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出会い編
第6話
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ギルド内の冒険者達が急に黙りこくった異常な光景を私は不審に思った。
どうして急に静かになったんだろう。
それにアイツって誰?
本当に何が起こったのだ?
先程、アイツが来たと呟いていた平凡顔な男に聞こうと思い、その人を見れば今にも倒れそうなくらい顔を真っ青にしてガタガタと震えていた。
まさか、料理の中に虫とか変なものが入っていたのかな。
食中毒の可能性が?!と焦りながら私はハンカチ···ではなく、持っていたお絞りをその人に渡した。
自分のハンカチをこんな平凡顔冒険者に使うのは勿体なさ過ぎる、と思ったからだ。
どうせならこのハンカチはイケメンの為に使いたい。
その平凡顔な冒険者は渡したおしぼりで何故か顔を覆い始めた。
大丈夫?
内心、少し引いた。
その行動を目を細めてみた後、周りを見ればわあ凄い。
皆が皆、顔を顰めたりして嫌悪感を全開にしている。
なるほど。この平凡顔な冒険者の行動は嫌悪感を超えた気持ち悪さだったのね。
私は、今までのとは比にならないほどの皆の態度にその原因人物について興味が湧いた。
*****
その人は受付カウンターの前にいた。
依頼達成後だろうか。
受付嬢から多額の賞金を受け取っている。
受付嬢は当然、真っ青でガタガタ震えていた。
やり取りを終えて帰ろうと方向転換したその人の元に私は駆けつけた。
そして私は、その人の顔をひと目拝見させてもらおうといつもならしない行動を取ったのだ。
「すみません。お食事はなさらないんですか。」
無邪気な子供を装い(童顔のお陰で13歳に見られてるはず)黒のローブを羽織ったその人に聞く。ローブの上からでもわかるオーラ。これはみんなが真っ青になるのも無理はない。
多分、他の冒険者達は私の行動にもっと顔を顰めていることだろう。
背が、高い。
190センチ程あるだろうか。いや、もっとあるかもしれない。自分は背が低い為分からないが、私との身長差はものすごいことになっている。
私が声を掛けたことで少し驚いたような素振りを見せた目の前の男は首を横に振った。
「家で食べるから大丈夫だ。」
恐らく、他の人に迷惑をかけまいといつも1人で食べているのだろう。
えー···と残念がる素振りをとり、偶然を装いローブの中の顔を下から覗き込んだ。
?!!??!!?!?!
視界に入ったものに思わず息を呑む。
すぐさま目の前の男の人が私から1歩後ずさった。
しっかりとローブで隠れた顔を抑えているあたり、自分の顔が見られたのだと分かったのだろう。
しかし、私は目の前の男の顔の素晴らしさに呆気に捕われていた。
傍から見れば、その男の醜さに私が怖がって固まっているように見えるかもしれない。
は?は?何この人。本当にカッコイイんだが?!なにこれ私の胸がドキンドキンって。え、タイプすぎて好き。え、前世でもいなかったイケメンに直ぐに会えちゃった。え、貴方様の彼女になりたいです。
私はぽけーっとした顔から直ぐに笑顔に切り替えた。
そして、目の前の獲物が帰ってしまわないようここで食事をすることを強制する。
皆から嫌悪されている目の前の男を手に入れたい。
ふつふつと奥底から独占欲が込み上げる。
私の圧が伝わったのか獲物は渋々私の接待に従った。
絶対に私のモノにする。
前世の自分も今世の自分も今日、
この男に魅了された。
どうして急に静かになったんだろう。
それにアイツって誰?
本当に何が起こったのだ?
先程、アイツが来たと呟いていた平凡顔な男に聞こうと思い、その人を見れば今にも倒れそうなくらい顔を真っ青にしてガタガタと震えていた。
まさか、料理の中に虫とか変なものが入っていたのかな。
食中毒の可能性が?!と焦りながら私はハンカチ···ではなく、持っていたお絞りをその人に渡した。
自分のハンカチをこんな平凡顔冒険者に使うのは勿体なさ過ぎる、と思ったからだ。
どうせならこのハンカチはイケメンの為に使いたい。
その平凡顔な冒険者は渡したおしぼりで何故か顔を覆い始めた。
大丈夫?
内心、少し引いた。
その行動を目を細めてみた後、周りを見ればわあ凄い。
皆が皆、顔を顰めたりして嫌悪感を全開にしている。
なるほど。この平凡顔な冒険者の行動は嫌悪感を超えた気持ち悪さだったのね。
私は、今までのとは比にならないほどの皆の態度にその原因人物について興味が湧いた。
*****
その人は受付カウンターの前にいた。
依頼達成後だろうか。
受付嬢から多額の賞金を受け取っている。
受付嬢は当然、真っ青でガタガタ震えていた。
やり取りを終えて帰ろうと方向転換したその人の元に私は駆けつけた。
そして私は、その人の顔をひと目拝見させてもらおうといつもならしない行動を取ったのだ。
「すみません。お食事はなさらないんですか。」
無邪気な子供を装い(童顔のお陰で13歳に見られてるはず)黒のローブを羽織ったその人に聞く。ローブの上からでもわかるオーラ。これはみんなが真っ青になるのも無理はない。
多分、他の冒険者達は私の行動にもっと顔を顰めていることだろう。
背が、高い。
190センチ程あるだろうか。いや、もっとあるかもしれない。自分は背が低い為分からないが、私との身長差はものすごいことになっている。
私が声を掛けたことで少し驚いたような素振りを見せた目の前の男は首を横に振った。
「家で食べるから大丈夫だ。」
恐らく、他の人に迷惑をかけまいといつも1人で食べているのだろう。
えー···と残念がる素振りをとり、偶然を装いローブの中の顔を下から覗き込んだ。
?!!??!!?!?!
視界に入ったものに思わず息を呑む。
すぐさま目の前の男の人が私から1歩後ずさった。
しっかりとローブで隠れた顔を抑えているあたり、自分の顔が見られたのだと分かったのだろう。
しかし、私は目の前の男の顔の素晴らしさに呆気に捕われていた。
傍から見れば、その男の醜さに私が怖がって固まっているように見えるかもしれない。
は?は?何この人。本当にカッコイイんだが?!なにこれ私の胸がドキンドキンって。え、タイプすぎて好き。え、前世でもいなかったイケメンに直ぐに会えちゃった。え、貴方様の彼女になりたいです。
私はぽけーっとした顔から直ぐに笑顔に切り替えた。
そして、目の前の獲物が帰ってしまわないようここで食事をすることを強制する。
皆から嫌悪されている目の前の男を手に入れたい。
ふつふつと奥底から独占欲が込み上げる。
私の圧が伝わったのか獲物は渋々私の接待に従った。
絶対に私のモノにする。
前世の自分も今世の自分も今日、
この男に魅了された。
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