【R18】お飾り王太子妃は今日も暴走する〜えっ!?わたくしたち、白い結婚でしたよね〜

湊未来

文字の大きさ
上 下
9 / 9

過ちは繰り返される ※

しおりを挟む

「ひぃぃ!! もぉぉ……、むり……」

 ずちゅ、ずちゅとカインの剛直を突き入れられているリリアの悲鳴が寝室に響く。

「まだだ、まだ……、いける、だろ……」

 艶かしい声をリリアの耳元で響かせたカインが、さらなる快感を与えんと、親指の腹で濡れそぼった蜜芽を押しつぶす。その瞬間、全身を駆け抜けた快感に、リリアはカインの剛直を強く締めつけていた。
 蜜道がうごめくたびに、屹立を離しまいとうねる内壁。奥へ、奥へと誘い込むように屹立を咥えた蜜口は、リリアの意思とは関係なく愛液を垂れ流し、シーツの上へ卑猥なシミを広げていく。

 獣のような格好のまま、何度果てたかわからない。
 背後から穿たれるたびに、その激しい抽送に華奢なリリアの身体は前後に揺すられ、その揺れに合わせ円やかな乳房も揺れる。
 ねっとりと蜜芽をこねるように置かれた二本の指が動くたび、ビリビリとした快感が胎全体へと広がり、更なる快感を得ようと内壁を収縮させ蜜道を穿つ剛直を離しまいと絡みつく。

「あぁぁ、リリア。離したくないんだね。内壁が絡みついて、絞り取られそうだ」

 欲望を滲ませた艶かしいカインの声が耳元で響くだけで、リリアの身体は嬉しそうに反応する。そんな彼女の反応に気を良くしたカインの容赦ない攻めは続く。背後から回された手に、みっちりと剛直を受け入れている胎を押されながら膨れあがった鬼頭で最奥を突かれれば、リリアの目に火花が散る。

「いやぁぁ……だめぇぇ!! い、あぁぁ!!!!」

 蜜道のある一点を必要に攻められ、叫声を止められないリリアの声に呼応するかのように、カインの抽送も速くなる。子種を搾り取るかのごとくうごめく内壁の動きに、蜜道を穿つ屹立が限界まで膨れあがる。
 限界が近いとわかっていた。

「くっ……、リリア……、一緒に!!」

 真っ赤に熟れた蜜芽と乳首を同時につねられ、最奥へと穿たれた剛直が飛沫をぶちまけた瞬間、強烈な快感を伴い高みへと駆け登ったリリアの身体は快楽の底へと突き落とされた。
 今日、何度目かの淫水を噴き上げリリアが果てる。崩折れるようにシーツへと落ちたリリアは、突き抜けていった快楽の余韻に起き上がることも出来ない。

 もう……、無理……

 放心状態のリリアの身体を抱きしめたカインが耳元で悪魔の囁きを落とす。

「リリア、まだ足りない。長年の想い……、受け取ってくれ」

「えっ……、あっ、やだぁぁ、はな……して……」

 不穏な響きに背後を振り仰いだリリアだったが、急激に硬度を増した屹立に蜜道を穿たれ、疑問の声は艶かしい悲鳴へと変わった。
 どんな早技を使ったのか、繋がった状態でリリアの身体を反転させたカインは、彼女の脚を両手で掴みひらくと、いっきに膨れあがった剛直を蜜道の最奥めがけ突き入れた。
 壁を穿ち、次の瞬間には剛直が蜜口付近まで引き抜かれ、息をつく暇もなく突き入れられる。ばちゅん、ばちゅんと、卑猥な音を響かせ突き入れられるたびに、蜜口からあふれ出した愛液が、弾け飛び腹を濡らしていく。

 なにが、はじめては大切に抱きたいよぉぉ!!
 傷つけないように、優しくすると言った言葉は嘘だったの!!!
 カイン様の鬼、悪魔、鬼畜!!!!
 
 ずっちゅ、ずっちゅと高速ピストンで身体を揺すられながら、リリアの頭の中ではカインへの罵詈雑言がめぐる。しかし、悲しいかな開いた口から出るのは、艶かしいあえぎ声だけだった。

 恋を拗らせた男の欲を一身に受けるリリアの長い夜がふけていく。

――――そして、めくるめく一夜を終え目覚めたリリアは、隣で眠るカインの腕の中、昨晩の閨を思い返していた。

 いたんなく絶倫ぶりを発揮したカインは、リリアが泣き崩れた後も良いように彼女を丸め込み、明け方まで離さなかった。
 何度イヤだと叫ぼうが、ヤメてと泣こうが、ストッパーの外れたカインの攻めに永遠と喘がされ、抜かずの三発をおみまいされたリリアは気を失うことで、やっと解放されたのだ。

 ほんと絶倫で、イヤになっちゃうわ。

 幸せそうにスヤスヤと眠るカインを見ていると沸々と怒りが湧いてくる。思いっきり蹴飛ばしてやりたいが、一晩中酷使されたリリアの身体は、指一本動かせない有りさまだ。
 リリアは一つため息を吐き出し、昨夜のカインとのやり取りを思い出す。

 どうしてあんなに泣いてしまったのかしらね……

 カインに諭されるまで、侍従に化けたリリアにカインは気づいていないと思っていた。
 尋問と称して行われた淫雛な行為に、初心の身体は従順に反応した。カインの手管に翻弄され、リリアの身体は己の意志とは関係なく反応し快楽を貪欲に求めた。しかし、リリアの心は気づかぬところで、涙を流し続けていたのだ。

 それが達して放心状態になったことで、限界をむかえていた心に亀裂が入り、切ないほどの想いがあふれ出した。
 カインに抱かれているのはリリアなのに、カインが抱いているのはリリアではない別の女なのだと。

 今ならわかる。どうしてカインを攻めにした物語を書こうとしなかったのか。
 結局、男だろうと女だろうとカインに抱かれるのは私だけであって欲しかったのよね。
 たとえ物語の中であっても。

 わたくし……、思った以上にカイン様を愛していたのよね。

 深いため息を吐き出し、情事の跡の残る身体を隠すためシーツを引き上げた途端、カインの腕に引き寄せられリリアは彼の胸の中へと抱き込まれてしまう。

「……リリア、おはよう。身体は大丈夫?」

 眠そうな目を擦り見下ろすカインを見つめ、リリアの内に悪戯心が芽生える。両手でカインの顔を包み、自ら深いキスを仕掛けた。
『ちゅっ……、くちゅっ』と淫雛なリップ音が、爽やかな陽の光が差し込む寝室に響き消えていく。

 そんなリリアの大胆な行動に、大きく目を見開き固まるカイン。リリアの心が満たされていく。

 これで少しは反撃出来たかしら……

 クスクスと笑うリリアの頭上から不機嫌な声が降ってくる。

「リリア、朝から積極的だね……、これは夫として期待に応えないと」

 カインの言葉に思わず顔をあげたリリアは、己の浅はかさに気づいていなかった。黒い笑みを浮かべ、リリアのおとがいを持ち上げたカインの唇が迫る。『あっ……、まずった』とリリアが思った時には遅かった。朝から絶倫夫の欲を煽ったリリアは、この後、再度、己の認識の甘さを痛感することになる。

 妻からの可愛いおねだりを嬉々として叶えたカインは、昨晩以上の絶倫ぶりを発揮し、その日一日、王太子夫妻が部屋から出てくることはなかった。

 そして、数ヶ月後。ひとつの物語が完結した。

『王太子は秘密の夜に溺れる』

 いやぁ~、長かった。
 やっと、完成したわ。ハインツ様×カイン様の王太子調教もの♡

 リリアは仕上がった一冊のノートを胸に抱き、悦に浸る。物語が仕上がるまでの紆余曲折を思い出し目頭が熱くなる。

 カインへの深い恋心を自覚したリリアは、カインの名前で物語を綴ることが出来なくなってしまったのだ。そしてとった苦肉の策。今までの話をすべて架空の人物として書き直すことにしたのだ。

 ふふふ、あの夜のカイン様からの尋問は良い参考になったわねぇ。
 スパイ容疑をかけられた攻め様を受けの王太子自ら尋問するシーン。体験しただけあって、臨場感たっぷりの仕上がりになったはずよ♡

 そんな苦労でもなんでもない苦労を思い出し黒い笑みを浮かべ肩を震わせ笑うリリアには、背後で大きなため息をつくハンナの呟きは届かない。

「――――、王太子さま。おかわいそうに」

 それから数年が経ったある日。王城の侍女の間では、ある物語が噂の的になっていた。

『王太子は秘密の夜に溺れる』

 古びた一冊のノートが人から人へ、ゆっくりと渡っていく。そして、王城を飛び出し、貴族令嬢から夫人方へと渡り、社交界に一大ムーブメントを巻き起こした。

 人から人へと渡った古びたノートは、なんの因果か王太子殿下の手に渡り、ある日、執務室に大絶叫を響きわたらせることになる。

 一冊のノートを握りしめた王太子カインの受難は、まだまだ続く。




END
しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

ぱら
2024.06.18 ぱら

完結おめでとう㊗御座います!

一気読みしました〜(*´∀`*)

明らかに本人とわかる架空の人物
カインサマオカワイソウニ(*´ฅ`*)ププッ

2024.06.18 湊未来

一気読み!嬉しい感想ありがとうございます╰(*´︶`*)╯♡
あきらかに本人とわかる架空の人物(笑)
ノートが見つかった後のリリアの運命は……ふふふ
Love v(* ̄▽ ̄*)〃▽〃)Love

解除
こいぬ
2024.06.16 こいぬ

むちゃくちゃ面白いです!どうなるんだろうか、ドキドキしますね。

2024.06.16 湊未来

嬉しいお言葉、ありがとうございます╰(*´︶`*)╯♡
リリアの暴走を最後までお楽しみくださると嬉しいです!

解除
mii
2024.06.11 mii

2人のすれ違いが可愛らしいですね🤭💓
今後のお話が楽しみです✨

2024.06.11 湊未来

感想ありがとうございます╰(*´︶`*)╯♡
これからリリアの暴走は、ますます加速していきます(笑)
最後までお楽しみ頂けると嬉しいです♪

解除

あなたにおすすめの小説

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、 たまたま付き人と、 「婚約者のことが好きなわけじゃないー 王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」 と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。 私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、 「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」 なんで執着するんてすか?? 策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー 基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。

君は妾の子だから、次男がちょうどいい

月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

【完結】王太子殿下が幼馴染を溺愛するので、あえて応援することにしました。

かとるり
恋愛
王太子のオースティンが愛するのは婚約者のティファニーではなく、幼馴染のリアンだった。 ティファニーは何度も傷つき、一つの結論に達する。 二人が結ばれるよう、あえて応援する、と。

【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす

まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。  彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。  しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。  彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。  他掌編七作品収録。 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します 「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」  某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。 【収録作品】 ①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」 ②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」 ③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」 ④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」 ⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」 ⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」 ⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」 ⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。

鶯埜 餡
恋愛
 ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。  しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。