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第二章 夏 ~それぞれの想い、廻り始めた歯車~
その117 涙
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「いい加減にしてください、先輩!」
「えー……いいじゃん、楽しいよ、太鼓部」
私は職員室の帰りに、望子先輩と偶然ばったり出会い、直接勧誘の誘いを受けることになった。
今まではこうなると思って、あれやこれやとかわしていたのだが……これは完全に予想外だった。
「何度も言いますが、お断りです! 第一、私には生徒会としての活動で手一杯なので!」
「別に生徒会活動の邪魔はさせないつもりだし、最悪試合に出てもらえるだけでもいいからさ……」
「結構ですっ! 私はもう二度と叩かないと決めているので! 失礼します!」
早めにこの場を去りたいと思い、私はそそくさとその場を立ち去る。
と、先輩はこちらの方を振り返りながらこう言った。
「どうして……? 助っ人の時は、あんなに楽しそうに叩いてたじゃん!」
「…………」
……なんでよ。
「久しぶりに見たよ! あんなに楽しそうに太鼓を叩いている人! それなのに、太鼓を叩かないなんてもったいないよ!」
……なんでよ、アンタなんか。
「なにか、別に理由があるんでしょ? だったら、あの時の助っ人なんて引き受けていない! そうだよね!」
「なんでよ! アンタなんかにアタシのことなんか分かるわけないでしょっ!!!!」
気づけば、私は大声で叫んでいた。
……廊下だってのに、はしたない。これでも生徒会長でしょ。
でも……
「………。失礼します」
軽くお辞儀をすると、私はそそくさとその場から駆け離れた。
……どうして。
……どうして、あの人に。
……どうして、あんなノーテンキそうな人にアタシの気持ちが分かるっていうのよ!!?
気づけば頬は濡れていた。
アタシはもう二度とやらない、叩かないって決めていたのに……!
「……イヤだ。私は……」
「えー……いいじゃん、楽しいよ、太鼓部」
私は職員室の帰りに、望子先輩と偶然ばったり出会い、直接勧誘の誘いを受けることになった。
今まではこうなると思って、あれやこれやとかわしていたのだが……これは完全に予想外だった。
「何度も言いますが、お断りです! 第一、私には生徒会としての活動で手一杯なので!」
「別に生徒会活動の邪魔はさせないつもりだし、最悪試合に出てもらえるだけでもいいからさ……」
「結構ですっ! 私はもう二度と叩かないと決めているので! 失礼します!」
早めにこの場を去りたいと思い、私はそそくさとその場を立ち去る。
と、先輩はこちらの方を振り返りながらこう言った。
「どうして……? 助っ人の時は、あんなに楽しそうに叩いてたじゃん!」
「…………」
……なんでよ。
「久しぶりに見たよ! あんなに楽しそうに太鼓を叩いている人! それなのに、太鼓を叩かないなんてもったいないよ!」
……なんでよ、アンタなんか。
「なにか、別に理由があるんでしょ? だったら、あの時の助っ人なんて引き受けていない! そうだよね!」
「なんでよ! アンタなんかにアタシのことなんか分かるわけないでしょっ!!!!」
気づけば、私は大声で叫んでいた。
……廊下だってのに、はしたない。これでも生徒会長でしょ。
でも……
「………。失礼します」
軽くお辞儀をすると、私はそそくさとその場から駆け離れた。
……どうして。
……どうして、あの人に。
……どうして、あんなノーテンキそうな人にアタシの気持ちが分かるっていうのよ!!?
気づけば頬は濡れていた。
アタシはもう二度とやらない、叩かないって決めていたのに……!
「……イヤだ。私は……」
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