5 / 99
前編
礼拝堂にて
しおりを挟む
人っこひとりいない長い渡り廊下を進み、王宮の最深部に鎮座する礼拝堂へと続く扉の前に立つ。
まだ陽が高い時間にも係わらず、この付近で働いているはずの侍女も侍従も見当たらない。明らかに人払いされている状況に、緊張感だけが増していった。
大丈夫、大丈夫、大丈夫……
こんなに丁寧に化粧を施してもらった。それに、目立つ銀髪は、茶色のカツラの中へ隠し、メイドキャップも被り、ビン底メガネもかけている現状では誰も私が王妃だとは気づかないだろう。しかも、念には念を入れ、頬にそばかすも描いている。
変装した自分を鏡で見ても、王妃の時の面影は一切なかった。これなら、至近距離で話しをしてもバレる事はないだろう。
もう何年もまともに陛下と話していないし、絶対大丈夫。
自身に言い聞かせ、礼拝堂の扉に手をかけ開いた。
ユラユラと揺らめく蝋燭の灯りとステンドグラスがはめられた窓から差し込む色とりどりの光が床に散らばり、幻想的な雰囲気を醸し出す室内。いくつも長椅子が並べられた祭壇の一番前の席に、近衛騎士の制服を着た男が座っている。こちらからは顔が見えないため、本当に陛下が来ているのかは判断出来ない。
ゆっくりと近づき背後から声を掛けようとして、逆に話し掛けられた。
「王妃の間の侍女か?」
振り向いた男は、やはりレオン陛下だった。
黒髪のカツラを被ってはいるが、大して変装らしい事は何もしていない。陛下を知る者が見れば、すぐに彼だと気づくレベルだ。
王妃の間の侍女程度であれば、正体がバレる怖れはないとの判断なのだろう。
本当、バカにしている……
いかに王妃との接点がほぼ無いとはいえ、仮にも妻の専属侍女である。陛下の顔くらい把握していると思わないのだろうか。
沸々と湧き上がる怒りを抑え、出来るだけ丁寧な口調を心掛けて、返事をした。
「はい。わたくしが、貴方様がおっしゃる王妃の間の侍女でございます。近衛騎士様からのお手紙拝見させて頂きました」
「そうか……」
沈黙が流れる。
呼び出したのは、そっちなのだから話くらいしなさいよねぇ‼︎
「えっと、近衛騎士様。お手紙には、恋愛相談があるとの事ですが、どのような?」
「…………」
問いには答えず、俯いてしまう彼を見て怒りだけが倍増して行く。
帰っていいかしら……
沈黙に耐えきれなくなり、背を向けようとした時、意を決したのか、ガバッと顔を上げた彼と視線がバチリと合う。
意志を宿し、光り輝く強い瞳に吸い寄せられる。
視線すらほぼ合う事はなかったのだ。アメジストのように美しく輝く紫色の瞳が、あんなに深く綺麗な色をしていたなんて知らなかった。
彼の心を動かす事の出来る令嬢に、単純に嫉妬していた。一介の侍女如きに、相談を持ちかけてまで手に入れたいと思う存在。顔も名前も知らない陛下の想い人に、ただただ嫉妬していた。
本当、バカみたいね……
陛下の愛が、私に向かう事は絶対にないのに、彼の想い人との仲を取り持とうとしているなんて。
心に巣食う醜い感情を抑え込み、笑みを浮かべる。
「近衛騎士様。貴方様が、お話し下さらなければ、わたくしは何も出来ません。一介の侍女如きに、心の内を明かさねばならぬのは不本意かもしれません。ただ、こんなわたくしに頼らねばならぬ事情がおありだと、お見受けしました。話せば、心の内が楽になる事もあります」
陛下の隣、僅かに間を空け腰掛け、ぼんやりと祭壇を見つめる。
こうして、二人だけで話しをするのは、いつぶりの事だろう。
ゆらゆらと揺らめく蝋燭の灯りを見つめていると、この場所が幻想の中なのでは?とさえ、感じられる。それほど、私の心の内は乱れていた。
「確かに、そうであるな。話さなければ、何も始まらないか……
すまなかった。自分でも女々しい男だと思う。こんな状況になってしまったのは、自分自身の責任だというのに。彼女の気持ちが自分から離れてしまったのも、自業自得だとわかっている。彼女を手に入れた事で、慢心してしまった。もう、昔のように愛してはくれないだろう。ただ、諦める事は出来ない。だから、貴方に協力を願おうと考えた」
こんなに心が苦しいなんて……
俯き祈るように話す言葉のひとつひとつが、刃となり心に突き刺さる。
苦しくも切ない胸の内を向けられる女性が、自分だったならどんなに嬉しかったか。
ありもしない幻想を抱くほどには、まだ陛下を愛していた事に気づかされ、自嘲が溢れる。
馬鹿みたいだ。結局、まだ陛下を愛している……
「そうですか。お辛い恋をされているのですね。ひとつお聞きしたいのですが、そちらの女性とは昔からの顔馴染みなのですか?」
「顔馴染み?そうであるな。彼女とは幼馴染みと言ってもよい間柄だった」
陛下の幼馴染みであるなら、高位貴族の令嬢で間違いない。しかも、幼馴染みと言い切るあたり、かなり親密な間柄だったのだろう。王太子の時からの知り合い、もしくは陛下の側近達の姉妹である可能性は高い。
「その女性を手に入れたと言われましたが、その方とは恋人同士だったのですか?」
「いいや、恋仲になった事はないが、それよりも深い間柄ではあるな」
恋仲になった事はない?でも、深い間柄?
立場上、恋仲になる事は出来なかったが、愛し合ってはいたという事か?
「その女性とは、お互いに想い合っておられた。しかし、今は気持ちが離れてしまった。でも、貴方様は今でもその女性を愛していらっしゃると」
「あぁ……」
「では、その方に自分の気持ちを素直に告げればよろしいのではありませんか?」
「いや、きっと彼女は私の事を愛していない。それどころか、嫌われている可能性すらある。それだけの仕打ちを彼女にしてしまったんだ。後悔しても仕切れない。もっと歩みよる努力をしていれば、こんな事にはならなかった。ただ、諦められない。今、動かなければ、取り返しのつかない事になってしまう。だから、頼む!協力して欲しい‼︎」
「ひっ!き、騎士様……」
ガバッと顔を上げた陛下に肩を掴まれ、あまりの近さに顔がみるみる赤みを帯びていく。
ち、近いぃぃ……
「き、騎士様!落ち着いてくださいませ‼︎ 肩、肩が痛うございます」
「あっ!すまない」
「騎士様、協力と申されましても私は侍女見習いでございます。出来る事には限りがございますし、今のお話しだけでは何ともお返事が出来ません。貴方様は、いったい私に何をさせようとお思いですか?」
「身構えないでくれ。大した助けではない。俺に女性の口説き方を教えてはくれないだろうか?」
「えっ⁈……口説き方ですか?」
「あぁ」
大の大人が何を寝ぼけた事を言っているのだ。しかも、目の前の男は、夜会の度に可憐な令嬢と優雅にダンスを踊り、関係を持った女もいるとかいないとか。そんな男が、一介の侍女如きに女性の口説き方を教えて欲しいだと?
私の事を試しているのか?
「えっと、騎士様。お見受けする限り、貴方様に女性の口説き方をお教え出来る程のスキルを持ち合わせておりません。出来れば、もっとベテランの男女の仲にお詳しい方に、協力を求められたらいかがでしょう」
「いや、そんな高度な事ではないんだ。女性が好みそうな……いや、違うな。彼女は、あまり一般的な令嬢が好む物に興味を示さないのだよ。ちょっと変わった女性でね。だから、なおさら様々な人の意見を聞きたいと言うか。それに、君はちょっとした有名人だろう?王妃の間には、恋のキューピッドがいると、騎士仲間の間でも有名でね。仲間内でも、君に助けられた者がチラホラいる」
「はぁぁ、そうでございますか……」
「藁にも縋りたいというか、最後のチャンスだと思っている。協力してもらえないだろうか?」
手を握られ、切なそうに細められたアメジストの瞳とかち合う。
あぁ、ダメだぁ。拒否出来ない。
「わかりました。大した協力は出来ないと思いますが、それでよろしければ」
「あ、ありがとう」
あの笑みはズルい。
幼き日に見た笑顔と目の前の笑みが重なり、心臓の鼓動が早くなる。
トクトクトク…………
まだ陽が高い時間にも係わらず、この付近で働いているはずの侍女も侍従も見当たらない。明らかに人払いされている状況に、緊張感だけが増していった。
大丈夫、大丈夫、大丈夫……
こんなに丁寧に化粧を施してもらった。それに、目立つ銀髪は、茶色のカツラの中へ隠し、メイドキャップも被り、ビン底メガネもかけている現状では誰も私が王妃だとは気づかないだろう。しかも、念には念を入れ、頬にそばかすも描いている。
変装した自分を鏡で見ても、王妃の時の面影は一切なかった。これなら、至近距離で話しをしてもバレる事はないだろう。
もう何年もまともに陛下と話していないし、絶対大丈夫。
自身に言い聞かせ、礼拝堂の扉に手をかけ開いた。
ユラユラと揺らめく蝋燭の灯りとステンドグラスがはめられた窓から差し込む色とりどりの光が床に散らばり、幻想的な雰囲気を醸し出す室内。いくつも長椅子が並べられた祭壇の一番前の席に、近衛騎士の制服を着た男が座っている。こちらからは顔が見えないため、本当に陛下が来ているのかは判断出来ない。
ゆっくりと近づき背後から声を掛けようとして、逆に話し掛けられた。
「王妃の間の侍女か?」
振り向いた男は、やはりレオン陛下だった。
黒髪のカツラを被ってはいるが、大して変装らしい事は何もしていない。陛下を知る者が見れば、すぐに彼だと気づくレベルだ。
王妃の間の侍女程度であれば、正体がバレる怖れはないとの判断なのだろう。
本当、バカにしている……
いかに王妃との接点がほぼ無いとはいえ、仮にも妻の専属侍女である。陛下の顔くらい把握していると思わないのだろうか。
沸々と湧き上がる怒りを抑え、出来るだけ丁寧な口調を心掛けて、返事をした。
「はい。わたくしが、貴方様がおっしゃる王妃の間の侍女でございます。近衛騎士様からのお手紙拝見させて頂きました」
「そうか……」
沈黙が流れる。
呼び出したのは、そっちなのだから話くらいしなさいよねぇ‼︎
「えっと、近衛騎士様。お手紙には、恋愛相談があるとの事ですが、どのような?」
「…………」
問いには答えず、俯いてしまう彼を見て怒りだけが倍増して行く。
帰っていいかしら……
沈黙に耐えきれなくなり、背を向けようとした時、意を決したのか、ガバッと顔を上げた彼と視線がバチリと合う。
意志を宿し、光り輝く強い瞳に吸い寄せられる。
視線すらほぼ合う事はなかったのだ。アメジストのように美しく輝く紫色の瞳が、あんなに深く綺麗な色をしていたなんて知らなかった。
彼の心を動かす事の出来る令嬢に、単純に嫉妬していた。一介の侍女如きに、相談を持ちかけてまで手に入れたいと思う存在。顔も名前も知らない陛下の想い人に、ただただ嫉妬していた。
本当、バカみたいね……
陛下の愛が、私に向かう事は絶対にないのに、彼の想い人との仲を取り持とうとしているなんて。
心に巣食う醜い感情を抑え込み、笑みを浮かべる。
「近衛騎士様。貴方様が、お話し下さらなければ、わたくしは何も出来ません。一介の侍女如きに、心の内を明かさねばならぬのは不本意かもしれません。ただ、こんなわたくしに頼らねばならぬ事情がおありだと、お見受けしました。話せば、心の内が楽になる事もあります」
陛下の隣、僅かに間を空け腰掛け、ぼんやりと祭壇を見つめる。
こうして、二人だけで話しをするのは、いつぶりの事だろう。
ゆらゆらと揺らめく蝋燭の灯りを見つめていると、この場所が幻想の中なのでは?とさえ、感じられる。それほど、私の心の内は乱れていた。
「確かに、そうであるな。話さなければ、何も始まらないか……
すまなかった。自分でも女々しい男だと思う。こんな状況になってしまったのは、自分自身の責任だというのに。彼女の気持ちが自分から離れてしまったのも、自業自得だとわかっている。彼女を手に入れた事で、慢心してしまった。もう、昔のように愛してはくれないだろう。ただ、諦める事は出来ない。だから、貴方に協力を願おうと考えた」
こんなに心が苦しいなんて……
俯き祈るように話す言葉のひとつひとつが、刃となり心に突き刺さる。
苦しくも切ない胸の内を向けられる女性が、自分だったならどんなに嬉しかったか。
ありもしない幻想を抱くほどには、まだ陛下を愛していた事に気づかされ、自嘲が溢れる。
馬鹿みたいだ。結局、まだ陛下を愛している……
「そうですか。お辛い恋をされているのですね。ひとつお聞きしたいのですが、そちらの女性とは昔からの顔馴染みなのですか?」
「顔馴染み?そうであるな。彼女とは幼馴染みと言ってもよい間柄だった」
陛下の幼馴染みであるなら、高位貴族の令嬢で間違いない。しかも、幼馴染みと言い切るあたり、かなり親密な間柄だったのだろう。王太子の時からの知り合い、もしくは陛下の側近達の姉妹である可能性は高い。
「その女性を手に入れたと言われましたが、その方とは恋人同士だったのですか?」
「いいや、恋仲になった事はないが、それよりも深い間柄ではあるな」
恋仲になった事はない?でも、深い間柄?
立場上、恋仲になる事は出来なかったが、愛し合ってはいたという事か?
「その女性とは、お互いに想い合っておられた。しかし、今は気持ちが離れてしまった。でも、貴方様は今でもその女性を愛していらっしゃると」
「あぁ……」
「では、その方に自分の気持ちを素直に告げればよろしいのではありませんか?」
「いや、きっと彼女は私の事を愛していない。それどころか、嫌われている可能性すらある。それだけの仕打ちを彼女にしてしまったんだ。後悔しても仕切れない。もっと歩みよる努力をしていれば、こんな事にはならなかった。ただ、諦められない。今、動かなければ、取り返しのつかない事になってしまう。だから、頼む!協力して欲しい‼︎」
「ひっ!き、騎士様……」
ガバッと顔を上げた陛下に肩を掴まれ、あまりの近さに顔がみるみる赤みを帯びていく。
ち、近いぃぃ……
「き、騎士様!落ち着いてくださいませ‼︎ 肩、肩が痛うございます」
「あっ!すまない」
「騎士様、協力と申されましても私は侍女見習いでございます。出来る事には限りがございますし、今のお話しだけでは何ともお返事が出来ません。貴方様は、いったい私に何をさせようとお思いですか?」
「身構えないでくれ。大した助けではない。俺に女性の口説き方を教えてはくれないだろうか?」
「えっ⁈……口説き方ですか?」
「あぁ」
大の大人が何を寝ぼけた事を言っているのだ。しかも、目の前の男は、夜会の度に可憐な令嬢と優雅にダンスを踊り、関係を持った女もいるとかいないとか。そんな男が、一介の侍女如きに女性の口説き方を教えて欲しいだと?
私の事を試しているのか?
「えっと、騎士様。お見受けする限り、貴方様に女性の口説き方をお教え出来る程のスキルを持ち合わせておりません。出来れば、もっとベテランの男女の仲にお詳しい方に、協力を求められたらいかがでしょう」
「いや、そんな高度な事ではないんだ。女性が好みそうな……いや、違うな。彼女は、あまり一般的な令嬢が好む物に興味を示さないのだよ。ちょっと変わった女性でね。だから、なおさら様々な人の意見を聞きたいと言うか。それに、君はちょっとした有名人だろう?王妃の間には、恋のキューピッドがいると、騎士仲間の間でも有名でね。仲間内でも、君に助けられた者がチラホラいる」
「はぁぁ、そうでございますか……」
「藁にも縋りたいというか、最後のチャンスだと思っている。協力してもらえないだろうか?」
手を握られ、切なそうに細められたアメジストの瞳とかち合う。
あぁ、ダメだぁ。拒否出来ない。
「わかりました。大した協力は出来ないと思いますが、それでよろしければ」
「あ、ありがとう」
あの笑みはズルい。
幼き日に見た笑顔と目の前の笑みが重なり、心臓の鼓動が早くなる。
トクトクトク…………
11
お気に入りに追加
2,892
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
離婚した彼女は死ぬことにした
まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。
-----------------
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
-----------------
とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。
まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。
書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。
作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定

皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

極悪皇女が幸せになる方法
春野オカリナ
恋愛
ブルーネオ帝国には、『極悪皇女』と呼ばれる我儘で暴虐無人な皇女がいる。
名をグレーテル・ブルーネオ。
生まれた時は、両親とたった一人の兄に大切に愛されていたが、皇后アリージェンナが突然原因不明の病で亡くなり、混乱の中で見せた闇魔法が原因でグレーテルは呪われた存在に変わった。
それでも幼いグレーテルは父や兄の愛情を求めてやまない。しかし、残酷にも母が亡くなって3年後に乳母も急逝してしまい皇宮での味方はいなくなってしまう。
そんな中、兄の将来の側近として挙がっていたエドモンド・グラッセ小公子だけは、グレーテルに優しかった。次第にグレーテルは、エドモンドに異常な執着をする様になり、彼に近付く令嬢に嫌がらせや暴行を加える様になる。
彼女の度を超えた言動に怒りを覚えたエドモンドは、守る気のない約束をして雨の中、グレーテルを庭園に待ちぼうけさせたのだった。
発見された時には高熱を出し、生死を彷徨ったが意識を取り戻した数日後にある変化が生まれた。
皇女グレーテルは、皇女宮の一部の使用人以外の人間の記憶が無くなっていた。勿論、その中には皇帝である父や皇太子である兄…そしてエドモンドに関しても…。
彼女は雨の日に何もかも諦めて、記憶と共に全てを捨て去ったのだった。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる