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1.出会い
可愛い君を守りたい
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日菜は泣き疲れて寝てしまった。
離れがたくそのまま抱きしめていると
「そろそろ離してやれ。この娘っ子は4日も寝込んでいた病人だ。ベットで寝させた方がいい」
グレイに言われ渋々離して寝かせた。
そのまま起こすのはよくないと思い全員で静かに外に出た。
船長室に集まり日菜の今後について話し合うことになった。
「壮絶な過去だったな。
よく性格が捻じ曲がらなかったな」
オスカーのセリフに頷く。
「あいつは優しい子だ」
「そうっすよ。そもそもあの子は幸せに過ごしていいはずっす!」
「それはそうと今後どうするのじゃ?」
「俺達の仲間になって欲しいと思う。
あいつは俺が守る。誰かに任せる訳にはいかない」
既に俺の決心はついた。
誰かに任せてあいつを不幸にするぐらいなら俺が手を差し出すから、守るからそばで幸せにしたい。
あいつは次誰かに裏切られたらきっと二度と心を開かない。
初めて、手を差し出したからしがみついたのかもしれない。
きっと二度目はない。
なら俺は海賊で不便を強いるかもしれない、不幸にするかもしれないが手を取ってくれるのならばそばに居て守りたい。
けどそれを決めるのは日菜だ。俺は提案して手を伸ばすことしかできない。
「頭が決めたならそれに従う」
オスカーは頷きながら言う。
海賊は船長の命令は絶対だ。
俺がやると言ったら絶対にやる方になる。
「我儘を言ってすまんな」
「なーに言ってるんすか!海賊は自由なんすから誰にも止められないっすよ」
「そうだな。俺は海賊だ」
あれから暫くして日菜の部屋に飯を持って行くと起きていた。
パンがゆを差し出すとすごく申し訳なさそうに
「自分は他者から出されるものが食べられないんです。
多分、店のも含めて…」
やっぱりか…
頭に撫でてやると少し安心したようにした。
「無理はしなくていい。だが食べないとダメだから何か食べられそうなものはないか?」
「多分、果物とかキールが使っているところを見ながらできた料理なら食べられるかもです。
熱はないので許可をくれるなら自分で作ります」
今年で完結していて混ぜ物をしたらわかるようなものや目の前で作れば食べられるのか…
確か倉庫にりんごがあったはずだ。
急いで部屋を出て倉庫でりんごを取り戻る途中キールにあった。
「日菜はパンがゆ食べましたか?」
「いや、食べてない。だが果実や目の前で作れば食べれるかもと言っていた」
「だからりんごなんか持ってるんですね」
納得したようにいう。
「その内日菜に無条件で料理を食べて欲しいですね」
少し寂しそうに言う。
「日菜は目の前で料理をする時お前の名前をあげていた。料理ならお前を1番信頼しているのではないか?」
「頭は相変わらず人たらしですね。人見知りなのに」
黙れと言いたくなったが人見知りなのは間違えないからその場を去った。
部屋に入りりんごを渡すと日菜は意を決したようにりんごを食べる。
ゆっくり味わっているのを見ていると日菜の目から涙が出ていることに気づいた。
目元を拭いてやると日菜は驚いたように見上げてきた。
「泣いてる」
今の今まで気づいていなかったようだ。
「他者からのものが食べられなくなったのは昔飲んだジュースが関係しているのか?」
ここはハッキリさせた方がいいと思い聞いてみる。
「多分…そうだと思います…
最もそれ以降ゴミの中から食べられるものを探して生きてきましたが…
たまたま依頼人が出す茶菓子が食べたら吐き気に襲われて…それが続いたから気づいたんです。
まぁ、そもそも妖は子供や死期が近い、特殊な状況とか出ない限り一般人には見えないので怪奇現象が起こってるだけで呼ばれると偽物だ、ぼったくりだっていった雰囲気で訝しまれることも多いので変なものも混じっていたのかもしれませんが…」
妖とは何分特殊な生き物なのだな。
それに困って依頼したのに勝手な奴らだ。
「ゆっくりでいい。慣れてけ。ここにはお前を害するものはいない。俺は日菜を夕闇海賊団の一員になって欲しい」
こいつの性格的に早く言わないとどこかに消えそうな気がする。
ここにいろという意味をこめて頭を撫でる。
「仲間になるか決めるのはお前だ。急がなくていい。
だが俺は海賊だからお前がいいと言うまでずっと勧誘し続ける」
そう笑顔を向けてくれる。
「あ、り、がとうございます」
声が震えてることがわかる。
少し考える時間が欲しいだろう。
「グレイからの伝言だ。
熱が下がったから今日1日寝て、明日からは普通に過ごしていいが栄養はしっかり取り定期的に医務室へ診察されにこいとのことだ」
「わかりました… ご迷わ、、ありがとうございます」
前に言ったことを覚えていたようでお礼を言ってきた。
そうだ。それでいい。お前は胸を張って生きるべきだ。
そう思いますながら頭を撫で部屋を出てた。
離れがたくそのまま抱きしめていると
「そろそろ離してやれ。この娘っ子は4日も寝込んでいた病人だ。ベットで寝させた方がいい」
グレイに言われ渋々離して寝かせた。
そのまま起こすのはよくないと思い全員で静かに外に出た。
船長室に集まり日菜の今後について話し合うことになった。
「壮絶な過去だったな。
よく性格が捻じ曲がらなかったな」
オスカーのセリフに頷く。
「あいつは優しい子だ」
「そうっすよ。そもそもあの子は幸せに過ごしていいはずっす!」
「それはそうと今後どうするのじゃ?」
「俺達の仲間になって欲しいと思う。
あいつは俺が守る。誰かに任せる訳にはいかない」
既に俺の決心はついた。
誰かに任せてあいつを不幸にするぐらいなら俺が手を差し出すから、守るからそばで幸せにしたい。
あいつは次誰かに裏切られたらきっと二度と心を開かない。
初めて、手を差し出したからしがみついたのかもしれない。
きっと二度目はない。
なら俺は海賊で不便を強いるかもしれない、不幸にするかもしれないが手を取ってくれるのならばそばに居て守りたい。
けどそれを決めるのは日菜だ。俺は提案して手を伸ばすことしかできない。
「頭が決めたならそれに従う」
オスカーは頷きながら言う。
海賊は船長の命令は絶対だ。
俺がやると言ったら絶対にやる方になる。
「我儘を言ってすまんな」
「なーに言ってるんすか!海賊は自由なんすから誰にも止められないっすよ」
「そうだな。俺は海賊だ」
あれから暫くして日菜の部屋に飯を持って行くと起きていた。
パンがゆを差し出すとすごく申し訳なさそうに
「自分は他者から出されるものが食べられないんです。
多分、店のも含めて…」
やっぱりか…
頭に撫でてやると少し安心したようにした。
「無理はしなくていい。だが食べないとダメだから何か食べられそうなものはないか?」
「多分、果物とかキールが使っているところを見ながらできた料理なら食べられるかもです。
熱はないので許可をくれるなら自分で作ります」
今年で完結していて混ぜ物をしたらわかるようなものや目の前で作れば食べられるのか…
確か倉庫にりんごがあったはずだ。
急いで部屋を出て倉庫でりんごを取り戻る途中キールにあった。
「日菜はパンがゆ食べましたか?」
「いや、食べてない。だが果実や目の前で作れば食べれるかもと言っていた」
「だからりんごなんか持ってるんですね」
納得したようにいう。
「その内日菜に無条件で料理を食べて欲しいですね」
少し寂しそうに言う。
「日菜は目の前で料理をする時お前の名前をあげていた。料理ならお前を1番信頼しているのではないか?」
「頭は相変わらず人たらしですね。人見知りなのに」
黙れと言いたくなったが人見知りなのは間違えないからその場を去った。
部屋に入りりんごを渡すと日菜は意を決したようにりんごを食べる。
ゆっくり味わっているのを見ていると日菜の目から涙が出ていることに気づいた。
目元を拭いてやると日菜は驚いたように見上げてきた。
「泣いてる」
今の今まで気づいていなかったようだ。
「他者からのものが食べられなくなったのは昔飲んだジュースが関係しているのか?」
ここはハッキリさせた方がいいと思い聞いてみる。
「多分…そうだと思います…
最もそれ以降ゴミの中から食べられるものを探して生きてきましたが…
たまたま依頼人が出す茶菓子が食べたら吐き気に襲われて…それが続いたから気づいたんです。
まぁ、そもそも妖は子供や死期が近い、特殊な状況とか出ない限り一般人には見えないので怪奇現象が起こってるだけで呼ばれると偽物だ、ぼったくりだっていった雰囲気で訝しまれることも多いので変なものも混じっていたのかもしれませんが…」
妖とは何分特殊な生き物なのだな。
それに困って依頼したのに勝手な奴らだ。
「ゆっくりでいい。慣れてけ。ここにはお前を害するものはいない。俺は日菜を夕闇海賊団の一員になって欲しい」
こいつの性格的に早く言わないとどこかに消えそうな気がする。
ここにいろという意味をこめて頭を撫でる。
「仲間になるか決めるのはお前だ。急がなくていい。
だが俺は海賊だからお前がいいと言うまでずっと勧誘し続ける」
そう笑顔を向けてくれる。
「あ、り、がとうございます」
声が震えてることがわかる。
少し考える時間が欲しいだろう。
「グレイからの伝言だ。
熱が下がったから今日1日寝て、明日からは普通に過ごしていいが栄養はしっかり取り定期的に医務室へ診察されにこいとのことだ」
「わかりました… ご迷わ、、ありがとうございます」
前に言ったことを覚えていたようでお礼を言ってきた。
そうだ。それでいい。お前は胸を張って生きるべきだ。
そう思いますながら頭を撫で部屋を出てた。
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