殺し屋しかいない世界

恋人の為に殺し屋を引退した女。
しかし、二人の幸せな生活は長くは続かない。ある日、異世界から来た謎の女に恋人を拐われてしまう。恋人の借金を返済し、謎の女から彼を取り戻す為、女は異世界から逃げている賞金首達を捕らえることを決める。いずれ謎の女に復讐する為、女は最強最悪だと恐れられていた殺し屋に戻る決意をする。


ーーーー。

「アナタは、どうして人を殺すの?」

「お腹がすくでしょ? だから食べる。それと一緒だよ」

「う~ん。良く分からない」

「分からなくていい。私のことは、分かろうとしなくて。考えれば、綺麗なキミがその分汚れてしまうから」

「………どうして、助けてくれたの?」

「助けたつもりはないよ。私は、ターゲットを依頼通りに殺しただけ。だからね、早くここから逃げた方がいい。明日は、キミを殺すかもしれないから」

「…………うん」

燃える屋敷。人質となっていた少女の足音が遠ざかる。

夜は、これから。まだまだ依頼は残っている。休んでる暇なんてない。
もう…………さっき出会った少女の顔すら、忘れてしまった。
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