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前編
タッカー視点
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「ティアナは帰りましたか?」
「えぇ、ついさっきね」
数年ぶりに再開した初恋の人を想い、胸が締め付けられる。何も変わっていない。此処を去る間際に見せた笑顔のまま彼女は何も変わっていなかった。
いいや、違う。変わらないのは自分の想いか。
何年経っても変わらない想い。あの笑顔を最後に、手の届かない所へと行ってしまったティアナ。狂おしい程に彼女を求める心に気づいたところで、どうする事も出来ない日々に、壊れていった。
どんな女性を相手にしても、遊びに興じても満たされない心。諦めきれない心を持て余し、仕事に没頭する日々。王宮へと行けば無意識に彼女を探し、見つければ僅かに満たされる心。ただ、遠くから見つめる事しか出来ない自分に、打ちひしがれ、心に空いた穴は広がるばかりだった。
耐えられなかった。そして、隣国へと逃げ出した。
オルレアン王国での日々は、とても充実していた。我が国には無い特産品を使った産業や商業。特に、植物や動物、鉱物などを利用した薬学の発展は目を見張る物があった。学もの全てが新しく、興味の赴くまま必死で吸収していった。充実した日々は、ティアナへの想いを封印するのには丁度良かった。
あのまま、隣国に骨を埋めても良いとさえ考え始めた矢先に、耳に入ったある噂に愕然とした。
『アルザス王国の王妃ティアナは、お飾り王妃である』
信じられなかった。ティアナは陛下に望まれて王家へ嫁いだのではないのか?
陛下に望まれて嫁いだ筈のティアナが、お飾り王妃な訳がない。噂の真相を突き止めるため、数年ぶりにメイシン公爵家と連絡を取った。結果は、噂の通りだった。
王に見捨てられた王妃。お飾り王妃ティアナ。
心の奥底に仕舞い込んだ狂おしいほどの想いが噴き出す。
陛下に奪われた初恋の人。彼女の幸せを想い、事を起こさなかった昔の自分に吐き気がする。
あの日、笑顔で去る彼女の手を取っていたら何か変わったのだろうか?
王宮で彼女を見かけるたび、背を向けていた自分が行動を起こしていたら、ティアナは今、私の隣で笑っていてくれたのだろうか?
後悔が重くのし掛かり、心が血を流す。
もう間違わない。今度こそティアナを――
「それにしてもタッカー、貴方何年経っても成長しないわね。ティアナちゃんへの対応は0点よ」
「は?いや、私はきちんと対応した筈です」
「アレで本気で対応したと思っているなら、あの女心が全く分かっていない陛下と変わらないわ」
「ちょ、ちょっと待ってください。あの男と一緒にしないで頂きたい」
私の言葉に胡乱な視線を投げる母を見て、慌てて視線を逸らす。地面に座り込んだティアナに手を差し出し、紳士的な対応をした。決して、威圧的な態度はとっていない。
「……タッカー。貴方とティアナちゃんの関係が面識のない男女であれば、あの対応でもまぁ良しとしましょう。ただ、ティアナちゃんの貴方に対する認識は底辺の底辺よ。会いたくなくて逃げ回る程には、貴方の事を嫌っている。そんな女性を振り向かせるのに、あんな素っ気ない態度で本当に良いと思っているなら、さっさと諦めるべきね」
「……」
母の言葉が正論過ぎて、何も言い返せない。
私はティアナに嫌われている……
昔の自身の態度は、今考えても酷いものだった。辺境から出て来たばかりのティアナが、王都の令嬢達と同じような教育を受け、振る舞える筈がない。そんな事、分かっていた。分かっていながら、彼女が失敗する度に辛辣な言葉や嘲笑を投げ続けてしまった。
ティアナが私を嫌いになるのも無理はない。
今考えれば、ティアナを虐める事で彼女の意識を自分に向けさせたかったのかもしれない。
「タッカーよく聞いて。貴方が本気でティアナちゃんを愛しているのは理解しているわ。わたくしも出来る事なら、二人が結ばれれば良いと思っているのよ。だからこそ、最大のチャンスを逃す事は出来ないの。貴方の態度次第で成功するモノも失敗すると肝に命じなさい」
「分かってます」
「分かっているなら良いのよ」
「それで、ティアナの話というのは?」
「ふふふ、あの娘、本当に面白いわ。どうやら、本気でバレンシア公爵家をどうにかするみたいよ。ルドラ様を次期当主にするために、義母のミーシャ様の弱味を握りたいから協力しろですって」
「それはまた……
ティアナは、一体何を考えているのですか?バレンシア公爵家と言えば、息女のアリシア嬢が側妃候補になったばかりではありませんか。いわば正妃であるティアナにとっては自身の立場を危うくさせる元凶そのもの。敵に協力するなど、考えられない」
「本来であればね。ただ、ティアナちゃんは、違う。彼女には彼女の考えがあるのでしょう」
確かに昔から一般的な令嬢とは違う突飛な行動や言動をする事も多かった。それを昔の自分は、田舎令嬢のする事と馬鹿にしていた。今、考えれば愚かだったのは、私の方だ。
いつだったか母が言っていた。ティアナは人並み外れた観察眼を持っていると。相手の所作、指先の動きや僅かに動く顔の表情、果ては目の動きから感情を読み取るのが上手いのだと。感受性が高いからこそ、対応を間違えれば彼女の純真無垢な心を潰し兼ねないと。だからこそ、育て甲斐があるのだと。
類稀なる観察眼を持ち、母の教育で魑魅魍魎渦巻く社交界での渡り方を身につけたティアナが、なぜ『お飾り王妃』などと呼ばれる立場へと落ちてしまったのか?
陛下が全て悪いとは思わない。ただ、もう後悔はしたくない。
今度こそ、ティアナをこの手に。
「それで、母上はティアナに協力するのですか?」
「協力ねぇ。バレンシア公爵家のお家騒動に、助言をする義理もないのだけど、ティアナちゃんの話だと、バレンシア公爵は、自身の代で家を閉じる気らしいのよね」
「それは、また。確かな筋からの話なのですか?」
「そうらしいわ。本当か嘘か、ティアナちゃん自ら聞いたんですって」
「えっ⁈ そんな事可能ですか?仮にもティアナは、王妃。自由に行動出来る立場にありませんよ」
「ふふ、だから貴方は甘いと言うのよ。王宮で広がる噂を知っているかしら?」
「王宮で広がる噂ですか?」
そんな噂、あっただろうか?
「王妃の間には、恋のキューピッドがいる」
「あぁ、アレですか。馬鹿馬鹿しい」
「だからタッカーはダメなのよ。昔も今も恋の話には有益な情報が転がっているものなの。もう少し、恋愛事にも興味を持ちなさい」
ティアナ以外の女性に興味が持てない時点で、他の令嬢を相手にしようとも思えない私に、どうやって色恋沙汰の情報を手に入れろと言うのだ。
「まぁ、お小言はそれくらいにして。その恋のキューピッドの正体がティアナちゃんだったら、面白いと思わない?」
「……まさか」
確かその恋のキューピッドの正体は、王妃の間の侍女だとか。
「でも、あの頃の突飛な行動をとっていたティアナちゃんに戻っているなら可能性はある」
「確かに」
「だからね。ティアナちゃんに仕掛けてみたの。ミーシャ様の弱味を握りたかったら自身で行動してみなさいって」
「それで、ティアナは何と?」
「了承したわ。だからねタッカー、貴方ティアナちゃんの護衛として同行しなさい。ミルガン商会の例の教会と言えば分かるわね」
「えぇ」
ミルガン商会に付き纏う黒い噂。
『とある教会を介して、隣国からある物を密輸しているらしい』と。
新参者の商会が急激にシェアを伸ばせるほど、我が国の市場は甘くない。ただ、バックに大きな組織が絡んでいるのなら話は別だ。ミルガン商会の主力商品が、自然の植物や鉱物を使った化粧品や香水、美容用品である時点で、隣国と繋がりがあると思っていい。万が一、隣国と秘密裏に取引きをしている物が、我が国には無い薬物や鉱物、植物だとしたらアルザス王国にとって由々しき事態だ。内紛を起こさせる火種にもなり得る。その調査も踏まえ、ティアナに同行しろと言う事か。
「必ず、ティアナちゃんを守るのよ。あそこは、隣国との繋がりもあるから、下手をしたら命を狙われるわ」
「分かっています。この命に変えてもティアナを守る所存です」
「タッカーのティアナちゃんへの想いは分かっているわ。ただ、貴方の命も大切よ。無理だけはせず引く時は引くのよ」
「はい。必ず、ティアナと共に無事帰って参ります」
母の温かな手に頬を包まれ、昂った気持ちが落ち着く。幼児に対するような触れ合い方をされているのに、何故だか気分は悪くならなかった。
「えぇ、ついさっきね」
数年ぶりに再開した初恋の人を想い、胸が締め付けられる。何も変わっていない。此処を去る間際に見せた笑顔のまま彼女は何も変わっていなかった。
いいや、違う。変わらないのは自分の想いか。
何年経っても変わらない想い。あの笑顔を最後に、手の届かない所へと行ってしまったティアナ。狂おしい程に彼女を求める心に気づいたところで、どうする事も出来ない日々に、壊れていった。
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あのまま、隣国に骨を埋めても良いとさえ考え始めた矢先に、耳に入ったある噂に愕然とした。
『アルザス王国の王妃ティアナは、お飾り王妃である』
信じられなかった。ティアナは陛下に望まれて王家へ嫁いだのではないのか?
陛下に望まれて嫁いだ筈のティアナが、お飾り王妃な訳がない。噂の真相を突き止めるため、数年ぶりにメイシン公爵家と連絡を取った。結果は、噂の通りだった。
王に見捨てられた王妃。お飾り王妃ティアナ。
心の奥底に仕舞い込んだ狂おしいほどの想いが噴き出す。
陛下に奪われた初恋の人。彼女の幸せを想い、事を起こさなかった昔の自分に吐き気がする。
あの日、笑顔で去る彼女の手を取っていたら何か変わったのだろうか?
王宮で彼女を見かけるたび、背を向けていた自分が行動を起こしていたら、ティアナは今、私の隣で笑っていてくれたのだろうか?
後悔が重くのし掛かり、心が血を流す。
もう間違わない。今度こそティアナを――
「それにしてもタッカー、貴方何年経っても成長しないわね。ティアナちゃんへの対応は0点よ」
「は?いや、私はきちんと対応した筈です」
「アレで本気で対応したと思っているなら、あの女心が全く分かっていない陛下と変わらないわ」
「ちょ、ちょっと待ってください。あの男と一緒にしないで頂きたい」
私の言葉に胡乱な視線を投げる母を見て、慌てて視線を逸らす。地面に座り込んだティアナに手を差し出し、紳士的な対応をした。決して、威圧的な態度はとっていない。
「……タッカー。貴方とティアナちゃんの関係が面識のない男女であれば、あの対応でもまぁ良しとしましょう。ただ、ティアナちゃんの貴方に対する認識は底辺の底辺よ。会いたくなくて逃げ回る程には、貴方の事を嫌っている。そんな女性を振り向かせるのに、あんな素っ気ない態度で本当に良いと思っているなら、さっさと諦めるべきね」
「……」
母の言葉が正論過ぎて、何も言い返せない。
私はティアナに嫌われている……
昔の自身の態度は、今考えても酷いものだった。辺境から出て来たばかりのティアナが、王都の令嬢達と同じような教育を受け、振る舞える筈がない。そんな事、分かっていた。分かっていながら、彼女が失敗する度に辛辣な言葉や嘲笑を投げ続けてしまった。
ティアナが私を嫌いになるのも無理はない。
今考えれば、ティアナを虐める事で彼女の意識を自分に向けさせたかったのかもしれない。
「タッカーよく聞いて。貴方が本気でティアナちゃんを愛しているのは理解しているわ。わたくしも出来る事なら、二人が結ばれれば良いと思っているのよ。だからこそ、最大のチャンスを逃す事は出来ないの。貴方の態度次第で成功するモノも失敗すると肝に命じなさい」
「分かってます」
「分かっているなら良いのよ」
「それで、ティアナの話というのは?」
「ふふふ、あの娘、本当に面白いわ。どうやら、本気でバレンシア公爵家をどうにかするみたいよ。ルドラ様を次期当主にするために、義母のミーシャ様の弱味を握りたいから協力しろですって」
「それはまた……
ティアナは、一体何を考えているのですか?バレンシア公爵家と言えば、息女のアリシア嬢が側妃候補になったばかりではありませんか。いわば正妃であるティアナにとっては自身の立場を危うくさせる元凶そのもの。敵に協力するなど、考えられない」
「本来であればね。ただ、ティアナちゃんは、違う。彼女には彼女の考えがあるのでしょう」
確かに昔から一般的な令嬢とは違う突飛な行動や言動をする事も多かった。それを昔の自分は、田舎令嬢のする事と馬鹿にしていた。今、考えれば愚かだったのは、私の方だ。
いつだったか母が言っていた。ティアナは人並み外れた観察眼を持っていると。相手の所作、指先の動きや僅かに動く顔の表情、果ては目の動きから感情を読み取るのが上手いのだと。感受性が高いからこそ、対応を間違えれば彼女の純真無垢な心を潰し兼ねないと。だからこそ、育て甲斐があるのだと。
類稀なる観察眼を持ち、母の教育で魑魅魍魎渦巻く社交界での渡り方を身につけたティアナが、なぜ『お飾り王妃』などと呼ばれる立場へと落ちてしまったのか?
陛下が全て悪いとは思わない。ただ、もう後悔はしたくない。
今度こそ、ティアナをこの手に。
「それで、母上はティアナに協力するのですか?」
「協力ねぇ。バレンシア公爵家のお家騒動に、助言をする義理もないのだけど、ティアナちゃんの話だと、バレンシア公爵は、自身の代で家を閉じる気らしいのよね」
「それは、また。確かな筋からの話なのですか?」
「そうらしいわ。本当か嘘か、ティアナちゃん自ら聞いたんですって」
「えっ⁈ そんな事可能ですか?仮にもティアナは、王妃。自由に行動出来る立場にありませんよ」
「ふふ、だから貴方は甘いと言うのよ。王宮で広がる噂を知っているかしら?」
「王宮で広がる噂ですか?」
そんな噂、あっただろうか?
「王妃の間には、恋のキューピッドがいる」
「あぁ、アレですか。馬鹿馬鹿しい」
「だからタッカーはダメなのよ。昔も今も恋の話には有益な情報が転がっているものなの。もう少し、恋愛事にも興味を持ちなさい」
ティアナ以外の女性に興味が持てない時点で、他の令嬢を相手にしようとも思えない私に、どうやって色恋沙汰の情報を手に入れろと言うのだ。
「まぁ、お小言はそれくらいにして。その恋のキューピッドの正体がティアナちゃんだったら、面白いと思わない?」
「……まさか」
確かその恋のキューピッドの正体は、王妃の間の侍女だとか。
「でも、あの頃の突飛な行動をとっていたティアナちゃんに戻っているなら可能性はある」
「確かに」
「だからね。ティアナちゃんに仕掛けてみたの。ミーシャ様の弱味を握りたかったら自身で行動してみなさいって」
「それで、ティアナは何と?」
「了承したわ。だからねタッカー、貴方ティアナちゃんの護衛として同行しなさい。ミルガン商会の例の教会と言えば分かるわね」
「えぇ」
ミルガン商会に付き纏う黒い噂。
『とある教会を介して、隣国からある物を密輸しているらしい』と。
新参者の商会が急激にシェアを伸ばせるほど、我が国の市場は甘くない。ただ、バックに大きな組織が絡んでいるのなら話は別だ。ミルガン商会の主力商品が、自然の植物や鉱物を使った化粧品や香水、美容用品である時点で、隣国と繋がりがあると思っていい。万が一、隣国と秘密裏に取引きをしている物が、我が国には無い薬物や鉱物、植物だとしたらアルザス王国にとって由々しき事態だ。内紛を起こさせる火種にもなり得る。その調査も踏まえ、ティアナに同行しろと言う事か。
「必ず、ティアナちゃんを守るのよ。あそこは、隣国との繋がりもあるから、下手をしたら命を狙われるわ」
「分かっています。この命に変えてもティアナを守る所存です」
「タッカーのティアナちゃんへの想いは分かっているわ。ただ、貴方の命も大切よ。無理だけはせず引く時は引くのよ」
「はい。必ず、ティアナと共に無事帰って参ります」
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