義妹の策略で婚約破棄された高嶺の花は、孤高の王太子に溺愛される。


☆第二章開始しました(不定期更新)


 〜*〜*〜*〜*〜*〜


 亡母譲りの美貌を持つ、スノーベル侯爵家令嬢カトレアは、才色兼備の高嶺の花と呼ばれ、周囲からの羨望を一身に受けていた。

 しかし、その一方では、陰で義妹を虐める悪徳令嬢という噂も出回っていて――


 身に覚えのない悪評に、カトレアは無関心を装いながらも内心では戸惑うばかり。

 ある日、婚約者のグレース公爵家子息ライモンドから、婚約破棄を言い渡されてしまう。


 ――婚約破棄の理由は、義妹ルシアを虐めているから?


 (それは誤解です! どうして信じてくださらないのですか!?)

「そのような事実はございません。何故、そのようなことを仰るのですか?」


 傷つき荒れ狂う心とは裏腹に、感情のない声で静かに答えるカトレアの姿は、実直な正義の貴公子ライモンドの目には冷徹に映る。


「さすがは正妻という名の妾の娘と言うべきか。腹黒い本心を隠すのが得意なようだ。素直に認めれば赦してやったものを……お前には失望した」


 軽蔑するように吐き捨てられた言葉に、カトレアは酷く傷ついた。

 
 (どうしてこんなことになってしまったの……?)


 ルシアを虐めているという理由で婚約破棄されたことが公になり、カトレアは学園でも家庭でも居場所を失い孤立してしまう。

 そして、カトレアが窮地に追い込まれれば追い込まれるほど、ルシアの笑みが深くなっていき……?

 実はこの一連の悲劇はルシアの策略であり、その目的は義姉カトレアの幸せを全て奪い取ることであった。

 しかし、その策略は思いもよらないところから打ち崩されることになって――


 孤立した高嶺の花を救うのは、孤高の王太子!?


「僕は自分の目で見て、耳で聞いたことを信じる。だから、君のことも信じるよ」


 決して他者を寄せ付けず、己の信条を貫き、冷血漢とまで言われていた孤高の王太子アルベルト。
 
 だけど、本当は優しさと温かい心を兼ね備えていて、傷ついたカトレアを癒してくれた。


 (私は私の幸せだけを考えて生きる。誰に何を言われても良い。アルベルト様がそばにいてくれるから……)


 アルベルトへの信頼と愛情で、カトレアは奮起する。


 しかし、ルシアの魔の手はアルベルトにまで伸びていて――


 〜*〜*〜*〜*〜*〜


☆第16回恋愛小説大賞エントリー作品

☆表紙デザイン→同人誌表紙メーカー様(https://dojin-support.net/)
24h.ポイント 14pt
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小説 29,681 位 / 192,050件 恋愛 13,203 位 / 57,183件

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