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プロローグ ~で、結局何が始まるんですか?~
その4 水巻智広(みずまき ちひろ)
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「ちぃ、何読んでるの?」
部室のソファーにちょこんと座りながら、本を読んでいるちぃに声をかける。
ちなみにちぃと言うのは、僕の後輩である水巻 智広の愛称であり、僕は小学生の頃からずっとちぃと呼んでいた。
「はい、猫又先生の『花火』という作品です。なかなか面白いですよ」
「またそんな難しい本を……」
ちぃはよく本を読んでいるが、大半はライトノベルを読んでいる。
しかし、時折こうして少し難しい小説を読んだりしているので、本当に僕より年下なのか? と疑ってしまう。
「そんなに難しくないですよ。ライトノベルが読めれば、大抵こういう本を読めるようになります」
ほへー…と、曖昧な返答を返す。
僕もライトノベルは読めるが、流石にそういう小説は読めない。字がものすごく小さくて、時々どこを読んでいたのか分からなくなったり、目がチカチカしたりしてしまうからだ。
「やっほー、鍵くんにちぃちゃん! ってあれ? 何読んでるのー? みしてみーしてっ!」
いきなり部室に入ってきた先輩は、ひょいとちぃが読んでいた本を取り上げ、ページをめくる。
「………………」
そして、急にバタンと倒れてしまった。
「望子さん!?」「先輩!?」
先輩はぐったりと床に倒れ、気を失っていた。目の焦点はずれ、口はぱっくりと開き、まるで「意識ここにあらず」という感じだった。
と、そこへ路世先輩が部室へ入ってくる。
「おーっす…って! どうしたんだ、これは!?」
「そ、それが……望子さん、この本を読んで急に気を失ってしまって……!!」
ちぃが本を見せると、路世先輩は「またか……」と、うんざりしたような表情を見せた。
「望子は小説を読むと、何故か急に気を失う持病を持ってるんだ。幸いにも、ライトノベルまでは大丈夫なんだが……。大丈夫。望子なら、五分を経たないうちに復活するよ」
そんな変わった持病もあるんだなーと、ちぃと二人思ってしまうのだった。
部室のソファーにちょこんと座りながら、本を読んでいるちぃに声をかける。
ちなみにちぃと言うのは、僕の後輩である水巻 智広の愛称であり、僕は小学生の頃からずっとちぃと呼んでいた。
「はい、猫又先生の『花火』という作品です。なかなか面白いですよ」
「またそんな難しい本を……」
ちぃはよく本を読んでいるが、大半はライトノベルを読んでいる。
しかし、時折こうして少し難しい小説を読んだりしているので、本当に僕より年下なのか? と疑ってしまう。
「そんなに難しくないですよ。ライトノベルが読めれば、大抵こういう本を読めるようになります」
ほへー…と、曖昧な返答を返す。
僕もライトノベルは読めるが、流石にそういう小説は読めない。字がものすごく小さくて、時々どこを読んでいたのか分からなくなったり、目がチカチカしたりしてしまうからだ。
「やっほー、鍵くんにちぃちゃん! ってあれ? 何読んでるのー? みしてみーしてっ!」
いきなり部室に入ってきた先輩は、ひょいとちぃが読んでいた本を取り上げ、ページをめくる。
「………………」
そして、急にバタンと倒れてしまった。
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「おーっす…って! どうしたんだ、これは!?」
「そ、それが……望子さん、この本を読んで急に気を失ってしまって……!!」
ちぃが本を見せると、路世先輩は「またか……」と、うんざりしたような表情を見せた。
「望子は小説を読むと、何故か急に気を失う持病を持ってるんだ。幸いにも、ライトノベルまでは大丈夫なんだが……。大丈夫。望子なら、五分を経たないうちに復活するよ」
そんな変わった持病もあるんだなーと、ちぃと二人思ってしまうのだった。
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