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第1章 男爵令嬢困惑編
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しおりを挟む『トントン』
………返答がない………
まぁ………昨日も、朝起きられないと言っていたし勝手に入っていいのよね。
室内に入った私だったが、案の定部屋の中は暗かった。
この部屋は、応接室兼執務室だったわね…
私は、部屋を横切りカーテンを開けた。
部屋は思ったより綺麗に整えられている。
………エリザベス様のお部屋は、花柄のカーテンにクリーム色の壁紙で、家具も白を基調にした物が多かったから可愛いらしいイメージだったけど、リドル様のお部屋は………まぁシンプルね。
深緑の重厚なカーテンに、壁紙はシンプルな白色。家具は、こげ茶色で統一されていて、清潔感があるが殺風景………
こりゃあ、花でも飾らないと寂しいわね………
私は、この後庭師のところに行って花を貰ってくる算段を立てながら、寝室とおぼしき部屋の扉を叩いた。
「リドル様、おはようございます。ミリアでございます。起きていらっしゃいますか?」
………返答がない………
仕方がないので、勝手に入ることにした。
扉を開けると案の定真っ暗………
私は、カーテンに近づくと思いっ切り開け放した。
朝の光が散々と差し込む室内は眩しいくらいだ………
しかし、まだリドル様は起きる気配がない………
ここでエリザベス様なら、無理矢理布団を剥ぎ叩き起こすところだが………
流石に、リドル様に同じ事は出来ない………さてどうしたものか………
私は、リドル様が寝ているであろうベットに近づき覗きこんでみた。
布団を頭までかぶって、姿が見えない………
でもこん盛り膨らんだ布団から中にいる事は確かだ。
「………リドル様、朝ですよ~」
………無反応………少し大きめな声で………
「リドル様、朝です。起きてくださいませ!」
………無反応………これは、揺するか………
私はベットに近づき、揺すろうと手を伸ばした………
「………ひっ‼︎」
布団から突然伸びてきた手に、手を掴まれ引っ張られる。
「きゃ~あぁ………!」
気づいた時には布団に引きずり込まれていた。
………ヤバイヤバイヤバイヤバ過ぎる‼︎‼︎
リドル様は、まだ寝ぼけているのか、私を自身の上に乗っけて羽交い締めにする。
「………リ…リドル様………離してください‼︎」
「………うるさいなぁ………もう少し寝かせろよ………」
「………うるさい口は塞いでやる………」
リドル様は、わたしの頭を抱きかかえ固定すると、キスを仕掛けてきた。
「………っ‼︎」
………私のファーストキス………
唇を塞がれ、無理矢理舌を入れられ口腔内を蹂躙される………
………ヤメて………
私は無我夢中で、リドル様を引き剥がし、ベットから転げ落ちる。
慌てて立ち上がったとき、リドル様も半身を起こして私を見た。
「………なんだ………ミリアだったのか………
ごめん………勘違い………」
私は、怒りで頭が真っ白になる………
『バシン』
怒りにまかせ、リドル様の頬を思いっ切り引っ叩いていた。
「失礼致しました。」
私は、後ろも振り返らず部屋を出ていった………
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