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プロローグ ~で、結局何が始まるんですか?~
その1 部活に行こう!
しおりを挟む「きよつけー、れい」
終礼が終わり、生徒は皆、様々なアクションを起こしていく。
友達と駄弁る人、教室を出て帰宅、もしくは部活に行く人……。みんなそれぞれ自分の意思で行動していた。
そんな中、僕こと黒崎 鍵も、配られたプリント類を通学バックに仕舞うと、そのまま教室を出た。
一応、僕も部活生なので、部活に行かなくてはならないからだ。
さて、部活動といえば、何部が浮かぶだろうか?
野球、サッカー、テニス、バスケ、バレー、陸上、卓球、水泳、剣道、柔道、美術、吹奏楽……様々な部活動が浮かぶだろう。
しかし、僕の所属している部活は、このうちのどれでもない。極めて特殊な部活だった。
僕も初めは、そんな部活があるんだー、と思っていたが、それでも、先輩から話を聞くと、全国大会まであるらしい。
部室の目の前に来て、軽く深呼吸。すでに何度も来ている部室だが、入部して一ヶ月経っても、この緊張は消えない。
なぜなら、この部活には僕以外の男子部員がいないからだ。先輩曰く、僕以外の男子部員を募集したこともなく、入部を希望してきた男子生徒なんていないとかなんとか。
というわけで、僕がこの太鼓部の一番の男子部員であり、恐らくは最後の男子部員らしい。
男子である僕が、何故この部活に入れたかというと、先輩曰く「鍵くんは男の子というより男の娘って感じだからノーカンよ」とのコトだ。
僕にも一応男としての威厳があるっていうのに、そう言われちゃボロボロだ。
「……っ」
入るのを少し躊躇ってしまうが、入部したからには部活動に参加しなくてはならない。木製のボロっちぃ扉に手をかける。
ここまで来た以上、入らざるを得ない。やっぱり僕以外の男子がいないと少し緊張してしまうが……
「男だろ、鍵」
そう自分に言い聞かせ、僕は部室の扉を開けた。
その部室の扉の上には大きく、「太鼓部」と書かれていた。
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