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第7章 それぞれの未来【ミリア視点】
18 エピローグ
しおりを挟む~ルカ視点~
『………ルカ…ごめんなさい………』
あの日…私の元に届けられたミリアからの手紙………
いつしかこの手紙は私にとって心の拠り所になっていた。
「陛下お時間でございます………」
部屋に入って来た副官のルドルフが告げる。
あの日、グルテンブルク王国を立ちリザンヌ王国へ戻って来た私は、父王から王位を奪うべく動き出した。
すでに、王宮でのほとんどの執務を行なっていた私は、側近含め重要な役職に信頼できる部下を配置していた。
反発する貴族は容赦なく切り捨て、私の息のかかった貴族当主で構成された議会にて形式上の父王に対する弾劾裁判を行い廃位に追い込んだ。
退位を迫られた父王は抵抗する事なく溺愛する母を伴い地方へ移り、悠々自適な隠居生活を送っている。
次の王位には王太子である私が推挙され承認を得て、数日前にリザンヌ王国の王として即位することとなった。
そして晴れ渡った今日………
民衆へ新国王としてお披露目される事となる。
バルコニーに続く控えの間には、外に集まった大観衆の声が止む事なく響く………
新しい王の登場を今か今かと待ちわびていた。
「………あぁ…今行く………」
私は手紙を懐にしまうと立ち上がり民衆が待つバルコニーに向かい歩き出す。
バルコニーから手を振れば眼下から民衆の大歓声が響き渡る………
………私の隣にミリアがいない事に胸が締めつけられる………
彼女を忘れる事など出来なかった………
………どこで選択を間違えてしまったのだろうか………
考えても考えても出ない答えに、いつしか考えることを放棄した。
風の噂でミリアは今日結婚するという………
私の中の仄暗い想いが湧き上がる………
………いつか貴方を奪ってみせる………
私はそっと胸元で光るアメジストのネックレスを握り、誓いのキスを落とした。
END
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