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1.出会い
熱と弱さ
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目を覚めると体が熱い。
熱があるのか…
そりゃ長年の栄養失調、睡眠不足、過労働、そして今三条家がいない状況で気が抜けた所為なのか熱が出るのは当然のように感じる。
移るものではないだろうがあまり他の人と関わらないほうがいいな。
取り敢えず起きて熱あるから部屋に困る主旨を言った方がいいと判断して立ちあがろうとするとドアがノックされた。
「日菜。起きてるか?」
ヴィルターの声だ。
いつもは部屋に来ないのにどうしたんだろう。
ベットが下りて、ふらふらしながらドアに近づく。
「はい。起きてます。
申し訳ないのですが熱が出てしまい今日は部屋で大人しくしたいのですがいいでしょうか?」
ガタ
何かにぶつかる音がする。
「大丈夫か?熱はどのくらいある?いるものはあるか?」
声が心配ですと言わんばかりの声でなぜが少し泣きたくなるような感じがする。
熱のせいで弱っているのかもしれない。
「大丈夫です。熱はそこまで高くないのですぐ治ります」
嘘をついた。熱はそこまでと言ったがこれは38.5はある。
けど1人で寝ていればバレないだろう。
それに弱ったところを見せれば殴られる。
あれ?ヴィルター達は殴らない。なんかふわふわする。
なんか目の前が床?目が開けられないや…
目を覚ますと自分の部屋のベットの上で寝かされていた。
「日菜!」
怠くて目だけそちらに向けるとヴィルターが泣きそうな顔でいた。いや、泣きそうだけどコワモテの所為か眉間に皺を寄せていて怖い顔をしているが目が泣きそうだ。この人は顔というより目によく感情が出る。
ぼーとそんなことを思ったいると
「日菜、水はいるか?」
「じゃあ棚の中にある水をお願いします」
ヴィルターは頷き、棚から水を取ってくれた。
それをゆっくり飲む。
「ゆっくり休んで早く良くなれ」
そう言って頭を撫でてくれる。
心地良くなりそのまま寝入ってしまった。
次に目を覚ますと熱が下がっていることがわかった。
隣を見るとヴィルターが椅子に座って寝ている。
ガチャ
ドアの方を見るとザックが静かに入ってきた。
「あっ、起こしてしまったっすか?
すまないっす。」
「いえ、それより前に起きていました。
熱も下がったようですし、また仕事をさせてもらいたいのですが…」
「何言ってるんっすか!日菜ちゃんは4日寝込んでいたんすよ。」
そんなに寝ていたのか。
正直びっくりした。向こうにいた時は熱なんて引いたら隠さないと面白がって酷いことをされる。
4日も何もしないなんて許されない。
「頭が心配してずっと側でタオルとかを取り合えていたんすよ。そのせいか今は寝てますけど」
「そうなんですか…
ご迷惑をかけて申し訳ありません」
「こういう時はお互い様だから謝ることはないっすよ。それじゃあ水を変えにきただけなので失礼するっす。あとで船医のグレイが様子を見にくると思うので安静にしてるっす」
そういうとザックは水を変えて静かに出ていった。
「起きてますよね。ヴィルター」
椅子に座って寝ていたヴィルターに言うと肩を跳ねて目を開けた。
「気づいていたか…」
「ご迷惑を「前に言ったことを覚えてるか?」
なんのことかわからず悩む。
「こっちがお前のためにやったことだから止めたり、謝るよりありがとうが欲しい」
服屋のことだとわかった。服屋で買いすぎるのを止めたら言われたことだ。
「ありがとうございます」
ヴィルターが頷いていると船医がやってきた。
熱があるのか…
そりゃ長年の栄養失調、睡眠不足、過労働、そして今三条家がいない状況で気が抜けた所為なのか熱が出るのは当然のように感じる。
移るものではないだろうがあまり他の人と関わらないほうがいいな。
取り敢えず起きて熱あるから部屋に困る主旨を言った方がいいと判断して立ちあがろうとするとドアがノックされた。
「日菜。起きてるか?」
ヴィルターの声だ。
いつもは部屋に来ないのにどうしたんだろう。
ベットが下りて、ふらふらしながらドアに近づく。
「はい。起きてます。
申し訳ないのですが熱が出てしまい今日は部屋で大人しくしたいのですがいいでしょうか?」
ガタ
何かにぶつかる音がする。
「大丈夫か?熱はどのくらいある?いるものはあるか?」
声が心配ですと言わんばかりの声でなぜが少し泣きたくなるような感じがする。
熱のせいで弱っているのかもしれない。
「大丈夫です。熱はそこまで高くないのですぐ治ります」
嘘をついた。熱はそこまでと言ったがこれは38.5はある。
けど1人で寝ていればバレないだろう。
それに弱ったところを見せれば殴られる。
あれ?ヴィルター達は殴らない。なんかふわふわする。
なんか目の前が床?目が開けられないや…
目を覚ますと自分の部屋のベットの上で寝かされていた。
「日菜!」
怠くて目だけそちらに向けるとヴィルターが泣きそうな顔でいた。いや、泣きそうだけどコワモテの所為か眉間に皺を寄せていて怖い顔をしているが目が泣きそうだ。この人は顔というより目によく感情が出る。
ぼーとそんなことを思ったいると
「日菜、水はいるか?」
「じゃあ棚の中にある水をお願いします」
ヴィルターは頷き、棚から水を取ってくれた。
それをゆっくり飲む。
「ゆっくり休んで早く良くなれ」
そう言って頭を撫でてくれる。
心地良くなりそのまま寝入ってしまった。
次に目を覚ますと熱が下がっていることがわかった。
隣を見るとヴィルターが椅子に座って寝ている。
ガチャ
ドアの方を見るとザックが静かに入ってきた。
「あっ、起こしてしまったっすか?
すまないっす。」
「いえ、それより前に起きていました。
熱も下がったようですし、また仕事をさせてもらいたいのですが…」
「何言ってるんっすか!日菜ちゃんは4日寝込んでいたんすよ。」
そんなに寝ていたのか。
正直びっくりした。向こうにいた時は熱なんて引いたら隠さないと面白がって酷いことをされる。
4日も何もしないなんて許されない。
「頭が心配してずっと側でタオルとかを取り合えていたんすよ。そのせいか今は寝てますけど」
「そうなんですか…
ご迷惑をかけて申し訳ありません」
「こういう時はお互い様だから謝ることはないっすよ。それじゃあ水を変えにきただけなので失礼するっす。あとで船医のグレイが様子を見にくると思うので安静にしてるっす」
そういうとザックは水を変えて静かに出ていった。
「起きてますよね。ヴィルター」
椅子に座って寝ていたヴィルターに言うと肩を跳ねて目を開けた。
「気づいていたか…」
「ご迷惑を「前に言ったことを覚えてるか?」
なんのことかわからず悩む。
「こっちがお前のためにやったことだから止めたり、謝るよりありがとうが欲しい」
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「ありがとうございます」
ヴィルターが頷いていると船医がやってきた。
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