「ーーッ♡」
ナツの身体が小さく跳ねた。
寝てても感じてる……やばい、すっごく可愛い……♡
「ゆっくり慣らすから、ここだけでイけるようになろうね……俺のを挿れるんだよ、頑張ろうね……♡」
耳もとで囁くと、キュ♡と穴が締まった。
俺の気持ちを隠し通すって決めたことも撤回だ。
もう引き返せない。ナツが起きたら、ナツが気づいたら……ナツのナカに挿れる。来たるその時のため、痛くないように、じゅうぶん慣らすからね。はは、楽しみだな……♡
ナツの開発を進めていたとある夜。乳首をいじっていると、
「んっ、ふぅ……ッ♡ん♡ん♡」
喘ぎ声がいつもと違う。呼吸の仕方も違う。声が出てしまうのを我慢してるような。もっと責めてみよう。
「っ、♡ ん♡んっ♡はっ……うぅ……♡」
……絶対起きてる。ゴクリと唾を飲み込む。興奮でもう射精そうだ。
寝たふりでやり過ごそうとしてるけど、そうはいかないよ。俺はこの時をずっと待ってたんだ♡
ナツの情欲を煽るため、耳もとで囁きかける。
「あー……ビクビクしてかっわいい……えろい声……こっちもいじってあげるね」
「っ……!?♡」
もう勃ってる。先走りもすごい。声我慢してる分、さらに感じたのかな。しごいてあげると、すぐにイった。
あーーー……可愛い。もう我慢できない。
「もうちょい付き合ってね……♡」
イって息を切らすナツの口を塞ぐ。俺はその日ついにナツで童貞を卒業した。ナツの反応は想像以上に可愛くて、気持ちよくて、それからは何度も何度も寝ているナツを襲った。
文句は言われるけど、本気で拒絶はされていない。ナツだって俺とのセックスが嫌ってわけじゃないはず。それでも、好きだと伝えるのは少し怖かった。
この関係に名前をつけないまま。それが良くなかった。
ナツは俺から逃げた。別の男の家に泊まるなんて。
腹が立って、無理矢理空き教室に連れ込んだ。とっくに快楽から逃れられない体になってるってこと、分からせないと。
空き教室で溺れるようにセックスをし、告白をした。とろけて訳がわからなくなってるナツに好きだと言わせて、恋人になると宣言させた。後からごねられるかと思いきや、素直に俺を受け入れてくれることが増えた。
これは、もしかしなくても、ナツは俺のことが好きなんだと考えていいよな。きっとそうだ。
それでも俺の気持ちは順風満帆……とはいかず。
恋人になるという目的を果たした今、それだけでは足りず、俺にはどんどん欲が芽生えている。
次は、ナツに自発的に好きだと言ってもらいたい。前言わせた時のあの録音は何百回と再生してオカズにしたけど、それはそれ。好きだと言ってもらって、もっと俺を求めて欲しい。自分がこんなに欲深い人間だったなんて、知らなかったな。
*
というわけで今晩もナツはぐっすり寝ている。
今日は趣向を変えて、オモチャを用意した。エネマグラだ。後々、電マやバイブも試してみるのもいいなあ。そんなことを思いながら、布団を剥いだ。そっとナツのスウェットとパンツをずらし、ローションで濡らした指で穴を拡張していく。もぞもぞと動くが、これくらいで起きる気配はない。ある程度広がったところで、こちらもローションで濡らしたエネマグラを挿れてみた。
前立腺開発にいいって言うけど、本当にそうなのだろうか。ネットの声に疑問を浮かべていると……
ビクンッ♡♡
「ーー~~ッ♡♡」
良いところにハマったみたいだ。感じてる、可愛い……♡
尻とお腹が小刻みにヒクヒクしている。筋肉を動かすたびに、甘い声が漏れている。やばいな、これで抜ける……♡ 毎日挿れると怒られるし、今日はこれで楽しもう。
ナツの服を元に戻し、エネマグラでイっている姿をオカズに抜いた。満足していつものようにナツのベッドに潜り込み、ピクピクしているナツを抱きしめた。
「……りや、い、りやぁ……♡」
「ん……」
……肩を揺さぶられている。俺を起こすナツの声が、なんだかいつもより色っぽい。ゆっくり目を開けると、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。
「いりやぁ♡ おきて、おきてぇ……♡」
「ナツ……どうしたの?」
「どうしたの、じゃ、ねぇよ♡ んっ♡ なに、してくれてんだ、あ♡ あ♡ やば、いっ♡♡ またッ♡♡」
「え?」
「ッ♡ ~~~~~~~~~~ッ♡♡♡♡」
ナツは俺の肩に顔をうずめて、ビクビクと身体を震わせた。
「ナツ、イったの? 俺まだ何もしてないけど……あっ」
まさか。
布団をめくると、中はぐちゃぐちゃになっていた。白濁まみれのシーツに、脱ぎ捨てられたズボンとパンツ。エネマグラはナツのナカから取り出されて、ベッドの隅に追いやられている。
しまった。甘イキしてるナツが可愛いすぎて、抜くのを忘れていた。しかもそのまま寝た。
「うっ……ううっ……♡ 起きたら、変なもんハマってたしっ……♡ がんばって、抜いたのに、ずっと終わんない……ッ♡ きもちいの終わんない♡ 動くたびに、イく癖ついてる♡ おれ、しんじゃう♡ おまえのっ、せいだ……ッ♡ いりや、はやく、どうにかしてぇ♡♡」
ナツの瞳から涙がぼろぼろ溢れた。エネマグラで寝ている間もイき続けて、快楽に浸りすぎた脳がおかしくなってるんだろう。泣きながらイってるのも可愛いけど、さすがにやりすぎた。
「ごめんね、ナツ。気持ち良すぎたんだね。怖かったね」
泣かせてしまった。震えている身体を抱きしめて、頭を撫でる。ナツは俺の首に手を回して、抱きしめ返してくれた。
「う~~~っ ばか、あほ、いりや、いりやぁ……♡♡」
「よしよし、ごめんごめん。責任とるから、らぶらぶえっちしよう♡ 怖くない、怖くない。気持ちいいだけだよ、ね♡」
「らぶらぶ……♡ うん、する……♡」
訳のわからなくなっているナツをひっくり返して押し倒し、股を開かせる。さっきまでエネマグラの入っていた穴はぽっかり開いている。ひくひくして、早く挿れてとせがんでいるみたいだ。ちんこを穴に擦り付けると、簡単に飲み込まれた。
「んう……っ♡ いりやの、ちんこ……♡♡ あ、う♡ ああああッ♡♡♡」
ーードチュン♡♡♡
「……ッ、ナツのナカ、とろっとろになってる……♡ 気持ちいい……ッ♡」
「は……♡ あ……♡」
とちゅ♡とちゅ♡とちゅ♡
「やっ♡ ああああああ~~~ッ♡♡ 待って♡ イきすぎてう♡ もう、むりぃ♡♡ やだっ♡♡ イぐのこわいぃ♡ ッ♡ッ"♡♡」
「挿れてもだめか……怖がらせてごめんね、ナツ。ちゅーしようね。そしたら怖くないからね」
「ほんと……?♡ んっ……♡ ちゅー……♡」
強く抱きしめて、舌を絡ませるキス。互いの舌を舐め合いながら、ナツを安心させるために、ゆっくり、ゆっくり腰を動かす。
ずる~~~~っ♡♡ ずる~~~~っ♡♡♡
「ん~~~ッ♡ ん、ふぅ~~~♡♡ んぅ~~~ッ♡♡」
「どう? 落ち着いた?」
「~~~~っ♡♡ ゆっくり、すんの、っ~~~♡ おなか、きゅんきゅんする♡ う"~~~~~~ッ♡♡」
「キスハメきもちいーね♡」
「ん~~~っ♡♡ き、きもち、い……♡ あぁ~~ッ♡♡」
ナカで主張する前立腺を擦りながら、抜ける直前まで引き、最後まで押し込む。ずっと痙攣してるし、擦るたびにとろとろになったナツからは嬌声が溢れる。可愛すぎて、ちんこ痛ってえ……けっこう限界だ……♡
「ッ……はぁ……ナツ……♡ もう、怖くない?」
「んへ……きもちい……♡♡ うう~~~♡♡」
「じゃあっ……激しくしていい? ナツも、足りないよね……♡」
耳もとで囁き、首筋を舐める。ナツはピクピクと震えながら、頷いた。
「んっ……♡ いいよ……♡ おなかのおく、うずいてるから……♡ はやく、いりやのせーえき欲しい……♡♡」
「ッ……! こっちは我慢してるのにな……そんなこと言われたら加減できないよ……ッ♡♡」
~~~バチュン♡♡ ゴポッ♡♡♡
パンッ♡パンッ♡パンッ♡♡パンッ♡♡
「~~~~~~ッ♡♡ ああッ♡あっ♡あっ♡あっ♡ はあッ♡♡ いりやッ♡ んにゃぁああ♡♡」
「ナツ……ッ♡ ナツ……ッ♡ すき、すき……♡♡」
「やあぁああ♡♡♡ イく♡ イくぅ♡♡」
「うん、気持ちよくてイっちゃうね♡ 一緒にイこうね♡」
「あ……♡ あ……♡ んぅ~~~~~~ッ♡♡♡」
ビューーーーーッ♡♡
ビュルビュル♡♡ ドプドプ……ッ♡♡
「だっ、出しすぎッ♡♡ またイくッ♡♡ イッ、あ~~~~~~ッ♡♡♡ ッ♡ ~~~~~~ッ♡♡♡」
「……ッ、は……♡」
中出しで追いイキをしたナツは腰を逸らしながら、プシュッ♡ プシュッ♡と潮を吹いた。
「ッ……、♡ ッ♡♡ッ♡♡」
「ナツ……可愛い……♡ 好きだよ……♡」
「は、へ……ぇっ……♡♡」
ガクン、とナツの意識が落ちた。
はぁ……♡ きもちよかった……♡♡
今日も頑張ってくれて、ありがとう。服で隠れて見えない胸もとのところに、キスマークをつけた。俺のものって証。
さすがに無理させすぎたし、しばらく寝かせてあげよう。今日が休みの日でよかった。体を拭いて着替えさせ、汚れてない俺のベッドに寝かせて、ナツのベッドのシーツを変える。服とシーツは洗濯に出した。
それから、朝ごはんを用意しよう。
ナツが起きてきたら一緒に食べるんだ。エネマグラのことは怒られるだろうけど、きっとそんな会話も楽しい。
……何かを忘れているような。
あ、そうだ。ナツに好きって言ってもらう計画だったんだ。まあ、それはまたの機会にしようかな。
すやすやと眠るナツの唇にそっと触れるだけのキスをして、俺は朝ごはんの準備に取りかかった。
寝ぐせの残る猫っ毛、大きな瞳、童顔。歯を見せて元気に笑う姿が可愛らしい。大学の入学式でナツを見た瞬間、そう思った。初めはそれだけだった。
大学生になったら独り立ちしろ、という親の方針もあり、実家を出た。仕送りはあるものの少し心許なく、なるべく安く住める寮を選んだ。
不安なのが、二人部屋なこと。そして俺がゲイだということ。
ゲイであることは隠して生きてきた。誰にも言ってない。だからそういう経験だってない。万が一でも同室の男に惚れてしまったら、寮を出よう。抑え込んできたこの性欲で、いろいろと耐え切れる自信がない。ゲイだとバレて異端視されるのは嫌だ。墓場まで隠し通すと決めたんだ。
いっそのこと、同室の人が全く好みじゃなければいいのにな。
そんなことを思いながら寮の部屋で荷解きをしていた。すると、ドアが開いた。きっと同室の人だ。
ガタガタとドアやら壁やらにぶつかる音。大量に持った荷物をいろんなところに引っ掛けながら、その男は部屋に入ってきた。
「あ」
つい、声が出た。入学式で見た、好みの可愛い子が目の前にいるではないか。
その子は息をついて、顔を上げる。目を合わせた瞬間に大きな瞳がさらに見開かれた。
「うわっ、すげぇイケメン!」
最初のひと言はこれだった。
驚いたその顔も可愛くて、頰が赤くなりそうなのを取り繕う。
「はは、ありがとう。同室の人だよね。俺は入谷柊斗」
「あっ、ごめん自己紹介もせず! ド美形だからびっくりしたわ。俺は大塚七都。数字の7に都って書いてナツ。よろしくな!」
「ナツ……か。よろしく」
かっこいいとかはよく言われるけど、ド美形って、なんだその言語は。手を差し出すと、その手を取ってにっこりと笑い返された。愛想が良くて、とっつきやすくて友達も多そう。ますます可愛い。
「荷解き手伝うよ。俺はだいたい終わったから」
「助かるー! 同室の相手どんな人か緊張してたからさ、入谷いいやつでよかった!」
「俺もよかったよ」
ナツは俺の言葉の深い意味を理解できず、少し首を傾げた。
「そっか??」
前言撤回しよう。
この子を毎日眺められるんだったら、俺の気持ちは絶対に隠し通す。寮を出てなんてやるものか。ここを選んで本当によかった。
*
寮生活を始めてから少し日が経ち、生活にも慣れてきた。
「うわっ!?」
朝、ナツの驚きの声で目を覚ました。
「いっ、入谷!? なんで俺のベッドで寝てんだよ!?」
ナツはめちゃくちゃ慌てて、壁に引っ付いている。
そうだった。昨日はナツが寝静まってからベッドに入り込み、ナツの寝顔を眺めながら寝てしまったんだ。
「最近なかなか寝付けないんだ。ナツの隣だったらあったかくて寝やすいかなって。思った通りすごくよく眠れた」
我ながら誤魔化すのが上手い。培ってきた処世術だ。
ナツは何か言いたげに口を尖らせたあと、
「寝れたんならいいけど……お前イケメンだからびびる……」
と、ふてくされながらも許してくれた。可愛い。味を占めた俺は、その日以降毎日ナツのベッドに入り込むようになった。
ナツと生活して分かった。ナツは単純で、ちょろい。こんなに可愛いのによく今まで無事でいられたな、と心配になる。
最初は好奇心で、寝ているナツの頬をつついたり、頭を撫でたりしていた。でも、ナツは全く起きない。どれほどのことをすれば起きるんだろうか。気になって、行為は少しずつエスカレートしていく。
そして今晩も。
通路を挟んで隣同士に並んだベッドで、ナツは眠っている。ナツは寝る時間も寝付くのも早い。俺は床に膝をついてベッドを覗き込む。この可愛い寝顔を眺めて癒されて……
「ッ……ふっ……ナツ……♡」
いや、興奮してオナっている。ここ毎日のおかずはナツだ。少しだけ漏れてしまう声と、しごく音。
バレたらまずいのに。
そう思っても日に日に強くなる性欲は止められない。
「出すよ……ナツ……ッ♡」
興奮しきった俺は、ナツの寝顔に欲をぶっかけた。可愛い寝顔に、白濁がどろりと流れ落ちる。それでも、起きない。
汚してしまった。罪悪感と同時に訪れる高揚感。
もっと汚したい。ナツを犯したい。俺の下で、喘ぐ姿が見たい……!
ストッパーが外れてしまった俺は、それから毎晩ナツが寝静まってから少しずつ身体を開発していった。
服の中に手を滑り込ませ、乳首をいじる。
「ナツ、コリコリされるの気持ちいい……? 気持ちいいよね……♡ 可愛い……♡」
耳もとで、意識に刷り込むように囁く。
日が経つにつれ、最初は唸り声だったのが「んっ♡うっ♡」という嬌声に変わっていくのは最高だった。だんだんと乳首でも感じるようになってくれている。
勃たせたちんこはしごくだけではなく、フェラをしたり、兜合わせをしてイかせた日もあった。毎回気持ちよさそうにしてくれて、嬉しい。
それと忘れてはいけないのが、尻の穴。最終的に俺のを挿れるんだ。よーく、慣らしてあげないと。ローションで指を濡らし、挿入する。寝てるのもあって最初はなかなか入ってくれなかったけど、何日もかけて慣らし、拡張し、ついに前立腺を探り当てた。
「ーーッ♡」
ナツの身体が小さく跳ねた。
寝てても感じてる……やばい、すっごく可愛い……♡
「ゆっくり慣らすから、ここだけでイけるようになろうね……俺のを挿れるんだよ、頑張ろうね……♡」
耳もとで囁くと、キュ♡と穴が締まった。
俺の気持ちを隠し通すって決めたことも撤回だ。
もう引き返せない。ナツが起きたら、ナツが気づいたら……ナツのナカに挿れる。来たるその時のため、痛くないように、じゅうぶん慣らすからね。はは、楽しみだな……♡
ナツの開発を進めていたとある夜。乳首をいじっていると、
「んっ、ふぅ……ッ♡ん♡ん♡」
喘ぎ声がいつもと違う。呼吸の仕方も違う。声が出てしまうのを我慢してるような。もっと責めてみよう。
「っ、♡ ん♡んっ♡はっ……うぅ……♡」
……絶対起きてる。ゴクリと唾を飲み込む。興奮でもう射精そうだ。
寝たふりでやり過ごそうとしてるけど、そうはいかないよ。俺はこの時をずっと待ってたんだ♡
ナツの情欲を煽るため、耳もとで囁きかける。
「あー……ビクビクしてかっわいい……えろい声……こっちもいじってあげるね」
「っ……!?♡」
もう勃ってる。先走りもすごい。声我慢してる分、さらに感じたのかな。しごいてあげると、すぐにイった。
あーーー……可愛い。もう我慢できない。
「もうちょい付き合ってね……♡」
イって息を切らすナツの口を塞ぐ。俺はその日ついにナツで童貞を卒業した。ナツの反応は想像以上に可愛くて、気持ちよくて、それからは何度も何度も寝ているナツを襲った。
文句は言われるけど、本気で拒絶はされていない。ナツだって俺とのセックスが嫌ってわけじゃないはず。それでも、好きだと伝えるのは少し怖かった。
この関係に名前をつけないまま。それが良くなかった。
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前立腺開発にいいって言うけど、本当にそうなのだろうか。ネットの声に疑問を浮かべていると……
ビクンッ♡♡
「ーー~~ッ♡♡」
良いところにハマったみたいだ。感じてる、可愛い……♡
尻とお腹が小刻みにヒクヒクしている。筋肉を動かすたびに、甘い声が漏れている。やばいな、これで抜ける……♡ 毎日挿れると怒られるし、今日はこれで楽しもう。
ナツの服を元に戻し、エネマグラでイっている姿をオカズに抜いた。満足していつものようにナツのベッドに潜り込み、ピクピクしているナツを抱きしめた。
「……りや、い、りやぁ……♡」
「ん……」
……肩を揺さぶられている。俺を起こすナツの声が、なんだかいつもより色っぽい。ゆっくり目を開けると、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。
「いりやぁ♡ おきて、おきてぇ……♡」
「ナツ……どうしたの?」
「どうしたの、じゃ、ねぇよ♡ んっ♡ なに、してくれてんだ、あ♡ あ♡ やば、いっ♡♡ またッ♡♡」
「え?」
「ッ♡ ~~~~~~~~~~ッ♡♡♡♡」
ナツは俺の肩に顔をうずめて、ビクビクと身体を震わせた。
「ナツ、イったの? 俺まだ何もしてないけど……あっ」
まさか。
布団をめくると、中はぐちゃぐちゃになっていた。白濁まみれのシーツに、脱ぎ捨てられたズボンとパンツ。エネマグラはナツのナカから取り出されて、ベッドの隅に追いやられている。
しまった。甘イキしてるナツが可愛いすぎて、抜くのを忘れていた。しかもそのまま寝た。
「うっ……ううっ……♡ 起きたら、変なもんハマってたしっ……♡ がんばって、抜いたのに、ずっと終わんない……ッ♡ きもちいの終わんない♡ 動くたびに、イく癖ついてる♡ おれ、しんじゃう♡ おまえのっ、せいだ……ッ♡ いりや、はやく、どうにかしてぇ♡♡」
ナツの瞳から涙がぼろぼろ溢れた。エネマグラで寝ている間もイき続けて、快楽に浸りすぎた脳がおかしくなってるんだろう。泣きながらイってるのも可愛いけど、さすがにやりすぎた。
「ごめんね、ナツ。気持ち良すぎたんだね。怖かったね」
泣かせてしまった。震えている身体を抱きしめて、頭を撫でる。ナツは俺の首に手を回して、抱きしめ返してくれた。
「う~~~っ ばか、あほ、いりや、いりやぁ……♡♡」
「よしよし、ごめんごめん。責任とるから、らぶらぶえっちしよう♡ 怖くない、怖くない。気持ちいいだけだよ、ね♡」
「らぶらぶ……♡ うん、する……♡」
訳のわからなくなっているナツをひっくり返して押し倒し、股を開かせる。さっきまでエネマグラの入っていた穴はぽっかり開いている。ひくひくして、早く挿れてとせがんでいるみたいだ。ちんこを穴に擦り付けると、簡単に飲み込まれた。
「んう……っ♡ いりやの、ちんこ……♡♡ あ、う♡ ああああッ♡♡♡」
ーードチュン♡♡♡
「……ッ、ナツのナカ、とろっとろになってる……♡ 気持ちいい……ッ♡」
「は……♡ あ……♡」
とちゅ♡とちゅ♡とちゅ♡
「やっ♡ ああああああ~~~ッ♡♡ 待って♡ イきすぎてう♡ もう、むりぃ♡♡ やだっ♡♡ イぐのこわいぃ♡ ッ♡ッ"♡♡」
「挿れてもだめか……怖がらせてごめんね、ナツ。ちゅーしようね。そしたら怖くないからね」
「ほんと……?♡ んっ……♡ ちゅー……♡」
強く抱きしめて、舌を絡ませるキス。互いの舌を舐め合いながら、ナツを安心させるために、ゆっくり、ゆっくり腰を動かす。
ずる~~~~っ♡♡ ずる~~~~っ♡♡♡
「ん~~~ッ♡ ん、ふぅ~~~♡♡ んぅ~~~ッ♡♡」
「どう? 落ち着いた?」
「~~~~っ♡♡ ゆっくり、すんの、っ~~~♡ おなか、きゅんきゅんする♡ う"~~~~~~ッ♡♡」
「キスハメきもちいーね♡」
「ん~~~っ♡♡ き、きもち、い……♡ あぁ~~ッ♡♡」
ナカで主張する前立腺を擦りながら、抜ける直前まで引き、最後まで押し込む。ずっと痙攣してるし、擦るたびにとろとろになったナツからは嬌声が溢れる。可愛すぎて、ちんこ痛ってえ……けっこう限界だ……♡
「ッ……はぁ……ナツ……♡ もう、怖くない?」
「んへ……きもちい……♡♡ うう~~~♡♡」
「じゃあっ……激しくしていい? ナツも、足りないよね……♡」
耳もとで囁き、首筋を舐める。ナツはピクピクと震えながら、頷いた。
「んっ……♡ いいよ……♡ おなかのおく、うずいてるから……♡ はやく、いりやのせーえき欲しい……♡♡」
「ッ……! こっちは我慢してるのにな……そんなこと言われたら加減できないよ……ッ♡♡」
~~~バチュン♡♡ ゴポッ♡♡♡
パンッ♡パンッ♡パンッ♡♡パンッ♡♡
「~~~~~~ッ♡♡ ああッ♡あっ♡あっ♡あっ♡ はあッ♡♡ いりやッ♡ んにゃぁああ♡♡」
「ナツ……ッ♡ ナツ……ッ♡ すき、すき……♡♡」
「やあぁああ♡♡♡ イく♡ イくぅ♡♡」
「うん、気持ちよくてイっちゃうね♡ 一緒にイこうね♡」
「あ……♡ あ……♡ んぅ~~~~~~ッ♡♡♡」
ビューーーーーッ♡♡
ビュルビュル♡♡ ドプドプ……ッ♡♡
「だっ、出しすぎッ♡♡ またイくッ♡♡ イッ、あ~~~~~~ッ♡♡♡ ッ♡ ~~~~~~ッ♡♡♡」
「……ッ、は……♡」
中出しで追いイキをしたナツは腰を逸らしながら、プシュッ♡ プシュッ♡と潮を吹いた。
「ッ……、♡ ッ♡♡ッ♡♡」
「ナツ……可愛い……♡ 好きだよ……♡」
「は、へ……ぇっ……♡♡」
ガクン、とナツの意識が落ちた。
はぁ……♡ きもちよかった……♡♡
今日も頑張ってくれて、ありがとう。服で隠れて見えない胸もとのところに、キスマークをつけた。俺のものって証。
さすがに無理させすぎたし、しばらく寝かせてあげよう。今日が休みの日でよかった。体を拭いて着替えさせ、汚れてない俺のベッドに寝かせて、ナツのベッドのシーツを変える。服とシーツは洗濯に出した。
それから、朝ごはんを用意しよう。
ナツが起きてきたら一緒に食べるんだ。エネマグラのことは怒られるだろうけど、きっとそんな会話も楽しい。
……何かを忘れているような。
あ、そうだ。ナツに好きって言ってもらう計画だったんだ。まあ、それはまたの機会にしようかな。
すやすやと眠るナツの唇にそっと触れるだけのキスをして、俺は朝ごはんの準備に取りかかった。
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書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。


皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
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