海とともに〜海賊に拾われましたが優しいクマ共に頑張ります〜

猿山 龍

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1.出会い

可愛いやつの力

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それからオスカーと被害の確認などをいていると日菜の方から淡い光が出ていることに気づく。

近づくと数日で治る程度の怪我をしていたクルーの傷が治っていた。

「どうしたんだ?」

と声をかけると日菜は自身の力のことや回復できることを教えてくれた。
回復魔法は100人に1人ぐらいで生まれるがどのぐらい治せるから己の魔力に依存するから強い使い手は海軍などに引っ張りだこだ。

日菜は力を使うことを好きではないように話していたのに俺達のために使ってくれた。
この事実に嬉しくなり、頭を撫でながら礼を言う。
しばらく様子を見ても大丈夫そうだからその場を離れる。

それ見ていたオスカーが

「すごいな。是非仲間になってくれたら助かる仲間も増える」

そう言われて思わず睨み返す。
日菜はそのために仲間に勧誘しているわけではない。

「睨むなって。けど助かるのは事実だろ」

確かにこの船で回復魔法を使えるのはグレイだけだ。
他の数字持ちの海賊に比べて人数はいないが質なら負けていないと自負している。

日菜はすごいと思いながら後処理をおえ、いつもの宴が始まる。

日菜を俺の隣に座られて酒を楽しむ。
今回は日菜自身で用意した料理があるからちゃんと飯を食べている。

いつものように愛でていると日菜が怪我を治したクルーが声をかけてきた。
こいつは酒を豪快に飲むが一定量をすぎるとすぐに気絶するからと思い見ていたら案の定酒を飲んで気絶した。
しかし日菜に倒れ込むように気絶したので咄嗟に日菜の脇に手を入れて持ち上げる。

すごい軽いことに驚いた。
自分の半分もないんではないだろうか?
そう思っていると日菜は振り返り見てきた。
離し難くなり、黙ってそのまま自分の膝の上に下ろす。

ジッと見られて

「危ないからここにいろ」

と言い訳をすると

「あーー!頭、日菜ちゃん膝の上に置いてる!!」
「ずりーよ」
「そうだそうだ」

などヤジが飛んでくる。

「うるせえ!」

と言うと焦って言うとクルーは笑いながらまだ他の奴らと騒ぎ始めた。

「下ろしても大丈夫ですよ?」

そう言われて少し悲しくなった。

「日菜が嫌じゃないならそこにいてやれ。
可愛いものを愛でる口実ができてそいつは喜んでいるだけだから」

オスカーの援護射撃に感謝しつつ日菜を膝の上に載せて堪能する。

そうして夜は更けて行った。
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