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第二章 夏 ~それぞれの想い、廻り始めた歯車~
その136 合宿 その3
しおりを挟む陽も落ち、合宿一日目が終了しようとしていた。
夕食を済ませ、先輩たちは入浴している。対して僕は、部屋でのんびりとしていたところだった。
僕の入浴時間はまだまだ先だろう。誰かが浴場があけば、それを知らせに来るはずだ。
「先輩、お風呂空きましたよ」
と、ちぃが知らせに来た。
僕はパソコンの画面とにらめっこしたまま、一言だけ返す。
「分かった」
「先輩、なにしてるんですか?」
「これか? まぁ、活動日誌もどきだよ」
そう。最近の僕の日課である、活動日誌もどきを今まとめている状況だった。
僕が入部してから、もうすでにざっと三か月弱経っている。その間の内容が濃厚すぎて、僕は日に日に日誌をつけるようにしたのだ。
……まぁ、活動とは全然関係ないものだったり、どうでもいい出来事とかも含まれているのだが。
「……へぇ。一日ずつまとめてるんですね」
「あぁ。千文字程度でざっくりとその日に起きた出来事の中で、僕が一番に印象深かったものについてまとめてるだけだけどね」
今のところですでに125日分の日誌が仕上がっている状況だ。……まぁ、忘れていた分もあるかもしれないが、これでほぼ毎日分記入しているのではないだろうか?
「ほぼ毎日分ですか。先輩って意外なところでマメですよね」
「へへ。よく言われるよ」
へらり、と笑ってみせる。
僕はこういう変なところでマメだから、たまに周りから「変わり者」なぁんて言われるのだ。
……まぁ今は、望子先輩の方が僕より数倍変わり者だと思うけど。
「……さて、僕もお風呂に入ってくるかな」
パソコンを閉じ、「よっこらしょ」と腰を上げる。
すでに今日の分はまとめてある。これ以上やることもないし、今日一日遊んだ分の疲れを取るためにも、入浴してリラックスしようかと思う。
「凄かったですよ。流石ホテルとして建造されていただけあって、とても大きかったです」
「ホントに? そりゃ楽しみだなぁ」
ちぃと二人で僕の部屋を出る。……そんなに大きいのか。大きいお風呂に入るのは久しぶりだから、少し楽しみだ。
「それじゃ先輩、ごゆっくり」
「うん。じゃまた」
と、途中まで二人で歩いた後にちぃと別れる。
……さて、一人のびのびとゆっくりお風呂につかろうではないか。
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