6 / 24
1.出会い
海賊と新生活
しおりを挟む
こっちの世界に来て1週間。
その間に色々聞いたがやはり異世界であることは間違いないようだ。
ここは多くの島々といくつかの大きな大陸のような島で海賊が多くいるようだ。
有名な海賊は12団。0~11の番号を振られ恐れられているらしい。
そしてここ夕闇海賊団は5の数字をもらっているらしい。時間のイメージや語呂に合わせて人々が番号をつけて呼ぶらしい。夕闇、変化や狭間の時間だ。この海賊達はおかしなことに奴隷船や海賊船しか襲わないらしい。海軍などに攻撃されれば反撃をするがこちらから手を出すことはないらしい。なんで海賊なんてやっているのだろう。
「じゃあ今日も洗濯お願いするっす。」
そう言ってザックは洗濯物を渡してきた。
船長が手を出すなと言っているのが効いているのかクルーがみんな優しく接してくれている。
ここの人はみんな大きいから自分を子供だと思っているのだろうか。
今だって自分を奴隷のように使おうと思えば使えるはずなのに下っ端の仕事をやらせる程度で収まっている。
セクハラみたいなこともされてない。本当になんで海賊やってるの?
この世界には魔法がある。
けど洗脳とか魅了とかの精神系ではなく風や炎、水などの自然系の攻撃というよりそれが出せるという感じの魔法か透明の壁などをはる防御魔法、自分の身体強化をする強化魔法、数はそこまで多くないけど100人いれば1人はいる回復魔法だけらしい。
ある意味考えることが多くなくて楽だ。
そしてこの世界に来てわかったことが1つある。
向こうの世界で使っていた霊力が空気中にない為自分はかなり弱体化してしまったということ。今までだったら空気中の霊力も使って半無限に力が使えたのだがそうはいかなくなった。
そもそも霊力は自分の力+回りの力を使って外に発動するものだ。
その所為で今使える力は自分の体内で完結できる身体強化、体を触れて発動できる回復系に限られる。
そもそも食べ物も与えられずゴミを食べてきたから身体強化を使えないと歩くことができるかすらわからないので運はまだいいようだ。
「わかりました。そのあと料理を手伝えばいいですか?」
「そうしてくれると助かるっす。」
水は水魔法が使える人が用意してくれたのがあるからそれを使って洗濯をしていると視線を感じる。
そうここに来て1週間。毎日のように船長ヴァルターの視線を感じる。初めて話して以来話していないがよく物陰から2mはあるであろう大きな図体を縮めて隠れてこちらを見ている。
顔は少し険しいが特に敵意などは感じられない。
変なことをしないかの監察かと思ったが1週間は長い気がする。
それもふとした瞬間に現れてまたふらっと消える。
なんなんだろう。
「お、おい。せ、洗濯。俺もっ、やる。」
この船長今洗濯を手伝うと言ったか?
それは船長の威厳的に大丈夫なのか?
妖の群れも人間の群れも同じようなもんで1番上が舐められると終わることが多い。
洗濯は間違えなく下っ端のやることだ。間違っても船長のやることじゃない。
「自分の仕事なので大丈夫です。」
そう言うとなぜか少し悲しい顔をされた気がする。
「わっ、わかった。じゃあ。」
そう言って背中を向けて去ってしまった。
なんだったのだろう。
全部洗濯し終わったら次は食堂に行って料理の手伝いだ。
料理の手伝いを申し出たら許可をくれたのは本当に助かった。
ゴミは兎も角他者が出すものが食べられなくなった自分にとっては生きるか死ぬかと瀬戸際だ。
「こんにちは。手伝いに来ました。」
「おっ!ありがとね。じゃあ野菜の皮剥きお願い。」
「わかりました。」
そうして皮を剥いていると又視線を感じ、辺りを見ると厨房の入り口にまたクマが隠れている。
一旦離れたと思ったけどまた来た。
少し入り口を見ているとコックのキールが声を変えてきた。
「手は止まってないけどどうした?うん?あーー、頭か。」
そう言って小声で
「頭は可愛いものが好きだけど可愛いものからは怖がられるし、人見知りだから頭を怖がらない日菜が来てくれて嬉しいんだよ。不快じゃないならしばらく待ってあげて。そのうち慣れてきて普通に声をかけて話せるようになるから。」
「わかりました。」
そう話していたら
「おい!て、手伝う。」
そう言った野菜の皮を剥き始めた。だから船長の威厳は大丈夫か?そう思っているとキールが苦笑いをしていた。
「まぁ、怖くないならそこに置いてやれ。」
コクと頷くと2人で黙って皮剥きを再開した。
食事が終わり部屋に帰ると机の上には可愛い瓶が置いてあって中を見ると手荒れに効くクリームのようだ。
誰がこんなのをと考えたが横にカードが置いてある。
"洗濯ありがとう。これはまだ蓋も開けてないやつだから使うといい。 ヴィルター"
どうやらクマの贈り物のようだ。
他者からのものを怖いと思うが未開封だし、あの人が自分を害する理由がない。
それにここにいる奴等は悪い奴ではないとわかる。
今まで政府の人や三条家、依頼者、妖、色々と見てせいか嘘を言っている者、害があるものがなんとなくわかるようになった。元々感が鋭かったんだらうが戦って行くうちに研ぎ澄まされたようだ。
少し考えて使うことにした。
今度あったらお礼を言おう。
その間に色々聞いたがやはり異世界であることは間違いないようだ。
ここは多くの島々といくつかの大きな大陸のような島で海賊が多くいるようだ。
有名な海賊は12団。0~11の番号を振られ恐れられているらしい。
そしてここ夕闇海賊団は5の数字をもらっているらしい。時間のイメージや語呂に合わせて人々が番号をつけて呼ぶらしい。夕闇、変化や狭間の時間だ。この海賊達はおかしなことに奴隷船や海賊船しか襲わないらしい。海軍などに攻撃されれば反撃をするがこちらから手を出すことはないらしい。なんで海賊なんてやっているのだろう。
「じゃあ今日も洗濯お願いするっす。」
そう言ってザックは洗濯物を渡してきた。
船長が手を出すなと言っているのが効いているのかクルーがみんな優しく接してくれている。
ここの人はみんな大きいから自分を子供だと思っているのだろうか。
今だって自分を奴隷のように使おうと思えば使えるはずなのに下っ端の仕事をやらせる程度で収まっている。
セクハラみたいなこともされてない。本当になんで海賊やってるの?
この世界には魔法がある。
けど洗脳とか魅了とかの精神系ではなく風や炎、水などの自然系の攻撃というよりそれが出せるという感じの魔法か透明の壁などをはる防御魔法、自分の身体強化をする強化魔法、数はそこまで多くないけど100人いれば1人はいる回復魔法だけらしい。
ある意味考えることが多くなくて楽だ。
そしてこの世界に来てわかったことが1つある。
向こうの世界で使っていた霊力が空気中にない為自分はかなり弱体化してしまったということ。今までだったら空気中の霊力も使って半無限に力が使えたのだがそうはいかなくなった。
そもそも霊力は自分の力+回りの力を使って外に発動するものだ。
その所為で今使える力は自分の体内で完結できる身体強化、体を触れて発動できる回復系に限られる。
そもそも食べ物も与えられずゴミを食べてきたから身体強化を使えないと歩くことができるかすらわからないので運はまだいいようだ。
「わかりました。そのあと料理を手伝えばいいですか?」
「そうしてくれると助かるっす。」
水は水魔法が使える人が用意してくれたのがあるからそれを使って洗濯をしていると視線を感じる。
そうここに来て1週間。毎日のように船長ヴァルターの視線を感じる。初めて話して以来話していないがよく物陰から2mはあるであろう大きな図体を縮めて隠れてこちらを見ている。
顔は少し険しいが特に敵意などは感じられない。
変なことをしないかの監察かと思ったが1週間は長い気がする。
それもふとした瞬間に現れてまたふらっと消える。
なんなんだろう。
「お、おい。せ、洗濯。俺もっ、やる。」
この船長今洗濯を手伝うと言ったか?
それは船長の威厳的に大丈夫なのか?
妖の群れも人間の群れも同じようなもんで1番上が舐められると終わることが多い。
洗濯は間違えなく下っ端のやることだ。間違っても船長のやることじゃない。
「自分の仕事なので大丈夫です。」
そう言うとなぜか少し悲しい顔をされた気がする。
「わっ、わかった。じゃあ。」
そう言って背中を向けて去ってしまった。
なんだったのだろう。
全部洗濯し終わったら次は食堂に行って料理の手伝いだ。
料理の手伝いを申し出たら許可をくれたのは本当に助かった。
ゴミは兎も角他者が出すものが食べられなくなった自分にとっては生きるか死ぬかと瀬戸際だ。
「こんにちは。手伝いに来ました。」
「おっ!ありがとね。じゃあ野菜の皮剥きお願い。」
「わかりました。」
そうして皮を剥いていると又視線を感じ、辺りを見ると厨房の入り口にまたクマが隠れている。
一旦離れたと思ったけどまた来た。
少し入り口を見ているとコックのキールが声を変えてきた。
「手は止まってないけどどうした?うん?あーー、頭か。」
そう言って小声で
「頭は可愛いものが好きだけど可愛いものからは怖がられるし、人見知りだから頭を怖がらない日菜が来てくれて嬉しいんだよ。不快じゃないならしばらく待ってあげて。そのうち慣れてきて普通に声をかけて話せるようになるから。」
「わかりました。」
そう話していたら
「おい!て、手伝う。」
そう言った野菜の皮を剥き始めた。だから船長の威厳は大丈夫か?そう思っているとキールが苦笑いをしていた。
「まぁ、怖くないならそこに置いてやれ。」
コクと頷くと2人で黙って皮剥きを再開した。
食事が終わり部屋に帰ると机の上には可愛い瓶が置いてあって中を見ると手荒れに効くクリームのようだ。
誰がこんなのをと考えたが横にカードが置いてある。
"洗濯ありがとう。これはまだ蓋も開けてないやつだから使うといい。 ヴィルター"
どうやらクマの贈り物のようだ。
他者からのものを怖いと思うが未開封だし、あの人が自分を害する理由がない。
それにここにいる奴等は悪い奴ではないとわかる。
今まで政府の人や三条家、依頼者、妖、色々と見てせいか嘘を言っている者、害があるものがなんとなくわかるようになった。元々感が鋭かったんだらうが戦って行くうちに研ぎ澄まされたようだ。
少し考えて使うことにした。
今度あったらお礼を言おう。
1
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
離婚した彼女は死ぬことにした
まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。
-----------------
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
-----------------
とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。
まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。
書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。
作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる