海とともに〜海賊に拾われましたが優しいクマ共に頑張ります〜

猿山 龍

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1.出会い

決意のとき/可愛いあいつと共に

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夜が更け、多くの酔い潰れた屍ができたいた。

その人達を放置してヴィルターと共に宴をしていた甲板の反対側へと来る。

「ヴィルター。
お話があります」

そういいヴィルターの方を向く。
真剣な表情でこちらを見返してくる。

「自分はまだ呪われております。解き方をわかりません。
三条のやつがこちらの世界に来て命令されればあなた方を攻撃したいまあかもしれません。
自分は化け物と言われていました。
多くの命を奪ったことをありますがこの容姿も含まれております。
自分が生まれた国は基本的に黒目、黒髪がで親もそうでした。
自分は突然変異だそうです。両親は受け入れてくれましたが他者は怖がりました…」

「そんなの関係ない。
俺がお前を欲しいと思った。それがすべてだ。
それに前にも言ったがお前の髪はキラキラ輝いていて綺麗だし、目はイチゴみたいで可愛いじゃねぇか」

真っ直ぐにいつも見て、自分の欲しい言葉をくれる。
彼になら…手を伸ばしてくれた彼になら手を取ってもいいのだろうか…

「今日の戦いで気づいたことがあるんです。
今まで自分以外の被害を最小限にすればいいとだけ考えて生きてきました。
けどヴィルターが部屋に迎えにきた時安心したんです。
近くで誰かが死んでいるのにあなた達が生きていることに安心している自分がいました。
まだこの手で大切と思えるものが守れるのなら守りたいんです。
こんな自分を…厄介者かもしれませんが仲間にしてくれませんか?」

ヴィルターは強く、けど優しく抱きしめてくれた。

「あぁ、俺達は仲間だ。日菜は俺が守る」

顔を上にあげるヴィルターを見ながら

「じゃあヴィルターは自分が守りますね」

そういうと気づいたら涙が出ていた。
ヴィルターは自分の顔を驚いた顔をしたがすぐに優しい目をしてこちらを見た。

再度しっかり抱きしめながら頭を撫でてくれた。

そうして自分は夕闇海賊団の仲間になった。






宴が進みいつもの屍が積み上がっているのを横目に酔い覚ましついでに日菜と宴をしていた甲板の反対側を歩く。

「ヴィルター。
お話があります」

突然振り返り言われる。
真剣な雰囲気で言われ気が引き締まり、日菜を見る。

「自分はまだ呪われております。解き方をわかりません。
三条のやつがこちらの世界に来て命令されればあなた方を攻撃したいまあかもしれません。
自分は化け物と言われていました。
多くの命を奪ったことをありますがこの容姿も含まれております。
自分が生まれた国は基本的に黒目、黒髪がで親もそうでした。
自分は突然変異だそうです。両親は受け入れてくれましたが他者は怖がりました…」

日菜に根付いた言葉という呪いは根深い。
簡単に取れるものではないとわかっているが悲しくなる。

「そんなの関係ない。
俺がお前を欲しいと思った。それがすべてだ。
それに前にも言ったがお前の髪はキラキラ輝いていて綺麗だし、目はイチゴみたいで可愛いじゃねぇか」

真っ直ぐ言う。
後回しで言っても日菜には届かない。
真っ直ぐ向き合って初めてお互いの顔を見ることができる。

「今日の戦いで気づいたことがあるんです。
今まで自分以外の被害を最小限にすればいいとだけ考えて生きてきました。
けどヴィルターが部屋に迎えにきた時安心したんです。
近くで誰かが死んでいるのにあなた達が生きていることに安心している自分がいました。
まだこの手で大切と思えるものが守れるのなら守りたいんです。
こんな自分を…厄介者かもしれませんが仲間にしてくれませんか?」

考えるより先に体が動いていた。
強くけど壊れないように優しく抱きしめる。
少ししてようやく頭が追いついてきた。
仲間になりたい。
嬉しくて泣きそうになる。

「あぁ、俺達は仲間だ。日菜は俺が守る」

そう言うと日菜は顔を上にあげる。

「じゃあヴィルターは自分が守りますね」

月に照らされ目から流す涙が光る。
そして今まで一回も表情を変えなかった日菜が初めて微笑んだ。

この世のものとは思えない綺麗さに消えてしまうんではないかと思いながらまた強く抱きしめる。

こうして日菜は正式に俺達の仲間になった。
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