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1.出会い
誰か…
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痛い。助けて…殺して…誰か…
自分は駆け落ちした両親から生まれた。
父が陰陽師の家、三条家生まれて、今落ちぶれの陰陽師の中ではなかなかの力、霊力があったから三条家復興と無駄な野心を持つ奴らに1番霊力がある娘と結婚して子供産んで強い子を作ろうと画策したようだ。
そんな中、父はその家に花を下ろしてる母と出会って、結婚したいと言ったが霊力のないやつは認められんと言われ駆け落ちしたそうだ。
両親はとても愛情を注いでくれた。もう思い出せないけど優しさと父の言葉はしっかり覚えてる。
自分が1歳の時父は突然姿を消した。
その前日に父に向かって「なんで後ろに黒いの連れてるの?」と言ったことが原因だと今ならわかる。あれは呪いだ。
けど当時はわからなくて悲しかった。母は父に理由を聞かされたのかこれから2人で頑張ろうと言っていたがその影で母が泣いていたことを知っている。
それから3歳になるまで自分は家から1歩も出されなかった。理由は父が言っていたが自分の霊力の強さと才能だ。ここには父が残した本や道具があって結界が張ってるから妖はやってこないけど外は危なくて霊力の強い人間は妖にとってはご馳走だから力を使えるようになるか父の作った簡易結界を持って歩かないとダメらしい。しかしそれも多くはない。
母は仕事で忙しく家にあまりいなかったけど帰ってくるとたくさん撫でてくれた温かかった。
3歳の自分の誕生日、初めて家の外に出た。母がケーキを買いに行こうと言ってくれた。とても嬉しくてはしゃいだのを覚えてる。
そのケーキを買った帰り道悲劇が起こった。
交差点を渡る時に1台の車がブレーキをかける様子もなく突っ込んできた。
母は自分庇って車に引かれた。
正直何が起こっているかわからなかった。母に駆け寄ると母はか細い声で何かを言ったけど思い出せない。
泣いているといきなり後ろから抑えられて顔を地面にぶつけた。なんとか後ろを見るとそれは明らかに人ならざるものだった。唐突に理解した。自分を狙った妖が人にとりつき車で引いて自分を食べようとしたことを。よく見ると車のドアが開いていてその前に運転手らしき人が倒れてるのが見える。
発狂してそれ以降に記憶はない。
気がつくとあれから数日たっており、母を火葬した骨のまあに立っていた。今になれば自分は力を暴走させてあの妖を殺したんだと思う。
その後、父の親族だと言う男が声をかけてきた。自分を引き取るから迎えに来たと。
よくわからないままその人について行った。いや、行きたくなかったが3歳の自分は1人では生きていけずついて行く他選択肢はなかった。
三条家に迎えられた自分は出されたジュースを飲んだら気を失ってしまい起きたら床に貼り付けにされていた。顔をなんとか起こすと迎えに来ていた男が目を覚ましたことに気づき笑顔で声をかけてきた。
「これで今から君は俺たちの奴隷だよ。大丈夫。感情も何もない人形になるだけだから辛くないよ。」
ゾワっとした。そうしていると床が光出した。
声を変えてきた男の後ろには呪文を呟いている男がして、よくみると床には陰陽師が使う陣が引いてあった。
なんの陣かよくわからなかったがまずいと思って霊力をただ全開にして出した。抵抗する方法も無効化する方法もわからないけど父が霊力で困ったことがあれば取り敢えず霊力でぶん殴れと言った。
兎に角必死で抵抗すると少し陣が綻ぶと同時に呪文がやんだ。
男たちは何か話し合っている。なんとか逃げようともがいても拘束が取れない。そうしているうちに男たちが近づいてきて拘束を外した。今だと思い男たちの間をぬって逃げようとすると
「動くな!」
そう言われた瞬間体が動かなくなった。
「これは成功か?」
「いや、陣が少し綻んでいて完全な支配にはなってないが綻んだ場所が感情をなくすだけの場所だからよかった。大丈夫。これはあれは私たちの道具だ。」
何を言っているかわからないうちに話が進んだ。そして少し待てばいやでも理解してしまう。自分はこいつらに絶対逆らえない道具にさせられたと。
それ以降は地獄の一言に尽きる。
ストレス発散のサンドバッグは当たり前、3歳なのに金をもってこいと言われ仕方なく妖狩りを始めた。
妖に恨みがあるかと言われると難しい。母を殺したのは妖だが他の妖は何もしていない。妖すべてを恨むかと言われればいいえと答えるだろう。
妖狩りは基本国が陰陽師達に対して、これは人ならざるものがやっているんではないかという事案を送ってきてそれを解決すれば金になる。
幸いなことに金を稼げと言われたがどう稼げとは言われてない。3歳の自分ができることなんでたかが知れてる。外で普通には働かない。そもそも3歳は養ってもらう立場だ。この歳で稼げるのは実質妖狩りしかなかった。
ならせめて悪いことをした奴だけにしようと思った。そうしないと自分が保てないような気がしたから。
それから14年。自分は今年で17になる。
何も嬉しくない。何も感じない。もう喜びや悲しみの感情なんてどこかに捨てた。自分はあいつらの命令に従いつつ他の被害を最小限にすればいいとそう思った。そういう道具でいいと。それなら自分だけで全てが完結すると。
死のうとしても死ぬなと言われて自害できず殺されそうになったら相手を殺せと言われているから自分より強い人でないと自分を殺せない。力と才能があって自らの意識で死なない自分はどう足掻いても妖との戦闘の度に強くなっていった。どんどん自分が死ねなくなる。化け物になる…
誰か…誰か自分を終わらせて。たすけて…
自分は駆け落ちした両親から生まれた。
父が陰陽師の家、三条家生まれて、今落ちぶれの陰陽師の中ではなかなかの力、霊力があったから三条家復興と無駄な野心を持つ奴らに1番霊力がある娘と結婚して子供産んで強い子を作ろうと画策したようだ。
そんな中、父はその家に花を下ろしてる母と出会って、結婚したいと言ったが霊力のないやつは認められんと言われ駆け落ちしたそうだ。
両親はとても愛情を注いでくれた。もう思い出せないけど優しさと父の言葉はしっかり覚えてる。
自分が1歳の時父は突然姿を消した。
その前日に父に向かって「なんで後ろに黒いの連れてるの?」と言ったことが原因だと今ならわかる。あれは呪いだ。
けど当時はわからなくて悲しかった。母は父に理由を聞かされたのかこれから2人で頑張ろうと言っていたがその影で母が泣いていたことを知っている。
それから3歳になるまで自分は家から1歩も出されなかった。理由は父が言っていたが自分の霊力の強さと才能だ。ここには父が残した本や道具があって結界が張ってるから妖はやってこないけど外は危なくて霊力の強い人間は妖にとってはご馳走だから力を使えるようになるか父の作った簡易結界を持って歩かないとダメらしい。しかしそれも多くはない。
母は仕事で忙しく家にあまりいなかったけど帰ってくるとたくさん撫でてくれた温かかった。
3歳の自分の誕生日、初めて家の外に出た。母がケーキを買いに行こうと言ってくれた。とても嬉しくてはしゃいだのを覚えてる。
そのケーキを買った帰り道悲劇が起こった。
交差点を渡る時に1台の車がブレーキをかける様子もなく突っ込んできた。
母は自分庇って車に引かれた。
正直何が起こっているかわからなかった。母に駆け寄ると母はか細い声で何かを言ったけど思い出せない。
泣いているといきなり後ろから抑えられて顔を地面にぶつけた。なんとか後ろを見るとそれは明らかに人ならざるものだった。唐突に理解した。自分を狙った妖が人にとりつき車で引いて自分を食べようとしたことを。よく見ると車のドアが開いていてその前に運転手らしき人が倒れてるのが見える。
発狂してそれ以降に記憶はない。
気がつくとあれから数日たっており、母を火葬した骨のまあに立っていた。今になれば自分は力を暴走させてあの妖を殺したんだと思う。
その後、父の親族だと言う男が声をかけてきた。自分を引き取るから迎えに来たと。
よくわからないままその人について行った。いや、行きたくなかったが3歳の自分は1人では生きていけずついて行く他選択肢はなかった。
三条家に迎えられた自分は出されたジュースを飲んだら気を失ってしまい起きたら床に貼り付けにされていた。顔をなんとか起こすと迎えに来ていた男が目を覚ましたことに気づき笑顔で声をかけてきた。
「これで今から君は俺たちの奴隷だよ。大丈夫。感情も何もない人形になるだけだから辛くないよ。」
ゾワっとした。そうしていると床が光出した。
声を変えてきた男の後ろには呪文を呟いている男がして、よくみると床には陰陽師が使う陣が引いてあった。
なんの陣かよくわからなかったがまずいと思って霊力をただ全開にして出した。抵抗する方法も無効化する方法もわからないけど父が霊力で困ったことがあれば取り敢えず霊力でぶん殴れと言った。
兎に角必死で抵抗すると少し陣が綻ぶと同時に呪文がやんだ。
男たちは何か話し合っている。なんとか逃げようともがいても拘束が取れない。そうしているうちに男たちが近づいてきて拘束を外した。今だと思い男たちの間をぬって逃げようとすると
「動くな!」
そう言われた瞬間体が動かなくなった。
「これは成功か?」
「いや、陣が少し綻んでいて完全な支配にはなってないが綻んだ場所が感情をなくすだけの場所だからよかった。大丈夫。これはあれは私たちの道具だ。」
何を言っているかわからないうちに話が進んだ。そして少し待てばいやでも理解してしまう。自分はこいつらに絶対逆らえない道具にさせられたと。
それ以降は地獄の一言に尽きる。
ストレス発散のサンドバッグは当たり前、3歳なのに金をもってこいと言われ仕方なく妖狩りを始めた。
妖に恨みがあるかと言われると難しい。母を殺したのは妖だが他の妖は何もしていない。妖すべてを恨むかと言われればいいえと答えるだろう。
妖狩りは基本国が陰陽師達に対して、これは人ならざるものがやっているんではないかという事案を送ってきてそれを解決すれば金になる。
幸いなことに金を稼げと言われたがどう稼げとは言われてない。3歳の自分ができることなんでたかが知れてる。外で普通には働かない。そもそも3歳は養ってもらう立場だ。この歳で稼げるのは実質妖狩りしかなかった。
ならせめて悪いことをした奴だけにしようと思った。そうしないと自分が保てないような気がしたから。
それから14年。自分は今年で17になる。
何も嬉しくない。何も感じない。もう喜びや悲しみの感情なんてどこかに捨てた。自分はあいつらの命令に従いつつ他の被害を最小限にすればいいとそう思った。そういう道具でいいと。それなら自分だけで全てが完結すると。
死のうとしても死ぬなと言われて自害できず殺されそうになったら相手を殺せと言われているから自分より強い人でないと自分を殺せない。力と才能があって自らの意識で死なない自分はどう足掻いても妖との戦闘の度に強くなっていった。どんどん自分が死ねなくなる。化け物になる…
誰か…誰か自分を終わらせて。たすけて…
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