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プロローグ ~で、結局何が始まるんですか?~
その7 黄倉紗琉(こくら しゃる)
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「ちょっと貴方! タイが曲がってますよ! ちゃんと正してください!」
ぴぴー、と笛を鳴らしながら、生徒の服装を注意するのは、僕のクラスメート兼クラス委員長であり、同じ太鼓部の黄倉紗琉だ。
彼女は二年でありながら、生徒会長であり、一夜とともに生徒会を率いているのだ。
まったりした一夜とは違い、なんでもソツにこなす紗琉。性格は違えど、二人は幼い頃からの幼馴染らしく、とても仲が良くて有名だ。
「ちょっとちょっと! 貴女たち、スカートスカート! 短すぎないかしら!?」
今日は紗琉による服装検査が、この廊下で特別に開催されているようだ。
生徒会長でありながら、風紀委員のような厳しさ。そのおかげか、今まで入学者数が定員割れしたこともなく、教師がわざわざ生徒の服装について厳しく言うことはなかった。
それどころか、周りからの支持は厚く、来年の生徒会長も紗琉で決定と言われるほどであった。
それもそうだ。体育祭や文化祭の企画はおろか、校則を改正し、今までダメだったスマホの持込を許可させたり、食堂のメニューを増やしたり、各部活動の部費を少しばかりアップしたりと、彼女の活動は生徒たちの学校生活を良い方向へガラリと変えてくれるものだった。
その上、教師からの信頼も厚く、そのおかげで校則改正が出来たといっても過言ではない。誰からも信頼されている、まさに理想の生徒会長なのだ。
信頼が厚いせいか、今まで紗琉に注意されていく生徒の中で、イヤな顔をする生徒は誰一人としていなかった。みんな、生徒会長である紗琉の言うことだけには絶対服従のようだった。
「そう考えると、紗琉ってすごい生徒会長なんだな……」
と、しみじみ思う。紗琉も僕の気配に気づいたらしく、こちらへ声をかけてくる。
「あら、ケンじゃない。どうしたの、こんなところで――――――」
紗琉はこちらを見ながら硬直し、顔を真っ赤にしていた。
「……? どうしたんだ、紗琉?」
「あ、アンタ……そんなトコ全開でレディーに話しかけるだなんて……! 退学よ! 生徒会長権限で、即退学にするわよ!」
びし、と指をさす紗琉。だが、顔だけは明後日の方向を向いていた。僕は疑問に思い、紗琉の指差す方へ、つー……と目線を下げていく。そこには……
「――――――、あ」
しまった。ズボンのチャックが全開だったことに、今更ながら気づく僕だった。
ぴぴー、と笛を鳴らしながら、生徒の服装を注意するのは、僕のクラスメート兼クラス委員長であり、同じ太鼓部の黄倉紗琉だ。
彼女は二年でありながら、生徒会長であり、一夜とともに生徒会を率いているのだ。
まったりした一夜とは違い、なんでもソツにこなす紗琉。性格は違えど、二人は幼い頃からの幼馴染らしく、とても仲が良くて有名だ。
「ちょっとちょっと! 貴女たち、スカートスカート! 短すぎないかしら!?」
今日は紗琉による服装検査が、この廊下で特別に開催されているようだ。
生徒会長でありながら、風紀委員のような厳しさ。そのおかげか、今まで入学者数が定員割れしたこともなく、教師がわざわざ生徒の服装について厳しく言うことはなかった。
それどころか、周りからの支持は厚く、来年の生徒会長も紗琉で決定と言われるほどであった。
それもそうだ。体育祭や文化祭の企画はおろか、校則を改正し、今までダメだったスマホの持込を許可させたり、食堂のメニューを増やしたり、各部活動の部費を少しばかりアップしたりと、彼女の活動は生徒たちの学校生活を良い方向へガラリと変えてくれるものだった。
その上、教師からの信頼も厚く、そのおかげで校則改正が出来たといっても過言ではない。誰からも信頼されている、まさに理想の生徒会長なのだ。
信頼が厚いせいか、今まで紗琉に注意されていく生徒の中で、イヤな顔をする生徒は誰一人としていなかった。みんな、生徒会長である紗琉の言うことだけには絶対服従のようだった。
「そう考えると、紗琉ってすごい生徒会長なんだな……」
と、しみじみ思う。紗琉も僕の気配に気づいたらしく、こちらへ声をかけてくる。
「あら、ケンじゃない。どうしたの、こんなところで――――――」
紗琉はこちらを見ながら硬直し、顔を真っ赤にしていた。
「……? どうしたんだ、紗琉?」
「あ、アンタ……そんなトコ全開でレディーに話しかけるだなんて……! 退学よ! 生徒会長権限で、即退学にするわよ!」
びし、と指をさす紗琉。だが、顔だけは明後日の方向を向いていた。僕は疑問に思い、紗琉の指差す方へ、つー……と目線を下げていく。そこには……
「――――――、あ」
しまった。ズボンのチャックが全開だったことに、今更ながら気づく僕だった。
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