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出会い編
第2話
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「着いた。」
荷物を受け取り、馬車から降りる。
手荷物一つなので、そこまで重くはない。
馬車で半日。
目の前には、ビックリするくらい大きな街があった。
ここまで連れてきてくれた馬車の人にお礼を言い、街の中に入る。
すごい。
お尻の痛みを何時間も我慢してきた甲斐がある。
多くの人が行き交うこの街は、私の村なんかとは比べ物にならないほど活気に溢れていた。
服屋、雑貨屋、食事処。
他にも沢山のお店がある。
どこを行っても初めて目にするものばかりで、周りをキョロキョロとしてしまう。
田舎娘感丸出しだ。
人ゴミの中を数分歩けば、目の端ににギルドが映り込んでくる。
〈冒険者ギルド〉
そう、この世界は美醜が逆転していること以外に前世ではなかったものがある。
そのひとつが、魔法だ。
前世でそれは空想の産物であったが、この世界ではほとんどの人が魔法の根源、魔力を体内に有している。
この世界の住人なのだから一応、私にも魔力はある。
私も前世の記憶があるしラノベも沢山見ていたので、私TUEEE!みたいなチート能力に憧れていた。
しかし、物事はそう上手くは進まない。
しっかり私の魔力は期待を裏切ってくれた。
悲しきかな。ほんの少ししか魔力がなかったのだ。
*****
人混みの中を歩くというのは疲れるもので、私は今更ながらに今夜泊まる宿を探していた。
空は赤みを帯びてきて、日はもうすぐ沈みそうだ。
休まずひたすら歩いていたので、疲労感が半端ない。
重い荷物も私の歩く速度を遅くさせてくる。
街の夜は危ないってママが言っていたし、早く宿を見つけなければ。私は疲れ切った足を根性で動かす。
正直、ここに来るまでに何件か宿を見かけていたのだが、街の物に目が行き過ぎていた私は宿探しを忘れ切っていたのだ。
ほんと何してたんだろう私・・。
後悔がどっと押し寄せる。
だんだん人数が少なくなってきたような気がする。焦りを感じながら必死に宿を探すがなかなか見つからない。街の端っこの辺りまで来てしまったようだ。
ようやく、ぽつんと建った小さな宿を見つけた。
ーーマーチの宿?
可愛らしい名前の割には宿自体は少し古めな外観の建物だった。
ボロボロでも屋根の下で眠れるのならば十分だ。
そう思った私は、ギシギシと年季の入った扉をゆっくり開けて中に入った。
「お邪魔します。」
外装と比べて内装はとても綺麗で驚いた。
可愛らしいオルゴールの音が宿の中では流れていた。
「おひとり様ですか。」
カウンターで座っていたおばあさんがのそりと立ち上がる。
「は、はい!」
街に入って初めての会話に緊張して声が裏返った。
*****
無事、今夜寝る場所を確保することが出来た私は疲労でへとへとだったが、宿のおばあさんから受け取ったぬるま湯をタオルに浸し身体の汗を拭く。
汗をしっかり拭き終わった後、村にいた頃のベッドとは大して硬さは変わらないベッドに腰掛けた。
家を出て一日しか経っていないという事実が嘘のようだ。
今日の朝までは一緒にいた両親がいないということに、少しだけ不安になる。
ここでは一から自分でやって行かなければならない。
名も知られていないちっぽけな村からでてきた小娘だ。知り合いもいるはずがない。
まずは仕事を見つけなければ。
私は1人ぼっちなことに寂しさを覚えながら、硬いベッドに横になり眠りについた。
荷物を受け取り、馬車から降りる。
手荷物一つなので、そこまで重くはない。
馬車で半日。
目の前には、ビックリするくらい大きな街があった。
ここまで連れてきてくれた馬車の人にお礼を言い、街の中に入る。
すごい。
お尻の痛みを何時間も我慢してきた甲斐がある。
多くの人が行き交うこの街は、私の村なんかとは比べ物にならないほど活気に溢れていた。
服屋、雑貨屋、食事処。
他にも沢山のお店がある。
どこを行っても初めて目にするものばかりで、周りをキョロキョロとしてしまう。
田舎娘感丸出しだ。
人ゴミの中を数分歩けば、目の端ににギルドが映り込んでくる。
〈冒険者ギルド〉
そう、この世界は美醜が逆転していること以外に前世ではなかったものがある。
そのひとつが、魔法だ。
前世でそれは空想の産物であったが、この世界ではほとんどの人が魔法の根源、魔力を体内に有している。
この世界の住人なのだから一応、私にも魔力はある。
私も前世の記憶があるしラノベも沢山見ていたので、私TUEEE!みたいなチート能力に憧れていた。
しかし、物事はそう上手くは進まない。
しっかり私の魔力は期待を裏切ってくれた。
悲しきかな。ほんの少ししか魔力がなかったのだ。
*****
人混みの中を歩くというのは疲れるもので、私は今更ながらに今夜泊まる宿を探していた。
空は赤みを帯びてきて、日はもうすぐ沈みそうだ。
休まずひたすら歩いていたので、疲労感が半端ない。
重い荷物も私の歩く速度を遅くさせてくる。
街の夜は危ないってママが言っていたし、早く宿を見つけなければ。私は疲れ切った足を根性で動かす。
正直、ここに来るまでに何件か宿を見かけていたのだが、街の物に目が行き過ぎていた私は宿探しを忘れ切っていたのだ。
ほんと何してたんだろう私・・。
後悔がどっと押し寄せる。
だんだん人数が少なくなってきたような気がする。焦りを感じながら必死に宿を探すがなかなか見つからない。街の端っこの辺りまで来てしまったようだ。
ようやく、ぽつんと建った小さな宿を見つけた。
ーーマーチの宿?
可愛らしい名前の割には宿自体は少し古めな外観の建物だった。
ボロボロでも屋根の下で眠れるのならば十分だ。
そう思った私は、ギシギシと年季の入った扉をゆっくり開けて中に入った。
「お邪魔します。」
外装と比べて内装はとても綺麗で驚いた。
可愛らしいオルゴールの音が宿の中では流れていた。
「おひとり様ですか。」
カウンターで座っていたおばあさんがのそりと立ち上がる。
「は、はい!」
街に入って初めての会話に緊張して声が裏返った。
*****
無事、今夜寝る場所を確保することが出来た私は疲労でへとへとだったが、宿のおばあさんから受け取ったぬるま湯をタオルに浸し身体の汗を拭く。
汗をしっかり拭き終わった後、村にいた頃のベッドとは大して硬さは変わらないベッドに腰掛けた。
家を出て一日しか経っていないという事実が嘘のようだ。
今日の朝までは一緒にいた両親がいないということに、少しだけ不安になる。
ここでは一から自分でやって行かなければならない。
名も知られていないちっぽけな村からでてきた小娘だ。知り合いもいるはずがない。
まずは仕事を見つけなければ。
私は1人ぼっちなことに寂しさを覚えながら、硬いベッドに横になり眠りについた。
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