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第7章 それぞれの未来【ミリア視点】
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しおりを挟む~リドル視点~
………エリザベスがミリアを連れ去った………
タウンハウスへ帰って来た俺に侍女頭のエマが告げた言葉は衝撃だった。
確かにミリアの様子が少しずつおかしくなっていたのは気付いていた。
ルティア王女との婚約に関してミリアに告げてからだ………
ルティア王女との婚約は俺が断る事が出来ないのに、ミリアとは結婚するつもりだなんて………
自分でも矛盾していると思う。
でもどうしてもミリアを手放すことは出来ず今日までタウンハウスに監禁するような真似をしてきた。
………ミリアが助けを求めたのがエリザベスだったのが救いだ………
これでルカ・リックベンにでも助けを求められていたら最悪だった。
ルティア王女の計画も何もかも失敗するところだった………
ルティア王女との密会という名のルカ王太子を欺くための定期的な会食はずっと続いていたが、今夜の会食の時に、ルティア王女からルカ王太子に勝負を仕掛けた事を聞いた。
勝負の内容は、ミリアが俺を選べばルティア王女はイアンと結婚し、ミリアがルカ王太子を選べばベイカー公爵家へ嫁ぐという衝撃的な内容だったが………
今後、定期的にルティア王女に会う必要もなくなり、これからミリアとの時間を増やし少しずつ気持ちを変えさせようと思っていたのに………
『ミリアはしばらくシュバイン公爵家にてお預かり致します。お兄様に任せていては上手く行くものも上手く行かないと悟りました。お兄様はのんびりと高見の見物でもしていなさい。
わたくしとルティア王女殿下で必ずやミリアの気持ちを変えさせて見せますので………』
シュバイン公爵家に匿われたのなら取り返す事など不可能だ………
俺はエリザベスからの手紙を読み、ただ項垂れるしかなかった。
しかし………ルティア王女殿下とエリザベスはどうやってミリアの気持ちを変えさせるつもりなのだろうか………?
アイツは想像以上に頑固だ………
俺があの手この手で懐柔したが全く自身の考えを変えなかった。
それがたかが数週間で気持ちが変わるとは到底思えない。
ルカ王太子がリザンヌ王国へ帰る日取りが決まった今、全く時間がないのが現状だ。
今度の王城で開かれる晩餐会………
そこでルティア王女は婚約者を決めると言う………
そして、情報によるとルカ王太子がリザンヌ王国に戻るため、我が国を出立するのが晩餐会の翌日との事だ。
ルカ王太子側も時間がないのは、こちら側と同じ………
ルカ・リックベンは必ずミリアに接触してくるはずだ。
だからタウンハウスからミリアを出したくなかったというのに………
シュバイン公爵家へ連れ去られた今、ミリアが望めば街に出る事も可能だろう。
あの底知れない情報網を持つルカ王太子がミリアの行動を把握していない訳がない。すでに、タウンハウスからシュバイン公爵家へミリアが移った事も知っている可能性が高い。
そんな状態でミリアをルカ王太子に攫われないようにする事など本当に出来るのだろうか………
俺は憂鬱な気持ちのまま自室のベットに突っ伏した。
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